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【13.05.21】成年被後見人 選挙権回復へ 全有権者の投票機会の保障を
2013年5月21日、成年後見人がついた人たちの選挙権を回復する公職選挙法改正案が衆院本会議で全会一致で可決し、参院に送られました。
改正案は、成年被後見人は選挙権・被選挙権を失うとした規定を削除。「代理投票」をする補助者については、選挙管理委員会や市町村職員など「投票所の事務に従事する者」からあてるとしています。
17日に日本共産党をはじめ衆院全会派が共同して提出したものです。
本会議に先立つ政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で質疑にたった佐々木憲昭議員は、改正案について「選挙権・参政権は国民の基本的権利であり、すべての国民に等しく保障しなければならない。欠格条項の削除は当然だ」と主張。
改正案の共同提出者で、答弁に立った塩川鉄也議員は、日本共産党が1999年の成年後見人制度導入の審議時から「財産保護のための成年後見人制度と、国民の基本的権利である選挙権は全く関係ない。国民に対して選挙権をはく奪する理由はない」と主張してきたことを示しました。
さらに塩川氏は、「選挙権は国民が主権者として政治に参加する機会を保障するものであり、議会制民主主義の根幹をなす。夏の参院選から成年被後見人の選挙権回復を実現するためにも、早期成立が必要だ」と述べました。
また、佐々木議員は、障害者も含めたすべての有権者の「投票機会の保障」が必要だと主張しました。
このなかで佐々木議員は広島の男性の「代理投票」の例を紹介し、選挙権行使の重要性を強調。
現行の「代理投票」では、知的障害者らが投票所内に付添人といっしょに入り雰囲気に慣れてもらう時間を十分にとっているなど各地の選挙管理委員会の工夫を示し、「(代理投票の)補助者はこれまでの工夫を生かし、本人の立場にたって意思疎通、意思をくみ取る努力をしなければならない」と指摘しました。
総務省の米田耕一郎選挙部長は「さまざまな工夫をするのが重要だ。できるだけ多くの選挙人の意思をくみ取るのが重要で、現場の選管に伝えたい」と答弁しました。
さらに、佐々木議員は、全国の投票所が1996年に比べて4000カ所も減らされ、投票所が遠くなった事例があると述べ、「投票所へのアクセス」の改善を要求。
また車いす用の投票記載台をはじめとする「投票所のバリアフリー」化も求めました。
共同提出者の逢沢一郎議員(自民党)は「重要な指摘だ。選挙権の行使が物理的にできないことがあってはならない。予算にかえがたい大きな意味がある。議論を深めたい」と述べました。
成年被後見人制度は、認知症や知的障害、精神障害を理由に判断能力が不十分な人を保護、支援する目的で導入された制度。
「後見」を受けると公職選挙法の規定によって選挙権を失うため、法改正を求める声が高まっていました。
この問題をめぐっては、茨城県の名児耶(なごや)匠(たくみ)さんの訴えに東京地裁が3月に「違憲」判決を出し、法改正が論議されていました。
井上哲士参院議員はこの事案を国会で取り上げ、改正を迫ってきました。
リンク【憲昭国会質問データベース】成年被後見人 選挙権回復へ 全有権者の投票機会の保障を
リンク【YouTube佐々木憲昭チャンネル】成年被後見人 選挙権回復へ 全有権者の投票機会の保障を(約22分)
リンク【13.05.17】成年被後見人選挙権回復へ 全会派で共同で提出
リンク【13.03.22】選挙経費削減で投票所・投票時間が大幅に減少