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その他 (同意人事)

2013年03月19日 第183回 通常国会 議院運営委員会≪聴聞会≫ 【713】 - 質問

人事官候補に対して質問

 2013年3月19日、衆参両院の議院運営委員会は、政府が国会に同意を求めている人事官候補の上林千恵子・法政大学社会学部教授、検査官候補の武田紀代恵・立教大学法学部教授から所信を聴取し、質疑を行いました。

 質問に立った佐々木憲昭議員は、人事院制度は公務員の労働基本権制約の代償機能でありながら、人事院が公務員の一律削減や総人件費削減策など、政府の方針に追随してきたことは問題だと発言。その上で、国際労働機関(ILO)の勧告にもとづき労働基本権を回復することこそ必要だと主張し、認識をただしました。
 上林氏は「民間全体の給与が下がっているときは、人事院勧告が低いものになるのも致し方ない」「ILOの定義する公務委員が日本の国家公務員法の公務員とは必ずしも一致していない」などと答弁。労働基本権の回復の必要性については触れませんでした。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 人事院の位置づけについて、最初に、認識をお聞きしたいと思います。
 人事院の最も重要な役割は、公務員の労働基本権制約の代償機能としての役割であります。
 憲法28条が保障する労働基本権、すなわち、団結権、団体交渉権、争議権は、本来、公務員にも保障されるべきであります。ところが、現在の国家公務員法は、公務員の地位の特殊性を理由に、公務員の労働基本権を制約している。そのことから、人事院が代償機能を求められているわけです。
 人事院は、政府から独立して、中立の立場で、国家公務員の身分、任免、服務、さらに、賃金や労働時間など労働条件を定める役割を担っているわけですね。同時に、人事院は、中央人事についての準司法的権限もあわせ持ち、公務員の中立、公正、公平を確保する役割を担っているわけです。
 したがって、三人の人事官というのは、こうした任務の重要性を自覚して、政府から独立し、中立の立場で職務を遂行する、こういうものでなければならないと思いますが、まず、その認識を伺いたいと思います。
○上林参考人 人事院は政府から独立した機関として、そもそも、人事官も独立したものとして存在しております。
 そして、仕事としては、国家公務員法のもとに置かれた国家公務員の職員の方々の政治的な中立性、そして人事の透明性を担う役割を持っていると認識しております。
○佐々木(憲)委員 これまで、経緯を見ますと、公務員の定員一律削減ですとか、総人件費削減政策とか、あるいは公務員給与の引き下げということが、政府の側からの意向によって行われてきたことがたびたびあります。
 中立公平な機関であるはずの人事院がその役割を果たせない状況が続いていると思うんですけれども、これは、どのように評価されていますか。
○上林参考人 人事院の立場といたしましては、公務員の給与は、民間準拠で、人事院勧告で決まるものと考えております。
 したがって、民間全体の給与が下がっているときに、私たちの公平なあるいは公平を確保しようとずっと努めております賃金の調査で低く出た場合には、勧告が低いものになるのもいたし方がないかなというのが私の認識でございます。
○佐々木(憲)委員 私は、中立、独立の独自の判断というものが必要であって、政府が何かをやったり、そういうことによって左右されるべきではないというふうに考えておりますので、そのことを申し上げておきたいと思います。
 次に、公務員制度改革で一番大事なのは、労働基本権の回復問題でございます。
 ILOは、日本が進めている公務員制度改革にかかわって、監獄職員の団結権、一般の公務員についての争議権、労働協約締結権を保障するなど、国際労働基準に従った改革を進めることを求める勧告を、これまで繰り返し行っております。
 これをどのように受けとめていますか。
○上林参考人 基本的に、ILOの勧告については、その昔の87号条約から、日本政府はそれに従うようにしてまいりました。
 今回の公務員制度改革におきまして、ILOの定義している公務員が、日本の私たちの使っている国家公務員法の公務員とは必ずしも一致しないというふうに認識しております。したがいまして、ILOの勧告については、ILO自体は、私、尊敬している機関でございますが、その公務員の定義について、きちっと分けて考えなければいけないのではないかと思っております。
 以上です。
○佐々木(憲)委員 最後に、天下りの問題についてお聞きしたいと思います。
 天下りは、民間企業との癒着を生み出すということで、これまでもかなり批判が強かったわけですが、どのようにお考えでしょうか。
○上林参考人 天下りは、やはり、在職中において、その権限をもって関連企業に行くわけですから、望ましいどころではなく、禁止されるべきでございます。そして、現に、退職管理という形で、在職中の職務に関連したところへは天下ってはいけないというふうに規定しておりますので、こうした規定が今後ともきちっと守られるように努めてまいりたいと思います。
○佐々木(憲)委員 終わります。

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