2004年04月23日 第159回 通常国会 財務金融委員会 【244】 - 討論
「金融2法案」衆議院通過 健全行にも公的資金を入れられる法案に反対
2004年4月23日の財務金融委員会で、政府提出の「金融機能強化特別措置法案」「預金保険法等一部改正案」の金融2法案が採決され、日本共産党が反対するなか、自民党、公明党の与党の賛成多数で可決されました。同時に、民主党提出の「金融再生ファイナルプラン関連法案」についても採決が行われ、反対多数により否決されました。
採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して反対討論に立ちました。
「金融機能強化特別措置法案」「預金保険法等一部改正案」の金融2法案の質疑は、4月13日からはじまり、20日に東京都八王子市での地方公聴会と金融機関各協会長に対する参考人質疑、21日には法案質疑と小泉総理も出席した総括質疑が行われました。
議事録
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました四案に対する反対討論を行います。
まず、政府提出、金融機能強化特別措置法案に反対する理由を述べます。
反対する第一の理由は、本法案が、システミックリスクのおそれとは全く無関係に、地域金融機関の再編を進め、その体力を強化するために公的資金を投入しようとしていることであります。これまで政府自身が公的資金投入の原則としてきたことさえ捨て去り、国民に損失負担を負わせるやり方には何の道理もありません。
反対する第二の理由は、資本注入を受ける金融機関に対し、収益性、効率性の向上を数値目標で義務づける一方、中小企業向け貸し出しについては、残高をふやす目標を求めていないことであります。中小企業向け貸し出しよりも収益性強化を重視したやり方は、金融機関の店舗、行員の削減、貸し渋りや貸出金利の引き上げなどに拍車をかけ、地域の中小零細企業への必要な資金供給という地域金融機関の役割を弱めるものであり、認められません。
本法案は地域経済の活性化をうたっていますが、地域経済を冷え込ませてきたのは政府の金融政策であります。金融庁が監査法人とともに、地域金融機関の資産査定を厳格化し、その経営を締め上げてきたことが金融の円滑化の障害となっています。本法案は、金融庁による資産査定の厳格化と連動して、地域金融機関を公的資金申請に追い込み、整理、淘汰を図ろうとするものであり、反対であります。
預金保険法等一部改正案は、預金保険法の第102条第1号措置について、銀行持ち株会社に直接資本注入することを可能とし、注入額の上限である商法上の制限に特例を設け、制約なく公的資金を投入できるようにするものであります。現行の危機対応措置を政府が都合よく使えるようにする本改正案には反対であります。
民主党提出の2法案は、金融再生法及び金融機能早期健全化法に基づく公的資金投入策を復活、強化しようというものであり、公的資金によって3年間の期限で不良債権を最終処理するという考え方には同意できません。
以上の理由から、4法案のいずれも反対であることを述べ、討論といたします。