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財政(予算・公共事業), 雇用・労働 (非正規雇用)

2009年02月09日 第171回 通常国会 予算委員会≪集中審議≫ 【487】 - 質問

「仕事と住まいを失った労働者を救え」麻生総理に質問

 2009年2月9日、予算委員会で「雇用・景気対策」集中審議がおこなわれ、日本共産党から佐々木憲昭議員が質問に立ちました。

 佐々木議員は、大企業による「派遣・非正規切り」によって仕事と雇用を失った労働者を「大企業、国、自治体の責任で一人も路頭に迷わせるな」と求めました。
 政府調査でも「派遣切り」の26%が東海地方に集中しています。
 佐々木議員は、住居がない場合でも生活保護の申請を受け付けてきた名古屋市中村区の対応を紹介しました。「周辺自治体からも含め、毎日百人以上の相談が殺到している」とのべ、生活保護申請を)住居がないからといってはねつけるのではなく、中村区のような対応を「すべての自治体の基本方針とすべきだ」と求めました。
 これにたいし舛添要一厚生労働大臣は、「日比谷公園のようなところで寝泊りしている人も申請は可能。また、自治体の助けを借りてアパートを借りると、そこが住所となり、その段階で生活保護の給付ができる。(中村区のような対応を)全国で同じようにする」と答弁しました。
 佐々木議員は、2月から3月に予想される「派遣・非正規切り」の深刻な事態にたいして、各地に緊急の宿泊施設を設置すること、各自治体での仕事、住まい、生活保護などの総合相談窓口を設置することなどを提起しました。
 その上で、必要な資金と人については「派遣切りをした大企業と国、自治体が責任を持つべきだ」と強調しました。
 麻生太郎総理は、地方自治体と連絡を取り「きちんとやっていかなければならない」と答えました。



 続けて、三菱電機の派遣切りについて質問しました。
 三菱電機名古屋製作所で5年以上働きながら、昨年12月に契約期間途中で解雇された非正規労働者の悲痛な叫びを綴った手記を紹介し、政府に対応を迫りました。
 「いいようにこき使われ、利用され裏切られたのだとはっきり気づいた」と書かれていました。2002年から6年半、派遣として働き、4月末まで契約期間がありながら、昨年12月末に解雇された派遣労働者の実態を紹介しました。
 最大3年を超えて同一業務で仕事をさせることは違法で、3年を超える場合、派遣先企業は直接雇用を申し出る義務があるにもかかわらず、一度も行われていませんでした。
 佐々木議員は「実態をただちに調査せよ」と迫りました。
 舛添要一厚生労働大臣は「法律にもとづいて厳格な指導をやり、正していく」と答えました。
 三菱電機の派遣労働者の多くは、社員食堂の値段が正社員の倍など差別的な扱いを受け、作業服も負担が重いのです。たとえば、作業用の帽子は、正社員は10円なのに、派遣労働者は1000円〜2000円も負担させられています。
 ある派遣労働者は、洗浄作業で揮発の激しいシンナーなど有機溶剤を毎日吸い込み、のど・鼻の痛み、めまいなどを訴えたのに、取り合ってもらえず、2カ月間作業を続けさせられました。
 佐々木議員は「危険な作業を派遣社員に押し付けている。派遣先は労働者を生きた人間としてではなく、モノのように扱い、切り捨てている」と追及しました。
 麻生総理は「事実であるなら、はなはだ遺憾だ。労働基準法の点からも問題だ」と答えざるを得ませんでした。
 派遣先の大手企業は、派遣労働者を自分の会社の指揮命令下で働かせているのに、労働契約を結んでいません。派遣元企業と、民事上の契約を結んでいるだけです。
 大規模な「派遣切り」を行った大分キヤノンは、解雇通告を受けた派遣・請負労働者が交渉に行ったら、「雇用関係にない」と門前払いするのもそのためです。
 佐々木議員は「派遣先の大企業は、労働者に対して直接、指揮命令下で働かせている。雇用に対する責任も当然負うべきだ。とにかく今の法制でできることは全部すべきだ。抜本的な法改正も必要だ」と強調しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 最近、名立たる大企業が何千何万という単位で次々と派遣切り、非正規切りを行っておって、国民の中に大変な不安が広がっております。
 厚労省が1月30日に公表した調査によりますと、非正規雇用の雇いどめで、昨年10月からことし3月までの間に12万5千人が仕事を失う、大変な事態であります。業界団体でも40万人、こういう数字も出されております。
 資料を見ていただきたいんですが、政府の調査によりますと、愛知県が一番多いわけです、2万人。東海四県では26%、つまり、派遣切りに遭った4人に1人が東海地域に集中しております。
 まず、総理にお伺いしますが、派遣切りがこんなに東海地域に集中しているのは、これはなぜだと思われますか。
○麻生内閣総理大臣 ここは基本的には、主たるものとしては、工業として自動車、航空機、また精密、精機と言われるようなものを含めまして、陶器、この四種類の企業が多く集中しているところだと思います。その中で、自動車産業の比率が最も高く、その自動車産業が、今回のいわゆる世界的な不況を受けて、輸出面で不況のあおりを受けた部分が非常に多かった。その企業群が愛知県に多く集中しているというのがその影響かなと、正確な分析じゃありませんけれども、大体そんなところじゃないかなと思っております。
○佐々木(憲)委員 この派遣切りに遭った労働者の多くは、工場の近くの寮に住んでおられるわけです。解雇されると同時に寮から追い出される。しかし、年収200万前後という状態ですから、蓄えがありません。次の住居を確保したいけれども、それもできない。しばらくはネットカフェで寝泊まりをして職を探しているけれども、見つからない。そのうちに所持金を使い果たして、背広を着た若者が何日も食事をとることができずに相談に来られるわけです。
 それが今名古屋に集中しておりまして、このパネルを見ていただきたいんですが、もともと名古屋市というのは、ほかの大きな市と同じようにシェルターがありまして、ホームレス対策を行っておりました。しかし、今回はその能力をはるかに超えまして、中村区役所だけ、区役所に毎日百人前後の相談者が押し寄せているわけでございます。これは本当に大変な事態でありまして、市外から来ている人が約半分。名古屋市内が48・6%、市外がそのあと半分以上を占めておりまして、県外が3分の1を占めているわけです。
 中村区役所には私も何度も足を運びましたけれども、ほかの区役所から応援も得て職員は必死になって相談に乗りまして、宿泊所を確保したり生活保護の手続に当たったりしているわけです。しかし、深夜まで仕事をしても書類が毎日積み上がっていく、こういう実態であります。
 なぜ名古屋に集中するのか。周辺の自治体の姿勢にも私は問題があると思っております。もう職もない、住むところもない、それで自治体に相談に行くと、相談に来た労働者に自治体の側は電車の切符を渡して、名古屋に行きなさい、そういう事例があるわけですね。
 鳩山大臣にお伺いしますけれども、自治体というのは一体何のためにあるのか。派遣切りに遭った住民から相談を受けたら、その自治体がやはり親身になって対応する、これは基本でなければならぬと思いますが、いかがですか。
○鳩山総務大臣 雇用問題に関して言えば、今、佐々木委員がおっしゃるようなことが起きているのはまことに残念でございます。
 私は、昨年末に、全地方自治体はもちろん、市区町村長あてに、あるいは議会議長あてに手紙を送りまして、地域住民が安心して暮らせるように積極的な対応をとってくれ、雇用問題も、こちらもしっかりやるから頑張ってくれというので、財源について、地方自治体が雇用の促進あるいは新しい雇用を生むために、できる財源をいろいろ用意しているわけです。例えば特別交付税、3月に配る分がまだ6700億ありますが、これも雇用に大いに使ってほしいということであります。
 総理から、1兆円の地方交付税、これは本予算ですが、積み増していただいたうちの5千億は雇用に使う。これは、都道府県、市町村、2500億ずつですが、いわば条件の悪いところ、つまり有効求人倍率とか財政力指数が悪いところ、あるいは一次産業率が多いところに多く配分するわけですから、ある意味でいうと、雇用をふだん生みにくそうなところに雇用が生まれるように手配をしている。今度の二次補正で6千億の生活対策臨時交付金を出した、これも雇用に使える。
 ですから、早くこの関連法案を成立させていただければ、区市町村が元気になって、もう名古屋へ行きなさいなんて言わないで、おれのところで引き受けると変わっていくと思います。
○佐々木(憲)委員 予算の話をされましたが、私は、その前に自治体の姿勢を聞いているんですよ。これだけ大変な事態になっているのに、うちの自治体では窓口でほかの自治体に行きなさい、そういう話ではだめだという話をしているわけです。
 舛添大臣にお伺いしますが、生活保護の申請の際、住居がないからといってこれをはねつけない、受け付けた上で、住居を探し給付をする。これは年越し派遣村や名古屋市でも行っておりますが、これはすべての自治体の基本方針にすべきだと私は思うんです。いかがですか。
○舛添厚生労働大臣 例えば日比谷公園のようなところに寝泊まりしておられるような方でも、これは基本的に申請は可能です。その上で、きちんと自治体の助けをかりてアパートを借りられる、そうしたらそこが住所になりますから、その段階できちんと給付ができますので、これは全国同じようにしていきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 私は、名古屋市の担当者の話を聞きました。市が単独でやっている緊急宿泊援護施設の費用は、昨年の予算の六倍に膨らんでおります。緊急事態なんですね。これらの費用に対して、国がやはり財政援助をすべきだというふうに私は思います。
 舛添大臣にお聞きしますが、今まで派遣労働者が住んでいた寮は、追い出したらがらがらになっているわけですよ。その一方で、自治体が必死になって宿泊所、住居を確保している。大規模に派遣切りをした大企業は、それを見て涼しい顔をしている。非常におかしいと思うんですね。この寒空のもとに寮から追い出すのか。解雇されたからといって、すぐに出ていく必要がないと私は思いますが、労働者に向かって、はっきりこの点、寮からすぐ出ていく必要はないよと言っていただきたい。
○舛添厚生労働大臣 すべて基本的に、その企業と労働者の契約関係がどういうことになっているかということによりますけれども、しかしながら、まず我々がやっているのは、解雇したからすぐ出ていけと言わないで、社員寮にそのままとどまり続けられることをやる企業主に対しては、4万円から6万円の家賃の補てんをいたします。それから雇用促進住宅、もう3800件ぐらいのあっせんをいたしました。
 それから、日比谷の場合もそうでしたけれども、500人ぐらいの方々に対して、求人票、住み込みで、すぐ働いてすぐ住居もあります、これを4千人分持っていきました。
 今、全国のハローワークで、住居の相談も含めて、昨年の12月15日から全面的に皆様方の御支援をしておりますので、どうか、問題あればすぐにハローワークにいらしていただければ、私たちが一生懸命お手伝いをさせていただきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 寮から追い出された後ハローワークに行く、あっちに行け、こっちに行け、これはなかなか大変なんですよ。寮にいる段階で、今後の仕事、住まい、生活保護、こういうものの相談に総合的に乗るということが今求められていると思うんです。
 総理に聞きます。
 2月から3月にかけまして深刻な事態が想定されております。緊急の宿泊施設を各地に設置する、各自治体に総合窓口を併設する、必要な資金と人は派遣切りをした大企業や国、自治体が責任を持つ、一人も路頭に迷わせない、この姿勢で私は取り組むべきだと思いますが、総理の決意を聞きたいと思います。
○麻生内閣総理大臣 今、厚生大臣からも御答弁をいたしましたとおり、雇いどめ等によって住居がいきなり喪失する、なくなるという離職者、退職者を支援することは、これは今お話がありましたように、昨年の末からハローワークなどなど、いろいろ今までにないような対応をずっとしてきていると思います。住居の入居あっせんとか雇用保険二事業、御存じのとおりで、ああいったものを活用して住宅政策支援の資金融資ということもやらせてきていただいておりますのは、先生よく御存じのとおりです。
 一方、寄せられます相談の多くは、再就職の援助から住宅の確保、また福祉制度の利用などまで、実に幅広い問題にわたっておりまして、ここを担います地方自治体と連携をしないと、厚生労働省だけでどうにかできるものでもございませんので、今後とも、地方自治体との間の連絡をきちっとやっていかなければいかぬところだと思っております。
○佐々木(憲)委員 次に、派遣労働の問題ですが、派遣というのは臨時的、一時的業務に限る、これが原則であります。最大3年を超えて同一業務をさせることは違法です。3年を超える場合、派遣先企業は労働者に直接雇用の申し出をしなければならない。ところが、実際はそれが守られていない。
 具体的な例を挙げたいと思います。三菱電機名古屋製作所の例であります。
 仮にCさんといたしますが、この方は、2003年12月から5年間、偽装請負から派遣に変わったけれども、同一業務で仕事をしてまいりました。この方は母子家庭で、娘さんと二人暮らしであります。こういうふうに訴えているわけですね。
 12月19日に突然担当者に呼び出され、解雇を通告されました。ついに私もかと、ショックと怒りでわけがわからなくなってしまいました。派遣会社が話した解雇の理由は、今後、自分の働いているラインは回復の見込みがないからというだけでした。12月だけで、私の班だけで20人ぐらい切られています。娘に電話で、お母さん来月から仕事がなくなっちゃったと伝えると、娘は電話口で無言になり、泣き出してしまった。本当につらかった。親子ともども首をつらないといけなくなる。こういう訴えであります。
 契約期間途中の解雇なんです。この5年間必死に働いてきたのに、派遣先企業は労働者に直接雇用の申し入れを一度もしておりません。
 同じ工場のMさんの場合ですけれども、2002年5月から偽装請負時代も含めて6年半、派遣が繰り返されてきました。この方は、低圧電気と高圧電気の免許を取り、正社員に仕事を教えるほど能力の高い方であります。契約更新が36回、この間の時給は1100円から1120円に、たった20円上がっただけです。家族を抱えて頑張ってきました。この人は、4月30日までの雇用契約があるにもかかわらず、12月2日に12月末で解雇だと言い渡され、本人は大変なショックで、このように訴えております。
 解雇だと告げられ、目の前が真っ暗になった。3年以上働けば直接雇用じゃなかったのか。6年半も頑張って、いとも簡単に首か。5、6月が過去最高の利益だったのに、たった一回受注が減っただけで、なぜこの年末の12月に全員解雇するのか。いろいろな感情が込み上げ、その後1カ月の仕事は本当につらいものだった。こんなつらい気持ちで残り期間働いているのに、その神経を逆なでするかのように、また正社員に仕事を教え、引き継ぎまで頼まれた。いいようにこき使われ、ほぼすべての作業を一生懸命覚えてやってきたことを利用され、裏切られたんだとはっきり気づいた。こういうふうに言っております。
 このような声は今、多数寄せられております。私は三菱電機の本社に問い合わせました、一体どうなっているんですかと。しかし、それは答えないことにしていると、非常に冷たい対応でありました。全くこれはやみからやみに葬るようなものですね。
 厚労大臣にお聞きしますけれども、3年を超えて働いていた労働者はすべて正社員にするというのが原則だと私は思います。実態を直ちに調査するということをぜひやってください。
○舛添厚生労働大臣 まず、個別の案件についてのお答えは差し控えますが、一般論として申し上げますと、この3年というのはいつから来るかということは、派遣元の会社が、派遣先と自分が抱えている労働者に対して、3年切りましたという、抵触日というふうにいうんですけれども、これの通知を受けたときからしかカウントできません。
 それで、そういう問題があれば、各県の労働局に特別の窓口がありますから、ぜひそこに飛び込んできてくださって、こういうひどいことをやっているんだよと言ってくだされば、必ずこれは立ち入って必要な指導をやっていきますので、そういう制度があるということを、全国で働いている皆さん方にぜひお知りおきいただきたいと思いますし、そして、我々は、法律に基づいて厳格な指導をやり、正していきたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 派遣労働者の多くは、職場の中でも差別的な扱いを受けております。賃金が低いだけではありません。社員食堂に行きますと、食費は正社員と比べて倍の値段を取られる。作業服代にも差別がありまして、作業用の帽子、正社員は十円、派遣社員は千円から2千円取られる。自転車置き場も違う。その上、危険な作業に従事させられることが多いわけです。
 先ほど紹介した三菱電機のCさんの場合、有機溶剤を扱う部署だけれども、初めにつけていた防毒マスクを外すように言われて作業させられた。Mさんは、1日じゅうモーターのシンナーふき取りと塗装作業をし、終了後は噴霧器と作業室内の洗浄、掃除をさせられた。8月の猛暑の中、防毒マスクをつけ、暑さのせいで揮発の激しいシンナー、有機溶剤を毎日吸い込み、頭痛、のど、鼻の痛み、目まいなど、体調を悪化させた。このままではもたないと訴えたけれども取り合ってもらえず、2カ月も作業を続けた。
 この作業は、正社員はやらないで、派遣社員に押しつけている。私は、安全衛生上も重大な問題だと思うんです。派遣先は、労働者を生きた人間としてではなく物のように扱う、物のように使い捨てていると言わざるを得ません。
 総理、これは余りにもひどい扱いだと思いませんか。総理の見解を。
○麻生内閣総理大臣 重ねて申し上げますが、今の話がすべて事実かどうかを確認することができないので、佐々木先生の話だけをもとにして、それがいいとか悪いとか言うのは極めて、私の立場として言える立場にありませんということをまず大前提で聞いておいていただいた上で、今のような状況がもし事実であるとするならば、甚だ遺憾、ちょっと労働基準法の点から問題かなという感じがします。
○佐々木(憲)委員 三菱電機では、労働者に対して、5年たっても6年たっても、正社員になりませんかということは一度も言っていないんです。
 トヨタ車体は、この予算委員会でも志位委員長が取り上げて問題になりました。私は、直接その会社に行きました。話を聞いたところ、派遣労働者をまず期間社員にしたい、こう言っていました。ところが、その後何をやっているかというと、一人一人派遣労働者を呼び出してふるいにかけ、どんどん派遣切りをやっているんです。問い合わせに対してもまともに答えがない。こういうやり方が蔓延しているんですよ、今。
 舛添大臣にお伺いしますけれども、厳正に対処する、すべての会社の実態を調査して、根絶するというのを明確に答えて、やっていただきたいと私は思います。
○舛添厚生労働大臣 原則1年、そして最大3年という派遣期間を超えた労働者派遣を続ける派遣先は、直接雇用ということの申し込みをする義務が生じているわけです。まずそれをしっかりした上で、そして、やはり偽装請負とか今の派遣期間制限で違反したこういうものに対して、今申し上げたような直接雇用の申し込みをしなさいというようなことを勧告できる、しかも、それは賃金を下げたりするともっとひどい状況になりますから、賃金を下げないでということ、このことをまさに含んでいるのが今の労働者派遣法の改正案でございます。一刻も早くこれを成立させていただくと、私にとってももっと強い武器が出てくると思います。
○佐々木(憲)委員 法律の話がありましたけれども、何百万人という労働者を無権利状態に陥れたのは、労働法制の規制緩和に根本問題があります。
 ここにパネルがありますけれども、もともと労働者を派遣して上前をはねるような労働者供給というのは、職安法44条、労働基準法6条によって禁止されていたわけです。この上の部分ですね。ところが、下のように、1985年にできた労働者派遣法、この法律に例外を設けて、この上の関係に穴をあけたわけです。1999年には、我が党だけが反対しましたが、これを原則自由にし、2004年からは製造業にまで広げた。これは、労働者が望んだのではなくて、財界がこういうことをやれという要望を出したからです。
 派遣先の会社は、自分の会社の指揮命令下で実際には働かせているわけですね。しかし、労働契約は結んでおりません、派遣元である派遣会社と民事上の契約を結んでいるだけで。だから、これは物件費扱いなんですね。
 総理に聞きますけれども、先日、解雇通告を受けた派遣、請負労働者が12月に大分キヤノンに交渉に行ったんですけれども、門前払い。キヤノンの言い分は、生産台数で発注しているだけだ、雇用関係にないから話す必要はない、こういうことで、けんもほろろであります。みずから失業の前提、原因をつくっておきながら、労働者とは一切関係ありませんと。しかし、そこの会社の中で働いているんですよ、この人たちは。これはおかしいと思いませんか、総理。
○麻生内閣総理大臣 派遣先と派遣元、わかった上で聞いておられるんだと存じます。その方の雇い主は基本的に派遣元であります。その派遣元が派遣先の会社と契約をしておられる、そういう契約なんだと理解しております。したがって、派遣先の大企業が、派遣元との関係がどういったような契約になっておるのかというのが一番肝心なところ、これが一つです。
 二つ目、その派遣されている方は派遣元の会社にどういった形で雇用されているのか。常用雇用なのか。そこから派遣されているわけですから、もとはこっちですよ。
 だから、そこのところをきちんとされておかないとなかなか難しいので、感情論だけで言っても、なかなかさようなわけにはいかない。したがって、相手側にしてみれば、派遣元が言ってくるならともかくもという形になったんだ、今そういうような感じがいたしますので、感情論としてはいろいろ申し上げたいことはありますけれども、ただ、そこのところは、派遣元と派遣先と混線されたような話をされるとちょっといかがな、難しくなっちゃうんじゃないでしょうかね。
○佐々木(憲)委員 これは全くキヤノンの説明と同じですよ。自分で契約を切って、雇用を喪失させるような状況をつくっておいて、その労働者が申し込んだ交渉に対しては一切受けない。大体、そういう関係にあるというこの法律が私は問題があると思います。今は、派遣先の大企業は労働者に対して直接指揮命令下で働かせているわけです。実態はそうなっているわけですから、雇用に対する責任も当然負うべきなんですね。当面、少なくとも、3年以上同一業務で働かせたら全員正社員に切りかえるよう指導する、これは当然であります。
 私は、戦前、小林多喜二が「蟹工船」で描いたあの労働者の奴隷的な実態、そういう状況というのは現在の新しい派遣法のもとで繰り返されている、それに対して多くの労働者が怒っている、こういう状況を直してほしい、ともかく今の法制でできることは全部やってほしい、すべて救済してくれ、抜本的な法改正も私は当然必要である、こういうことを申し上げまして、時間が参りましたので、以上で終わります。

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