国会での活動
【12.08.21】民主が選挙制度「改革」関連法案を審議入りの構え 全野党が抗議
2012年8月21日、民主党は政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(倫理選挙特別委員会)理事懇談会で、民主党が提出し、一方的に委員会に付託した衆院選挙制度「改革」関連法案の審議を22日から始めるよう提案しました。議会制民主主義の土台である選挙制度の問題が重大な局面を迎えています。
赤松広隆委員長は野党の強い抗議にもかかわらず、職権で22日の開催を決定。野党各党は、選挙制度について各党の合意もなく強引に進めることは認められないとこぞって批判しました。民主党は野党欠席でも22日に法案の趣旨説明を行う構えです。
この法案は、次期総選挙で小選挙区0増5減と比例40削減、一部連用制を導入し、さらに次々回までに定数を35削減するものです。
理事懇談会で、民主党の提案に、佐々木憲昭議員は「選挙制度は議会制民主主義の土台だ。それを、各党間協議を打ち切って一方的に法案を付託し、審議まで強行することは許されない。法案を撤回し、各党間の協議に戻すべきだ」と主張しました。
自民党は「各党協議を打ち切って出されたものだ。ハイレベルの協議に戻すべきだ。日程の提案は受け入れられない。撤回せよ」と主張。公明党は「まとまらなければハイレベルの協議でやるべきだ」と述べ、他党も「民主党のやり方は強引だ」(生活)などと批判しました。
これに対し、民主党は「税・社会保障一体改革を実現していく上で(政治家が『身を切る』改革を)やらないといけない」と主張しました。
佐々木議員は「全体にかかわる問題を特定の政党の思惑で強行することは許されない。ましてや消費税増税とからめるとは、とんでもない」と批判しました。
一方、理事懇に先立って、日本共産党、自民党、公明党、国民の生活が第一、みんなの党、社民党の野党6党は国対委員長会談を開催。
議会制民主主義の土台である選挙制度にかかわる問題を民主党が単独で強行しようとしていることに反対し、丁寧な審議を求めていくことを確認しました。
解説(しんぶん赤旗より)
民主主義を大本から壊す
民主 選挙制度審議入り狙う
4度無法を重ねる
2012年8月22日付
衆院の選挙制度改革について民主党が一方的に出した法案の審議入りを、与党だけの賛成でまたもや強行することは、議会制民主主義を幾重にも踏みにじる暴挙です。
これまでの各党協議では、現行の小選挙区比例代表並立制が民意をゆがめており、抜本的改革が必要だというのが、民主党を除く各党の共通した意見でした。ところが、民主党は、民意をゆがめる小選挙区制を固定化したうえ、さらに民意を削る定数80削減に固執し、協議の進展を妨げてきました。
これに対して各党から厳しい批判が出されたにもかかわらず、民主党の輿石東幹事長は6月18日の書記局長・幹事長会談で「政権与党として法案を提出する」と述べ、各党協議の打ち切りを表明。
その直後には、小選挙区の「0増5減」と比例40削減(さらに次々回選挙までに定数35削減)などを盛り込んだ民主党案を提出。さらに与党だけで委員会への付託を、野党の反対を押し切って強行しました。
その審議入りをまたもや与党だけで強行することになれば4度も無法を重ねることになります。民主主義の土台である選挙制度を特定政党だけで決めるなど民主主義を大本から壊すものです。
民主党案は、消費税大増税を柱とする「一体改革」の中に「身を切る」改革として位置づけたものでした。法案が提出されたのは、「一体改革」法案成立の3党合意の3日後。委員会への付託強行は増税法案の本会議採決の直前でした。こうしたなか、過半数にのぼる反対世論を踏みにじって強行したのが消費税大増税です。民意にそむく悪政を押し付けたうえにさらに民意を削るなど到底許されません。
選挙制度はどの党に有利か不利かではなく国民の意思を正確に反映するものにすべきです。民主党は強行的な姿勢を改め、選挙制度の原点に戻ってやり直すべきです。 (深山直人)