国会での活動
【09.02.09】「仕事と住まいを失った労働者を救え」麻生総理に質問
2009年2月9日、予算委員会で「雇用・景気対策」集中審議がおこなわれ、日本共産党から佐々木憲昭議員が質問に立ちました。
仕事と住まいを失った労働者に
佐々木議員は、大企業による「派遣・非正規切り」によって仕事と雇用を失った労働者を「大企業、国、自治体の責任で一人も路頭に迷わせるな」と求めました。
政府調査でも「派遣切り」の26%が東海地方に集中しています。
佐々木議員は、住居がない場合でも生活保護の申請を受け付けてきた名古屋市中村区の対応を紹介しました。「周辺自治体からも含め、毎日百人以上の相談が殺到している」とのべ、生活保護申請を)住居がないからといってはねつけるのではなく、中村区のような対応を「すべての自治体の基本方針とすべきだ」と求めました。
これにたいし舛添要一厚生労働大臣は、「日比谷公園のようなところで寝泊りしている人も申請は可能。また、自治体の助けを借りてアパートを借りると、そこが住所となり、その段階で生活保護の給付ができる。(中村区のような対応を)全国で同じようにする」と答弁しました。
佐々木議員は、2月から3月に予想される「派遣・非正規切り」の深刻な事態にたいして、各地に緊急の宿泊施設を設置すること、各自治体での仕事、住まい、生活保護などの総合相談窓口を設置することなどを提起しました。
その上で、必要な資金と人については「派遣切りをした大企業と国、自治体が責任を持つべきだ」と強調しました。
麻生太郎総理は、地方自治体と連絡を取り「きちんとやっていかなければならない」と答えました。
三菱電機の派遣切りに
続けて、三菱電機の派遣切りについて質問しました。
三菱電機名古屋製作所で5年以上働きながら、昨年12月に契約期間途中で解雇された非正規労働者の悲痛な叫びを綴った手記を紹介し、政府に対応を迫りました。
「いいようにこき使われ、利用され裏切られたのだとはっきり気づいた」と書かれていました。2002年から6年半、派遣として働き、4月末まで契約期間がありながら、昨年12月末に解雇された派遣労働者の実態を紹介しました。
最大3年を超えて同一業務で仕事をさせることは違法で、3年を超える場合、派遣先企業は直接雇用を申し出る義務があるにもかかわらず、一度も行われていませんでした。
佐々木議員は「実態をただちに調査せよ」と迫りました。
舛添要一厚生労働大臣は「法律にもとづいて厳格な指導をやり、正していく」と答えました。
三菱電機の派遣労働者の多くは、社員食堂の値段が正社員の倍など差別的な扱いを受け、作業服も負担が重いのです。たとえば、作業用の帽子は、正社員は10円なのに、派遣労働者は1000円〜2000円も負担させられています。
ある派遣労働者は、洗浄作業で揮発の激しいシンナーなど有機溶剤を毎日吸い込み、のど・鼻の痛み、めまいなどを訴えたのに、取り合ってもらえず、2カ月間作業を続けさせられました。
佐々木議員は「危険な作業を派遣社員に押し付けている。派遣先は労働者を生きた人間としてではなく、モノのように扱い、切り捨てている」と追及しました。
麻生総理は「事実であるなら、はなはだ遺憾だ。労働基準法の点からも問題だ」と答えざるを得ませんでした。
派遣先の大手企業は、派遣労働者を自分の会社の指揮命令下で働かせているのに、労働契約を結んでいません。派遣元企業と、民事上の契約を結んでいるだけです。
大規模な「派遣切り」を行った大分キヤノンは、解雇通告を受けた派遣・請負労働者が交渉に行ったら、「雇用関係にない」と門前払いするのもそのためです。
佐々木議員は「派遣先の大企業は、労働者に対して直接、指揮命令下で働かせている。雇用に対する責任も当然負うべきだ。とにかく今の法制でできることは全部すべきだ。抜本的な法改正も必要だ」と強調しました。
<質問後、名古屋北部青年ユニオン関係者との懇談>
佐々木議員は、1月14日〜16日に、愛知県内で派遣切りについて聞き取りを行い、1月22日には、派遣切りなどで職と住まいを失った労働者を救えと、大村秀章厚生労働副大臣へ申し入れをおこないました。
また、2月3日には、日本共産党国会議員団が愛知県名古屋市で、仕事と住居を失った方々への支援実態を調査をおこないました。
リンク【東海での活動】愛知県内で派遣切りについて聞き取り、対策を申し入れ(2009年1月14日〜16日)
リンク【東海での活動】「派遣切りなどで職と住まいを失った労働者を救え」大村厚労副大臣への申し入れ(2009年1月22日)
リンク【東海での活動】名古屋市で仕事と住居を失った方々への支援実態を調査(2009年2月3日)
リンク【憲昭国会質問データベース】「仕事と住まいを失った労働者を救え」麻生総理に質問
リンク【YouTube佐々木憲昭チャンネル】「仕事と住まいを失った労働者を救え」麻生総理に質問(約25分)