アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

その他 (同意人事)

2013年03月19日 第183回 通常国会 議院運営委員会≪聴聞会≫ 【714】 - 質問

検査官候補に対して質問

 2013年3月19日、衆参両院の議院運営委員会は、政府が国会に同意を求めている人事官候補の上林千恵子・法政大学社会学部教授、検査官候補の武田紀代恵・立教大学法学部教授から所信を聴取し、質疑を行いました。

 質問に立った佐々木憲昭議員は、会計検査院には国の会計事務の犯罪を検察庁に告発できる強い権限があるのに、企業との癒着や大型公共事業のムダを、会計検査院がこれまで摘発した例はないとして、「どこに問題があるか」と質問。
 武田氏は「私自身、まだ外にいるので的確な答えができない」と述べました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 まず、会計検査院の役割についてでありますが、憲法第90条と会計検査院法でも明らかなように、会計検査院というのは、何よりも内閣からの独立性を保持し、国の決算を初め全ての行政機関に対してタブーなく検査のメスを入れる権限があります。
 国民は行政に対する厳しいチェックを求めていると思うんですが、この役割についてどういう認識をお持ちか、お考えをお聞かせください。
○武田参考人 今先生がおっしゃいましたように、会計検査院が内閣から独立した組織であるというのは、まさに、他のところに遠慮をせずに検査を切り込んでいける、そういう役割を期待されてのことだと思います。
 まさに、そういう独立した立場ですから、会計検査院に対する国民の期待というのも、年を追って大きくなっているというふうに理解をしております。
○佐々木(憲)委員 会計検査院の権限について、先ほども議論がありましたが、会計検査院法によりますと、「検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる」、「求めを受けたものは、これに応じなければならない」と、大変大きな権限があります。また、「会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員に職務上の犯罪があると認めたときは、その事件を検察庁に通告しなければならない」と規定しているわけですね。大変大きな権限を持っているわけです。
 この権限が存在するにもかかわらず、これまで、官製談合ですとか、天下りで企業との癒着の問題とか、いろいろ指摘がありました。しかし、会計検査院として摘発したものはなかったんですね、今まで。それから、ダムや港など大型公共事業の無駄の究明もほとんどなかったんじゃないか、かなり細かいことはありましたけれども。
 それは一体どこに問題があると考えておられるか、お聞かせください。
○武田参考人 今、どこに問題があるかという先生の御質問でございますけれども、私自身まだ外におりますものですから、何とも的確なお答えができないんですけれども、やはり、従来の会計検査院というのは、正確性、合規性、これはもちろん基本のキでございますけれども、そちらに重点というか、そちらに主にフォーカスを当てた検査をしていたということで、そんなに昔のことではなく、検査というものの観点というのが三Eということで入ったということでございますので、今はその意味では過渡期ではないかと思います。
 それから、あと、人員的にも、どういうふうに資源を配分するかということも多分まだまだ確立はされていないと思いますので、私はまだ外の人間でございますけれども、行政とかいろいろ、国は遅いとか言われますけれども、あとしばらく見守っていただければと。
 何か私が言うのも僣越ですけれども、よろしくお願いいたします。
○佐々木(憲)委員 最後に、公会計の問題について、先ほどから議論がありますが、私は、公会計と言われているものは、企業会計方式を国家運営、財政運営に適用するというような内容があると思っておりまして、そうすると、企業というものと国や自治体とは、違うと思うんですね。
 企業は、利益を追求する組織であります。国や自治体の場合は、国民の福祉の増進というものが基本だと思うんですね。これは本質に違いがあるわけでありますが、その違いをどういうふうに認識されているかが一つ。
 それから、財政の健全化とよく言われますけれども、例えば医療、福祉、こういう公的なサービスの場合は、よく受益と負担の問題が、このバランスが言われるんですが、私は、それだけではかることはできないと思うんです、これは、健全化が必要だから福祉や医療はもっと抑える、切り捨てるというような話になっていきますので。
 そうではなくて、やはり逆の発想が必要だ。つまり、主権者である国民の利益をまず優先させるという運営が基本であるというふうに思います。
 その点、どのようにお考えでしょう。
○佐田委員長 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○武田参考人 はい。
 二点、御質問を受けました。
 まず、公会計につきましては、先生がおっしゃるとおりでございまして、私もこれから勉強いたしますが、やはり、何のために公会計制度をつくるかというその目的に沿ってつくっていただければというふうに思います。
 それから、二点目でございますけれども、まさに官の役割というのは国民の福祉の向上で、だから、そのためにこそ、福祉の向上により予算を振り向けられるように、会計検査院は無駄の撲滅に努めているのだというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 終わります。

Share (facebook)

このページの先頭にもどる