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金融(銀行・保険・証券), 医療・介護・年金

2012年04月13日 第180回 通常国会 財務金融委員会≪証人喚問≫ 【674】 - 質問

AIJ事件証人喚問 西村秀昭・アイティーエム証券代表取締役

 2012年4月13日、財務金融委員会は、AIJ投資顧問の年金資産消失問題で関係者の、浅川和彦・AIJ投資顧問代表取締役、西村秀昭・アイティーエム証券代表取締役、石山勲・東京年金経済研究所代表取締役の3人の証人喚問を行い、佐々木憲昭議員がそれぞれの証人喚問で質問しました。

 アイティーエム証券(ITM)が、「みなし公務員」である年金基金関係者に違法な接待を繰り返していたことも明らかになりました。
 佐々木議員は、損益計算書をもとに、2009年に2155万円、08年に1896万円、11年に1670万円と、3年間に5700万円を超える多額の接待費が使われていたことを指摘しました。
 「みなし公務員は接待を受けることは禁止されている。承知の上で接待していたのか」と追及したところ、西村氏は「常識の範囲内でやっていた」と否定できませんでした。
 顧客への払い戻し資金が不足し、AIJ側が資金繰りに窮していた実態の一端が明らかになりました。
 西村氏は、解約払戻金に関してITMからAIJが実質的に支配するファンド管理会社に1〜2カ月間程度、8億円を貸し付けていたことを認めました。
 西村氏は「昨年の3月か一昨年か記憶が定かではない」としつつ「解約が集中した月だったと思う。AIJ自体(の資産)が少し不足しているという説明だった」と証言しました。
 さらに、西村氏はこれまで、監査報告書は開封せずに浅川氏に渡してきたなどとして、虚偽の実態は知らなかったと述べてきました。
 佐々木議員は、社内の人間が誰も見たことはないのかと尋問しました。
 西村氏は、社員が見たことがあると認めながらも「私には報告はなかった」と不自然な供述をしました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 アイティーエム証券の業務説明書を見ますと、主な仕事は年金基金を対象に私募の外国投資信託の販売をすることというふうに書かれております。お客さんが年金基金である、こういうことですね。
○西村証人(アイティーエム証券株式会社代表取締役) そのとおりです。
○佐々木(憲)委員 この中に損益計算書の販売費及び一般管理費の明細書が載っておりますけれども、接待交際費は、昨年、1670万円、一昨年は1896万円、その前の年は2155万円と記載されております。あなたの会社で、社長を含めて数人が営業部に属しておりますけれども、月にまあ大体100万から200万、接待費として使っているという計算になりますね。
 接待の相手の多くは、顧客である年金基金の関係者。で、その接待に浅川社長が同席するということもあったでしょうか。
○西村証人 ありました。
○佐々木(憲)委員 年金基金の運用担当者を接待するという、その目的は、新規開拓のためというのもあるでしょう。それから、解約しようとした相手に対して、まあ、そこはちょっと続けてくださいよ、こういう説得をするための接待というのもあったんじゃないでしょうか。
○西村証人 当社としては、営業マンが7人いるわけですけれども、交際費の使い方は非常に問題があるということで、暫時減らす方向でやっておりました、やっておったんですけれども、ゴルフ接待ははなから禁止しておりましたし、この数年は、一基金当たり半年で5万円を限度として使うように、そういった形で、過度の接待というのは慎む、まあ、減らす方向にありましたけれども、解約については、現実に私が検証したところでは、接待交際費とそういった勧誘、解約というのはほとんど因果関係が少なかったわけですので、解約に際して慌てて接待をしたというようなことはなかったと思います。
○佐々木(憲)委員 いずれにしましても、厚生年金基金の担当者に対して恒常的に、接待の関係、いろいろな関係をとり結んでいたと。
 ただ、問題は、その相手であります年金基金の担当者は、厚生年金保険法第121条によりますと、基金の役員及び基金に使用され、その事務に従事する者は公務に従事する職員とみなす、いわゆるみなし公務員に当たるわけですね。公務員倫理規程では、契約の相手方は利害関係者であり、接待を受けるということは禁止されているんです、相手側は。このことを承知で接待されていたんでしょうか。
○西村証人 接待の中には、割り勘なり、あるいは、一次会は当社が出して二次会は先方が出したりというようなものも結構多く含まれておりますけれども、それ以外のところについても、常識の範囲内でというような形でやっておったわけですけれども、それが過度のものもあったかということについては、また改めてチェックして対処したいというふうに思います。
○佐々木(憲)委員 実際上はみなし公務員であるにもかかわらず、大体、お客さんに対してあなたの方が払うのが通常ですよね。相手に払わせるというのはほとんどないと思うんです。そういう意味で、これは非常に重大な関係にあったというふうに思います。
 それからもう一つ、ケイマンの監査法人から送られてきた監査報告書を見たのは最初の2年間だけで、その後は開封せずに浅川社長に渡した、こういうふうにおっしゃっています。
 あなたが監査報告書を見なかったとしても、あなたが不在のときに社内の人間が監査報告書を受け取ったり見たりしたことは一度もなかったんでしょうか。
○西村証人 一度ありました。
○佐々木(憲)委員 その見た方から、こういう内容だということはお聞きになりましたか。
○西村証人 本人も、見て、余り重大なことという認識がなかったために、キャビネットにそのまま放置して、私に報告はなかったということです。
○佐々木(憲)委員 全く聞いたことはありませんか。やめた社員の中にそういうことを報告したような人もいませんか。
○西村証人 ええ。それは、1年、2年目、私も見ていたときに、従業員が見ていたことはあります。
○佐々木(憲)委員 その後、今おっしゃったのは、一回あったと。その人は、それを当然あけて中身を見ているわけですから、事実と違う運用報告書をつくっていたということは当然自覚されるわけです、その段階で。それを全く社長には話をしないというのは極めて不可解なことでありまして、それがなかったというこの証言は、もしうそをついていたら後で大変なことになりますので、自覚をしていただきたい。
 それから次に、解約するお客さんがふえたためにAIAの側でファンドを買い取る資金が不足していて、アイティーエム証券の側から浅川氏に、AIAに対して資金を貸し付ける、一時的にでも、そういうことはなかったんでしょうか。
○西村証人 はい、ありました。
○佐々木(憲)委員 幾らぐらい、どのぐらいの期間ですか。
○西村証人 8億円の、一カ月か二カ月か、まあ、短期間だったと思います。
○佐々木(憲)委員 それは何年の何月ごろですか。
○西村証人 去年の3月ぐらいですか、ちょっと去年かおととしか、ちょっと記憶が定かではないんですけれども。
○佐々木(憲)委員 貸し付けるほど資金に窮迫しているということでありますと、このAIJ投資顧問が運営している全体としてのファンドの実態というのは非常に危機的な事態にあった、こういう認識は持ちませんでしたか。
○西村証人 解約が集中した月だったんではないかと思います。当時は、買い取りをしていたのが、今明らかになっているように、ファンド、投資事業組合という認識はありませんでしたので、AIJ投資顧問が数十億円の、まあ、AIJ投資顧問自体が数十億円の買い取りに対して少し不足しているという説明でしたので、まあ、これは短期間であればいいだろうというふうにして貸し付けを実行したというところです。
○佐々木(憲)委員 2011年の販売管理費の中に200万円の寄附金というのが記載されていますけれども、これは何でしょうか。
○西村証人 2011年、去年、去年ですね。(佐々木(憲)委員「はい、去年です」と呼ぶ)あっ、これは東日本大震災の寄附金です。
○佐々木(憲)委員 お客さんから預かった資金は、アイティーエム証券からAIMグローバルファンドのファンド受託銀行に全て、完全に渡っていたということでしょうか。
○西村証人 済みません、ちょっと最初の方を聞き逃しましたんで、もう一回お願いできますか。
○佐々木(憲)委員 お客から預かった資金をアイティーエム証券からAIMグローバルファンドの受託銀行に渡しますよね。で、預かったものは全額渡していたか、その間に差はないか、聞いているんです。
○西村証人 新規に募集をしていたときは全額HSBCに送金しておりました。相対になったところからは、HSBCではなくて、お客様との相対、もしくはお客様とAIA、まあ、浅川関連のところとの相対取引というふうになっておりました。
○佐々木(憲)委員 時間が参りました。終わります。

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