国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【06.11.22】「過払い金利」は即時返還せよと質問
2006年11月22日、財務金融委員会で、サラ金業界と銀行の関係とサラ金の高金利引き下げ問題について佐々木憲昭議員が質問しました。
佐々木議員は、サラ金業界と銀行の関係について、その実態を確認しました。
金融庁の佐藤監督局長は、サラ金大手4社の調達資金のうち約3分の2が金融機関からの調達で、調達金利は1.45%から2.11%の間、極めて低い調達金利であることを明らかにしました。
佐々木議員が、11月17日の参考人質疑で、全銀協会長に、「サラ金業界になぜこの低金利で貸すのか」と質問ところ、「それは優良な貸出先である」と答弁。
金融機関は、大手サラ金4社に対して約3兆円貸し付け、1.7%程度の低金利で年間約500億円の利益を上げています。銀行は、貸し付けだけでなく出資もし、銀行自身も収益を上げています。
また、大手サラ金4社は、1.7%程度の低金利で金融機関から調達し、貸出金利は23%台から27%台と非常に高金利で貸し出し、ぼろもうけを上げています。
大手サラ金4社は、無人店舗やATMを増やし、どんどん利用者を取り込んでいます。しかも、銀行との提携分のATMは、わずか4年間で倍増しています。その一方で、銀行は、店舗もATMも職員の数も大幅に減っています。
佐々木議員は、「金融機関は、これまで低金利で融資をしてきた銀行の利用者に対しても、サラ金の消費者ローンを利用するようにという形で紹介をし、そちらに誘導しているのではないか」と指摘。そして、昭和58年6月30日の大蔵省通達「金融機関のいわゆるサラリーマン金融向け融資について」を紹介し、銀行がサラ金業者に対して融資をするのは慎重でなければならないし、かつ抑制的でなければならない、それは、銀行自身が公共的性格を持っているからだ、という指摘を、山本有二金融担当大臣に確認しました。
山本大臣は、「銀行経営においては、収益性だけではなく、御指摘のとおり、銀行業務の適切性や健全性、社会的責任といった観点も大変重要なものであろう」「特に、消費者金融におきまして多重債務者の発生や増大といった社会問題が起きている状況等を踏まえ、消費者へ提供されるローンのあるべき姿について真摯に検討していただき、適切に対処していただきたい」と答弁しました。
また、佐々木議員は、利息制限法の上限を超えて支払った金利について、「サラ金業者はすぐにでも自主的に返還するのが当然。返還請求できることを国民に広く知らせるべきだ」と政府を追及しました。
山本大臣は「弱者の立場でしっかりやっていく」と答弁しました。
サラ金大手各社が利用者からの過払い金返還請求に備えて、2000億円から3000億円も引当金を積んでいます。
佐々木議員は、「受け取りすぎた金だから、請求があれば返そうと大手4社の合計で1兆円も用意している。アイフル社長は、参考人質疑で『誠実に対応する』と答弁している。全部返して当然だ」と指摘。
山本大臣は、「業者が誠実に対応するというなら、その方向で進めていただきたい」と答えました。
この日、日本共産党と民主党は、政府が提出した貸金業規制法等改正案に対する修正案を国会に提出しました。
政府案が、上限金利の引き下げ時期を「公布後、おおむね3年後」としているのに対し、公布から1年以内(施行と同時)に引き下げることを盛り込んでいます。
また、出資法の上限金利については、政府案では一律20%に下げるとしていますが、修正案は、利息制限法の上限金利(15%〜20%)に完全に一本化するとしています。
さらに、安易な利用につながりやすい無人契約機によるサラ金のカード発行を禁止し、初回は対面方式の発行を義務づけることとしています。