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国会での活動

国会での活動 − 国会質問金融(銀行・保険・証券)

【04.01.14】足利銀行破たん問題で参考人質疑 金融庁検査の厳格化で巨額の追加引当

 2004年1月14日、財務金融委員会で閉会中審査が行われ、2003年12月4日に引き続いて、足利銀行破たん問題で質疑が行われ、この日は参考人質疑が行われました。参考人の日向野善明足利銀行元頭取、上野紘志中央青山監査法人理事長にたいし、佐々木憲昭議員が質問しました。
 佐々木議員の質問で、金融庁の厳しい検査の結果、足銀の03年3月期決算が大幅な追加引当が必要となり債務超過に追い込まれたことが、足利銀行元頭取の証言により具体的な数字で明らかになりました。

   日向野元頭取の答弁によると、950億円の追加引当額のうち、債務者区分の劣化(要注意から要管理になるなど厳しい目で評価をされたもの)と担保評価の減額(担保の評価を収益還元法などという厳しい評価で見られたもの)があわせて446億円、債務者区分の変更による引当率の上昇が190億円、引当率の考え方を金融庁から否定されたものが314億円にのぼります。
 とくに従来は採用していなかった収益還元法を適用したことによる影響が116億円にのぼることが証言され、金融庁による「収益還元法を使った評価を採用したのはごくわずか」との説明が影響を過小に描いたものであることが明らかになりました。
 日向野元頭取は、従来にない手法を要求した金融庁の検査について、「画一的に計算上ですべてを見られると厳しい」と述べました。

   佐々木議員は、金融庁の厳しい検査が足利銀の「債務超過」の原因になったのではないかと質問。日向野氏は「そのとおりだと思う」と答え、金融庁検査に基づく償却・引当金の追加が巨額に上ったことなどを証言しました。
<写真は足銀前頭取の日向野善明氏>
 佐々木議員は、2003年3月期決算に対する金融庁の検査で償却・引当金が950億円追加させられたことを指摘。これに対し日向野氏は、前年度まで使われなかった「収益還元法」(不動産担保価値を低く見積もる評価方法)による影響が116億円、「引当率の上昇」で190億円、「引当率の考え方の違い等」によるものが314億円もあったと説明しました。

   一方、上野氏は、検査の期間中、「(金融庁と監査法人の)やりとりの中で債務超過になる可能性が高いと感じた」と述べ、その影響を受けたことを認めました。
<写真は中央青山監査法人理事長の上野紘志氏>
 日向野氏は他の議員との質疑の中で「地元を活性化させ、企業の良い面を少しでも評価したいとやってきたが、金融庁のやり方はバランスシート(貸借対照表)優先の画一的な感じがする」と金融庁を批判しました。


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