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その他 (同意人事)

2013年05月28日 第183回 通常国会 議院運営委員会≪聴聞会≫ 【741】 - 質問

検査官候補者に対して質問

 2013年5月28日、議院運営委員会は、政府が国会に同意を求めている人事官候補者の一宮なほみ(仙台高等裁判所長官)、検査官候補者の柳麻理(早稲田大学大学院政治学研究科教授)両氏の所信聴聞会を行ないました。
 政府は、3月にも人事官検査官の候補の同意を求めていましたが、国会は同意しないことを決めました。
 そのため、政府は新たな候補者を提示しました。

 所信聴聞会で、佐々木憲昭議員は、検査官について、内閣からの独立性を保持しタブーなく検査のメスを入れる役割を強調したうえで、これまで会計検査院が官製談合や天下りによる企業との癒着、大型公共事業の無駄遣いの摘発をほとんどやってこなかったのはどこに問題があるかと質問しました。
 柳氏は「それらも検査対象にすべきだと考えている。無駄や非効率の部分に厳しく目を光らせていく」と答えました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、会計検査院の役割についてでございます。
 憲法第90条と会計検査院法でも明らかなように、何よりも、内閣からの独立性を保持し、国の決算を初め全ての行政機関に対してタブーなく検査のメスを入れる、そういう権限がございます。
 国民は行政に対する厳しいチェックを求めていると思います。この、内閣からの独立性という点についてどのような認識をお持ちか、まずお考えをお聞かせください。
○柳参考人(検査官候補者(早稲田大学大学院政治学研究科教授)) ありがとうございます。
 会計検査院は、独立性を保障されて、その機能を、つまり、中立性、公平性、厳正性、厳格性というような観点から検査を行うことが国民的に求められているところだというふうに認識しております。
 国会の決算審査機能に対する会計検査院の役割も重要なものであり、行政監視に対するいろいろな検査報告の提出なども、非常に重要なものだと思います。
 国民的に非常に関心のある部分について正確性、合規性、経済性、効率性、有効性の観点からそういった検査を独立して行っていくというところに会計検査院の使命があるのだというふうに認識しております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 会計検査院の権限についてでありますが、会計検査院法によりますと、「検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる」、「求めを受けたものは、これに応じなければならない」と、大変大きな権限が与えられているわけです。また、「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない」と規定されているわけです。
 こういう大きな権限があるにもかかわらず、これまで、官製談合とか、あるいは天下りによる企業との癒着の問題、いろいろな事案がありました。しかし、会計検査院としてこれらの事案を摘発したものはほとんどありませんでした。あるいは、ダムですとか港あるいは空港など、大型公共事業の無駄の究明、これも、我々から見てもほとんどなかったと思います。
 どこに問題があったとお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○柳参考人 御質問、ありがとうございました。
 会計検査院の重要な役割に関する御質問というふうに認識しております。
 会計検査院の検査というものは、犯罪の摘発といいますよりも、無駄とか非効率とかといったところの指摘をいたしまして、それに対する改善をしていただくというような観点が重視されているものというふうに承知しております。
 ただいま御指摘いただいたような、検査対象からそういうものが外れているというようなことがありますれば、それは会計検査院の国民に対する説明責任といいますか機能として非常に重要なことだというふうに認識しておりますので、限られた会計検査院の資源ではございますけれども、そういった重要な、無駄とか非効率の部分というのは、やはり厳しく目を光らせていく必要があるのだというふうに認識しております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 先ほどの所信表明で、民間企業の管理会計のすぐれた実務を政府会計に適用する、こういう御発言がありました。
 公会計と言われているものは、企業会計方式を国や自治体の財政運営に適用するという内容があると思うんですが、ただ、私は、企業というものと国や自治体というのは違うと考えております。企業は、利益を追求する、そういう組織であります。国や自治体の場合は、国民の福祉の増進というのがやはり基本だと思うんですね。
 これは本質的な違いがあると思うんです。その違いをどのように認識されているかというのが一つ。
 それから、もう一つは、財政の健全化と言われますけれども、例えば、医療、福祉などの公的なサービスについては、受益と負担のバランスと言われておりますけれども、これは、結果としては、財政健全化のために福祉、医療を縮小するとか切り捨てるということに逆につながってしまうのではないかという懸念があります。やはり、主権者、国民の利益をまず優先させるという財政運営が基本でなければならぬ。
 その点、どのようにお考えでしょうか。
○柳参考人 ありがとうございます。
 御指摘の点は非常に重要なことかと思います。
 第一点目につきましては、企業におきましては、もちろん、利益を追求するためにコストダウンを行っていく、収益を上げていくということだと思いますけれども、国とか地方自治体の場合には、国民の福祉でございますので、そこの部分でパフォーマンスを、業績をいかに把握していくかという観点が全く異なる、そこに難しさがあるのだというふうに認識しております。
 有効性の検査に当たりましては、そういった国民が受け取る便益の観点に立った指標づくりというようなものがますます必要になってくるんだというふうに認識しております。
 二点目でございますが、受益と負担の関係、つまり、切り捨てられてしまうのではないかということでございます。
 日本の国が抱えている大きな政策目的というものは、やはり、プライオリティー、優先順位をつけていく必要があるんだと思います。国民的関心の中で、どの政策が一番重要で、国民的にはどれに重点的に資源を配分していかなければいけないかということを確認していくということが必要になってくるんだというふうに思います。その上で、無駄の排除ですとか効率性といった観点での検査もしていくことが求められるというふうに考えております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 ありがとうございました。

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