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金融(銀行・保険・証券), 金権・腐敗政治 (銀行公的資金注入, 閣僚等の疑惑, 公益法人の献金)

2004年04月21日 第159回 通常国会 財務金融委員会≪締めくくり総括質疑≫ 【243】 - 質問

日歯会長と自民議員の会合、100回超す 小泉首相に調査要求/金融機能強化法案を批判

 2004年4月21日の財務金融委員会では、午前中に竹中金融担当大臣に対する金融機能強化特別措置法案の質疑が行われ、午後には小泉純一郎総理大臣が出席して法案の締めくくり質疑が行われました。

 この締めくくり総括質疑で、佐々木憲昭議員は、逮捕された臼田貞夫日歯会長(当時)が面会や献金などで自民党議員への政治工作を重ねてきたことを明らかにし、小泉純一郎首相に、日歯側からの働きかけなどについて調査を要求しました。
 佐々木議員は、日歯の会報「日歯広報」(2001年8月〜03年11月分)から、100回を超える臼田会長と自民党議員などとの面会、会合の記録を明らかにしました。それによれば日歯側は贈賄工作の趣旨の一つとされる「かかりつけ歯科医初診料」についての要望や自民、公明両党の部会などに出席する以外にも、頻繁に個別政治家との会合を重ねていました。
 とくに、歯科診療報酬改定をめぐり自民党の医療基本問題調査会に設置された「少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会」委員長の丹羽雄哉衆院議員や大島慶久参院議員(事務局長)などとの懇談や打ち合わせが目立ちます。
 また、日歯の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の政治資金収支報告書で、01、02年の2年間で98回の「飲食代」を支出し、総額は1740万円にのぼることも明らかにしました。
 佐々木議員は、4月20日の衆院厚労委で山口富男議員が明らかにした自民党小委員会メンバーへの巨額な献金の実態にもふれ、「(政治団体が)ある目的で献金や接待を行い、それに基づいて議員が動くとすれば政治家に直接かかわる疑惑になる」とのべ、日歯側から自民党への働きかけなどの実態を調査すべきだと要求しました。
 小泉首相は「初めて資料を見たが現在捜査中で厳正な捜査を見守りたい。政治資金は法にのっとり厳正に対処すべきだ」と答弁しました。



 4月23日には、政府提出の「金融機能強化特別措置法案」「預金保険法等一部改正案」の金融2法案が採決され、日本共産党が反対するなか、自民党、公明党の与党の賛成多数で可決されました。同時に、民主党提出の「金融再生ファイナルプラン関連法案」についても採決が行われ、反対多数により否決されました。採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して反対討論に立ちました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、総理にお伺いしますが、今提案をされております法案は、システミックリスクの危険のある状態ではない平時の時期に、銀行の体力を増強するために投入するというものであります。健全行を含む銀行に入れることができる。そして、損失が出た場合、国民負担にする、銀行負担はない、こういう性格のものでありまして、これは以前の政府の見解とはかなり違うものだと思うんですが、そういう違いのあるものだという認識はお持ちでしょうか。総理に。まず総理。
○小泉内閣総理大臣 いや、私は違いがあるものとは思っておりません。これは強制的に公的資本を注入するということではありませんし、地域の金融機関、健全化のためにどういう対応が必要かということで、しかも、時限的に立法しているものでありますので、本来、こういう制度は使われないで各金融機関が健全性を高めていく、強固になるということが望ましいものだと思いまして、これがあるから全部強制的に公的資本を注入するというものではない。
○佐々木(憲)委員 これまでも申請主義なんですね。ですから、申請では同じなんですが、ただ、問題は、システミックリスクの危機のない時期に、平時でも健全行も含めて投入ができるというシステムでありまして、違うんです。
 それから、負担は銀行負担が原則だという以前の見解がありましたが、今回はすべて国民負担だ、欠損が出た場合。それから、中小企業に貸し出す部分については、数値目標は定めない、収益性については数値目標は定める。ですから、今までは中小企業向けの目標がありまして、それを達成するためにいろいろな行政的な手法も用いたわけですが、それがないわけです。
 ですから、そういう意味で、今回の法案というのは、かなり国民の負担のおそれのある、しかも、銀行にとって負担の少ない、中小企業向け融資の拡大ということも余り期待できない、そういう内容のものだというふうに我々は見ているところであります。
 さてそこで、ちょっと話題を変えます。
 総理、この贈収賄事件で逮捕されました日歯連の臼田会長と総理はお会いになったことはありますか。
○小泉内閣総理大臣 お会いしたことはあります。
○佐々木(憲)委員 何度会いましたでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 何で会ったかわかりませんけれども、いろいろな会合、自民党はありますから、そういう会合でお会いしたという覚えはございます。
○佐々木(憲)委員 今、お配りした資料を見ていただければと思うんですが、1ページの右の下の方に、2002年の5月24日、小泉総理と臼田会長は懇談をしている。石原伸晃大臣と安倍晋三官房副長官が同席をした。この記憶はありますか。
○小泉内閣総理大臣 2002年の5月24日ですか、記憶にはありませんけれども、たしか就任あいさつだったと思うんですけれどもね。これは官邸ですか。これは場所は書いていないんだけれども。(佐々木(憲)委員「場所は東京です」と呼ぶ)東京。私と安倍副長官、石原大臣、これは一緒ということですかね。
 どういう会合だったとか思い出せませんが、たしか、そのころ日歯会長に当選したのかな、だとすれば、これは会長だったらば、就任あいさつというようなものだったんじゃないかと思うんですが、はっきり覚えていません。
○佐々木(憲)委員 会長に就任したのは2000年ですから。この2年前なんです。
 もう1回、3ページのところをあけていただきますと、右の方に、これは昨年の11月1日ですから大分記憶は鮮明だと思うんですが、小泉総理大臣と会食をした、こういうことがありますが、記憶はありますか。
○小泉内閣総理大臣 これは去年の11月1日ですか。11時45分、午前。選挙中じゃないですか。どこかの選挙のとき会ったのかな、よく覚えていません。
○佐々木(憲)委員 これは名古屋でありまして、ホテルグランコート名古屋前で演説をしまして、これは演説ですね、その後、このホテルで武見敬三自民党遊説局長、それから臼田日歯連会長と昼食をとっている。これは選挙中でありまして、東京から三重にこの会長が移動する途中だったと思いますが、総理は多分遊説だと思うんですが、記憶はありませんか。
○小泉内閣総理大臣 たしか、選挙中ですから、お昼をどこかで食べたんだと思います。どなたと食事したかというのは記憶にないんです。
○佐々木(憲)委員 これは日歯広報の「臼田会長の動き」、臼田会長がどういう動きをしたかという、その記録の中から抜いたものです。総理自身の動静は新聞記事であります。全く同じ記録がございます。ちょうど選挙中でありまして、この選挙中にこういうふうにお会いになって、その会費は一体どちらが払ったんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 選挙中ですから、私は党総裁ですから、どこで食事するかというのは党の選挙担当者に任せっきりですから、昼飯に何食べたのかというのもわかりませんし、そのとき私が自分でお金を払うわけありませんし、昼飯だから、何食べたのかな、10分か20分で済むものですから手軽な食事だったんだと思いますけれどもね、選挙中ですから。よく覚えていません。
○佐々木(憲)委員 この中で何を話したかというのを実は聞きたいんですが、どうも記憶が余りないようなんで。診療報酬の話をされたのか、あるいは選挙資金の問題を話をされたのか、どうも記憶がないようなんで。
 それで、こういうふうに、これは1例なんですが、臼田会長というのは、ともかく政治家との会合が非常に多いわけです。例えば皆さんにお配りしたこの資料を見ていただいただけでも、2001年17回、回数からいいますとあります。2002年29回、2003年で64回に上って、急にふえているわけであります。
 それから、接待が、日歯連の会食接待というものが非常に多いわけでありまして、この四ページのところを見ていただきますと、2001年860万、2002年890万、こういう記録があります。その具体的な中身は次の五ページ以後にありますが、これは料亭ですとかあるいはホテルですね、例えば13年の1月19日、一番上を見ますと、11万9千円、2月19日17万6千円、2月19日12万8千円というふうにずっとありまして、1回42万ですとか、あるいは52万とか、どうして1回でそんなに会食費がかかるのかと思うような大変膨大な金額が出てくるわけであります。
 それで、この接待攻勢というのは政治家に向けてかなり行われている。この政治家向けの接待攻勢なども随分マスコミでも指摘をされておりまして、この今挙げた金額、800万以上という金額ですけれども、これは例えば九九年に比べると四割増、95年に比べると2倍以上、そういうふうな報道もあるわけでございます。つまり、臼田会長が会長になって以後、急速にこの接待攻勢が行われている。
 しかも、自民党の中につくられております自民党医療基本問題調査会の少子高齢社会歯科診療報酬等に関する小委員会というものがつくられまして、それは2000年につくられたわけでありますが、この日歯連がぜひそういうものをつくってほしい、こういう意向がありまして、自民党の側もそういうものをつくった。そのメンバーはもう既に公表されておりますけれども、この自民党の小委員会に、今度はそのメンバーに対して政治献金の攻勢を行う。
 一番最後に添付してありますのが、これは先日、我が党の山口議員が厚生労働委員会で配付した資料であります。こういう形で、何でこういうことをやっているのかということなんです。その目的は、診療報酬にかかわる日歯連の要望を反映させるためである。これははっきりと日歯広報にも書いてありますし、政治連盟の機関紙、日歯連の機関紙にもそのことが書かれているわけです。
 この小委員会は、記録によると3回ありまして、この日歯広報によりますと、2000年の9月27日、2000年の10月19日、12月15日と開かれまして、その中で、歯科医療全般についての打ち合わせを行ったとか、あるいは歯科診療報酬の今後の対応等について協議を行った。つまり、要請を受けまして、こういう日歯連の要請に沿った政治的な発言を実際に行っている。
 その中のメンバーも、この問題について、例えば木村義雄議員はこのメンバーの一員ですけれども、かかりつけ歯科医初診料の条件緩和を求めて、何で使いにくいようにしているんだ、何とかしろ、こういうことを言いまして、同省の幹部は議員に激しく責められた、こういう話をしている。
 こうなってきますと、これは明らかにある目的を持って金品を提供し、会食接待を行い、それに基づいてその議員が動く。こうなりますと、これは、官僚の今問題になっている問題だけではなくて、まさに政治家に直接かかわる問題になってくるわけであります。
 こういう実態について今私は幾つか資料を提起しましたけれども、総理として、やはり何らかの調査といいますか実態把握、一体どうなっているんだということは当然党内でも検討すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 今初めてこの資料を拝見いたしましたけれども、捜査中だと伺っております。厳正な捜査を見守っていきたいと思います。
○佐々木(憲)委員 捜査中というのは、それは地検の話でありまして、私がお聞きしているのは、自民党の総裁として、こういう状況がある以上、これを放置していいのか、これは政治的な対応というものがやはり政党の責任者として求められるのではないかと思いますが、その点はっきりしていただきたい。
○小泉内閣総理大臣 政治資金については、資金法にのっとり、厳正に対処すべきだと思います。
○佐々木(憲)委員 調査すべきだというふうに私は思います。これは非常に法にも触れる可能性のある、わいろ性が非常に強い、そういう資金の動きと、いろいろな接触が行われているわけでありまして、ぜひこれは調査すべきだという点を申し上げまして、質問を終わります。

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