2012年08月28日 第180回 通常国会 議院運営委員会 【695】 - 発言
選挙制度「改革」関連法案 民主党が単独で強行可決「民主主義を大本から壊す」と批判
2012年8月28日、民主党提出の衆院選挙制度「改革」関連法案(定数削減法案)が本会議で、民主党など与党の賛成多数で強行可決されました。
日本共産党をはじめ野党各党は採決強行に抗議し退席しました。
佐々木憲昭議員は、本会議に先立つ議院運営委員会で、本会議での法案採決強行をやめ各党協議に応じるよう求めました。
佐々木議員は、選挙制度は議会制民主主義の土台であり、民主党1党だけで強行することは「民主主義を大本から壊すものだ」と抗議。民主党が各党協議を一方的に打ち切って法案提出から採決まで徹頭徹尾、単独で強行してきたことに言及し、「憲政史上、これほどの暴挙はない」と批判しました。
さらに佐々木議員は、民主党が消費税増税を柱とする「一体改革」のなかで議員定数削減を「身を切る改革」と位置づけていることが重大だと述べ、「国民の過半数の反対を踏みにじって消費税大増税を押し付けたうえに、さらに民意を削るなど到底許されない」と批判しました。
定数削減法案は参院に送付されますが、野党が多数を占め可決・成立のめどはありません。
参院では自公両党が28日、野田佳彦総理大臣問責決議案を提出しました。これに対し自公以外の野党7党・会派は、すでに7党・会派が提出ずみの首相問責案を本会議上程するよう求めていくことで一致しました。
また、この日、強引な委員会運営をおこなってきた倫理選挙特別委員会の赤松委員長に対して、野党が共同して不信任案を提出しました。
議事録
○小平委員長 次に、本日の議事日程第二について発言を求められておりますので、順次これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 本日の議事日程第二を無期限に延期すべしとの動議を提出いたします。
昨日、民主党と赤松広隆委員長は、与野党合意なしに倫理選挙特別委員会を開会し、民主党のみの出席で、民主党提出の衆議院定数削減法案を強行可決いたしました。
選挙制度は、議会制民主主義の土台であります。与党民主党一党だけで強行することは、民主主義を大もとから壊すものであります。憲政史上、これほどの暴挙はありません。
衆議院選挙制度をめぐっては、昨年10月から、16回の各党協議が行われてきました。この協議で重要なことは、現行の小選挙区比例代表並立制が民意をゆがめており、民意を反映する抜本的改革が必要だということで、民主党を除く全ての党が共通した認識に至ったことでした。ところが、民主党だけは、小選挙区制の維持固定化と、比例定数80削減に固執したのであります。
民主党は、合意に向けた努力をせず、6月18日、一方的に各党協議の打ち切りを表明し、その直後に民主党案を国会に提出しました。議院運営委員会では、与党だけで委員会付託を強行しました。その上、与野党合意なしに、一方的に倫選特の委員会を開会し、民主党単独で、趣旨説明、質疑を行い、採決まで強行したのであります。徹頭徹尾単独で進めるやり方を重ねてきたことは、断じて許されません。
重大なことは、民主党が、議員定数の削減を、消費税大増税を柱とする一体改革の中に、身を切る改革と位置づけていることであります。国民の過半数に上る反対を踏みにじって消費税大増税を押しつけた上、さらに民意を削るなど、到底許されません。
選挙制度は、どの党に有利か不利かではなく、国民の意思を正確に反映するものでなければなりません。
昨日、11野党は、議長に対し、民主党単独の強行採決を認めず、本会議の議題にしないことを申し入れ、選挙制度については、各党間の協議の場を設けるなど、丁寧な議論をやり直すことを求めております。民主党は、強行をやめ、各党との協議に応じるべきであります。
以上が、本動議を提出した理由であります。
○小平委員長 服部良一君。
○服部委員 社会民主党の服部良一です。
同じく、本日の議事日程第二を無期限に延期すべしとの動議を提出いたします。
その理由を、以下、申し述べます。
我が党は、選挙制度は議会制民主主義のあり方と議員の身分にかかわる問題であり、数の力で押し切ってはならないと常々申し上げてまいりました。この大原則は、各党が共有しているものと思います。
しかるに、民主党は、見切り発車でみずから提出した公職選挙法及び衆議院議員選挙区画定審議会設置法の一部を改正する法律案の審議入りを強行しました。そして、全野党が欠席する中で質疑を行い、昨日、社民党初め野党が強く抗議する中で、倫理選挙特別委員会での単独採決を強行しました。これは、憲政史上前例のない暴挙であり、野党11党は、議長に対して、民主党案を本会議の議題としないよう取り計らうことを申し入れました。にもかかわらず本件が本日の議事日程に加えられたことに、強く抗議します。
とりわけ今国会は、消費増税法案の審議、採決を初め、議会制民主主義をみずから否定するような運営が目に余ります。その上、民主主義の基盤である選挙制度に関して、熟議による合意形成手続に真っ向から反する行いをすることは、断じて許されるものではありません。
従来、社民党は、一票の格差是正と選挙制度の抜本改革の同時決着を主張してまいりました。確かに、各党の一致点を見出すに至っていないことは事実でありますが、それによって強行採決が正当化されることは、到底あり得ません。
よって、本件は本会議の議題とせず、多様な民意を適切に反映する選挙制度のあり方について、議会及び政党間のルールにのっとって協議を再開し結論を得ることが、国民の負託に応える唯一の方法です。
以上、無期限延期動議を提出する理由です。委員各位の賢明な御判断をお願い申し上げます。
○小平委員長 それでは、佐々木憲昭君及び服部良一君の動議に賛成の諸君の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕
○小平委員長 挙手少数。よって、佐々木憲昭君及び服部良一君提出の動議は否決されました。
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