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金融(銀行・保険・証券) (中小企業融資, 強行採決)

2009年11月20日 第173回 臨時国会 本会議 【544】 - 討論

与党が中小企業金融円滑化法案を強行採決 本会議で討論

 2009年11月19日、民主党など与党は、中小企業金融円滑化法案の採決を、財務金融委員会で強行し、20日未明の本会議で民主、社民、国民新の賛成多数で可決しました。日本共産党は、民主党の強引な運営に厳しく抗議した上で、法案自体には賛成しました。

 自民、公明が19日の委員会に欠席するなか、佐々木憲昭議員は、委員会に出席し、18日の質疑に引き続き参考人に対する質疑大臣に対する質疑討論を行いました。

 その後、自民党は、民主党の玄葉光一郎財務金融委員長と松本剛明議院運営委員長の解任決議を提出しました。
 19日21時過ぎから始まった本会議では、民主党の玄葉光一郎財務金融委員長と松本剛明議院運営委員長の解任決議の趣旨弁明・討論・採決が行われました。日本共産党はいずれにも賛成し、穀田国対委員長が玄葉財務金融委員長解任決議への賛成討論に立ちました。両決議案は、与党の反対多数で否決されました。

 続いて、20日未明の本会議では、中小企業金融円滑化法案の採決などが行われ、佐々木議員は、採決に先立って討論を行いました。

 佐々木議員は、討論で「法案についての質疑は始まったばかりだ。にもかかわらず、本日、財務金融委員会で参考人の意見を聴取した直後に、強行採決を行い、そのうえ『本会議に緊急上程』するという与党の強引な議会運営に厳しく抗議する」「いま、与党・民主党が行っている行為は、これまで自民党・公明党が行ってきた横暴きわまりない国会運営とどこが違うのか。自民党と民主党が入れ替わっただけではないか」と厳しく抗議しました。
 法案については、実効性の担保が、改正される金融検査マニュアル、監督指針にゆだねられており、委員会に提出された「改定のイメージ」などの文書では具体的にわからないと指摘。「法案は『内容のない入れ物』のようなものであり、『ないよりはまし』という程度のものだ」と述べて「あえて反対はしない」と表明しました。

議事録

○佐々木憲昭君 私は、日本共産党を代表して、中小企業金融円滑化法案に対する討論を行います。

 この法案についての質疑は始まったばかりでありました。にもかかわらず、19日午前、財務金融委員会で参考人の御意見を聴取した直後に民主党が一方的に強行採決を行い、その上、本会議に緊急上程するという強引な議会運営を行ったことに厳しく抗議するものであります。
 財務金融委員会で、私の質問に対して亀井大臣は、採決前に検査マニュアル等の委員会への提出を約束しました。大臣は、できるだけ全文を出したいが、少なくとも概要だけでも出すと約束をしていたのであります。この検査マニュアルや指針は法案にいわば魂を入れるものであり、各党各会派がそれぞれそれを見て法案への態度を決めようとしていたのであります。
 ところが、昨日理事会に提出された文書は、概要ではなく、イメージというタイトルの、極めて抽象的なものでありました。これでは、採決前に提示するという約束が果たされたとはとても言えません。
 さらに重大なのは、参考人質疑が終わった途端に採決を強行したことであります。参考人の御意見をお聞きするのは、それを踏まえて委員会での審議を深めるためであります。意見を聞きっ放しでいきなり採決というのは、参考人に対して余りにも失礼な行為と言わなければなりません。
 18日には、例外的に趣旨説明の直後に委員会質疑を行いました。これも異例であります。木曜日は委員会の定例日ではありません。しかし、参考人質疑を行うということで、私たちは定例日以外の委員会立てを容認したのであります。それを逆手にとって採決するというのでは、だまし討ちと言われてもしようがありません。
 今、与党民主党が行っている行為は、これまで自民党、公明党が行ってきた横暴きわまりない国会運営とどこが違うのでしょうか。自民党と民主党が入れかわっただけではありませんか。

 法案について言えば、中小企業への融資が改善される方向は示されていますが、それが実効性あるものになるかどうかは、専ら金融検査マニュアル、監督指針がどうなるかによって決まります。
 財金の理事会に初めて提示された「金融検査マニュアル改定のイメージ」という文書には「顧客からの相談・苦情等について適切に対処。」と書いてあります。また、「業績評価・人事考課上、金融円滑化の取組みを法令等遵守やリスク管理等と同様、適切に位置付け。」と書いてあります。適切に対処するとはどういうことか、適切に位置づけるとはどういうことか、何も中身が示されておりません。
 また、「条件変更を行っても、不良債権に該当しない要件を従来に比べて拡充。」と書かれています。しかし、どのように拡充するのか、これでは全くわかりません。これで直ちに採決しようというのは、余りにもこれは乱暴であります。
 この法案は、いわば、内容のない入れ物のようなものであります。まあ、ないよりはましという程度のものでありますから、あえて反対はいたしません。
 以上で討論とします。(拍手)

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