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第371号☆4月4日 国会の審議のあり方をめぐって、ながいながい議論

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  日本共産党 衆議院議員 佐々木憲昭の
 *--*--*--* 憲 昭 e た よ り *--*--*--* 2010/4/4 第371号
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 ◇◆本人がつづる今週の一言◆◇

 メルマガ読者の皆さん、こんにちは。佐々木憲昭です。

 相変わらず温かい日と寒い日が交差する毎日が続いています。そのうえ、昼間の暖かさと朝夕の冷え込みの落差も大きいですね。
 昨日は、名古屋で参議院選挙の事務所開きがあり、日当たりの良いところでお話しておりましたら、ポカポカと暖かい感じでした。その直後、人通りの多い栄に移動し、キャラバン出発式でお話しました。そのときは、ふるえるような寒さでした。ちょうどビルの日陰でヒューヒューとビル風が強く吹き付け、体温が奪われる場所だったからです。
 ──出かけるときに「寒いの?暖かいの?」と思わず言ってしまう、マダラ模様の今日このごろです。

 この1週間、議院運営委員会理事会では、国会の審議のあり方をめぐって、ながいながい議論がありました。
 ことの発端は、民主党の一方的で強引な国会運営にありました。3月26日(金曜日)に、民主党が、突然「労働者派遣法案と地域主権関連法案の2法案を“参議院先議”にしたい」と言い出したのです。「参議院先議」というのは、政府が先に参議院側に法案を提出し審議・採決して衆議院に回してくるやり方です。野党側は、いっせいに抗議しました。いくら何でも、それは強引すぎるからです。
 ほんらい 政府が提出する法案は、衆議院から審議をはじめるのが国会の基本ルールとなっているのです。たとえば憲法60条は、予算案について衆議院の優先審議権を規定しています。また、予算に関連がある内閣提出法案は衆議院から先に審議するルールが決められています(「先例集」)。とりわけ、総理大臣が出席して質疑をおこなう重要法案については、衆議院から審議することが当然のこととされてきました。──「参議院先議」は例外で、与野党が合意した議案についてのみ、おこなわれてきたのです。

 私は、(1)派遣労働法改正案は重要広範議案であり同議案の参院先議の前例は一度もないこと、(2)地域主権関連法案は予算関連の政治主導確立法案とセットになっており予算関連法案は衆議院審議が慣例となっていることを強調しました。
 ところが民主党は、野党の抗議を無視して、月曜日(29日)の午後5時に、これらの法案を参議院に提出してしまったのです。そのため、野党は「衆議院の議運理事会で協議中であり合意もしていないのに、参議院に突然提出するのはあまりにも異例であり与党の横暴だ」と主張し、2法案の参議院提出を撤回し、衆議院に提出するよう要求しました。自民党、公明党も撤回を主張しました。

 私は、「あの強引な自民党もやらなかった暴挙だ。民主党はそこまでルール破壊をするのか!」と言うと、民主党の理事は勢いを失い、自民党理事は複雑な表情をしていましたが……。3月31日付「しんぶん赤旗」には、経過と解説が詳しくのりました。その日、自民党理事がこういいました。「ありがとう、うまく整理してもらって。他の新聞では報道してくれないから」と。──「しんぶん赤旗」の面目躍如ですね。

 民主党は「参院選挙があり日程がタイトで、十分な審議をするためだ」などと説明しましたが、与野党の合意なしに政権側の都合だけで勝手に参院先議を決めることになれば、混乱をもちこむこととなり、かえって十分な審議ができなくなります。
 私は、民主党理事に言いました。「早くやろうとして強引なことをすれば、それが裏目に出て、結局、時間がかかることになる」と。その理事はぽつりと「そうだよな」と言いました。
 じっさい、議院運営委員会でこんな議論をしていたため、予定されていた木曜日(4月1日)と金曜日(4月2日)の本会議が出来なくなってしまいました。与党にとっても「非効率」だったのです。

 暗礁に乗り上げたため、4月2日になって、ついに民主党は主張を取り下げ、派遣法改定案の参議院先議を撤回し、衆議院に提出しなおすと表明しました。これを受け、自民・公明両党は、「前例としない」ことを条件に同意しました。
 私は、「派遣法改定案の撤回再提出は当然であり、地域主権関連法案もそうすべきだ」と主張しました。そのうえで「今後、与野党が合意した場合のみ参議院先議とすること、重要広範議案は議論の余地なく衆議院から審議することを確認すべきだ」と求めました。

 松本剛明議運委員長は、(1)法案は衆議院から議論するのが普通である、(2)合意を得て運営していくことが充実した審議につながる、(3)重要広範議案は参議院先議となったことはない、その重みを政府・与党に伝える。──このようにまとめました。
 これで、一件落着しましたが、今回の事態は、日本共産党がスジの通った主張をすれば、議会運営の上で大きな影響を与えることを証明するものとなりました。

 ◇◆今週の「奮戦記」より◆

 沖縄密約─普天間滑走路は日本の負担で整備と防衛政務官答弁
                       (4月2日付「奮戦記」より)

 財務金融委員会で「沖縄返還に伴う財政負担に関する密約」について質問し、米軍普天間基地問題とのかかわりをただしました。
 これまで自民党政権は沖縄返還協定で公表された日本側の負担は、3億2000万ドルで、それ以外の密約は「一切存在しない」としてきました。しかし、この間の財務省による機密文書調査で3億2000万ドルを超える「負担や別途の使い道」について「秘められた約束があった」ことがわかっています。
 私は、この財政負担の出発点といわれる密約「柏木―ジューリック文書」(1969年2月署名)を示して、「普天間飛行場の滑走路は日本の負担でつくったのではないか」と指摘しました。楠田大蔵防衛政務官は「普天間飛行場の改良などにかかわる経費は日本側の負担でおこなった」と認めながら、「密約との関係はわからない」と答えました。
 私は、「米軍は戦後、沖縄県民の土地を銃剣とブルドーザーで取り上げ、家を焼き払って基地をつくり、その後も沖縄返還協定と密約によって、膨大な財政負担を日本に押しつけ、基地機能を強化するという、まったく許せないことがおこってきた」と批判しました。

≪毎日の奮戦記はこちらから≫
【10.04.03】参議院愛知県事務所びらき、キャラバン出発式
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/100403-141607.html
【10.04.02】沖縄密約─普天間滑走路は日本の負担で整備と防衛政務官答弁
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/100402-215606.html
【10.04.01】年金の差し押さえで命を奪うことは許されない
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/100401-003724.html
【10.03.31】鳩山総理は、何に「命がけで体当たり」するのか
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/100331-220851.html
【10.03.30】議運理事会で、与党による派遣法など「参院先議」ごり押しに厳しく抗議
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/100330-213335.html
【10.03.29】機関紙配布行為の処罰は憲法違反──東京高裁が逆転無罪判決
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/100329-202824.html

◎「憲昭eたより」のバックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 → http://www.sasaki-kensho.jp/magazine/

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   佐々木憲昭WebSite: http://www.sasaki-kensho.jp
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