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税制(庶民増税・徴税), 財政(予算・公共事業) (定率減税の廃止, 予算案)

2005年03月02日 第162回 通常国会 財務金融委員会 【286】 - 討論

定率減税を縮減する所得税法案 与党の賛成多数で可決

 2005年3月2日の財務金融委員会で、2006年度予算案関連の所得税法案・国債特例法案が採決され、日本共産党、民主党が反対するなか、自民党、公明党の与党の賛成多数で可決されました。
 採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して反対討論に立ちました。
 この法案の質疑は、2月22日2月25日2月28日3月2日に行われました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党を代表して、平成17年度における公債の発行の特例等に関する法律案及び所得税法等の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 最初に、公債特例法案に反対する理由を述べます。

 反対する第一の理由は、本法案が、むだな大型公共事業を削るなどの歳出見直しも、大企業など担税力に見合った税制構造への改革もせず、赤字国債等で34兆3900億円もの新たな国の借金をふやすものだからであります。この結果、公債依存度は41.8%となり、歳入のほぼ半分近くを借金で賄う異常な財政運営が継続されます。今こそ財政政策の根本的転換が求められます。

 第二の理由は、年金保険料を社会保険庁の事務費に流用する仕組みを温存する点です。本来、社会保険事業に必要な事務費は国が負担すべきものであります。昨年、職員宿舎の建設やマッサージ器の購入など、保険料の不正流用が国民的批判を受けたことから、本法案では、職員宿所、公用車等の費用を特例措置の対象から外しました。しかし、年金財源を悪化させ、制度を不安定化させる性格は何ら変わっておりません。この特例措置は、すぐに廃止すべきであります。

 次に、所得税法等の一部改正案について反対理由を述べます。
 所得税と住民税の定率減税の縮小、廃止が実施されれば、サラリーマン世帯を中心に、購買力を奪い、暮らしと景気に重大な打撃を与えます。政府・与党は、経済状況に改善が見られると言いますが、業績回復は一部の大企業のみで、むしろ雇用者報酬は減り続けており、経済状況が改善したとは言えません。
 また、導入時には、所得税の最高税率の引き下げ、法人税率の引き下げとあわせて、6兆円を相当程度上回る恒久的な減税と説明していました。ところが、今回は臨時異例の措置と言いかえ、定率減税のみ縮減、廃止することは、断じて許されません。
 その他、本法案には、金融先物取引課税の申告分離課税への変更や、上場会社の自社株買い付けみなし配当課税の特例措置延期など、資産家や大企業を優遇する措置を整備、温存する項目が含まれております。
 他方、無認可保育所に対する消費税の非課税措置、NPO法人課税の改善、新耐震基準を満たす中古住宅が住宅ローン減税等の特例措置の対象となるなど、賛成のできる項目も含まれております。
 しかし、既に述べたとおり、看過できない重大な内容が含まれており、本法案には断固反対であります。

 なお、民主党提出の修正案については、公債特例法修正案においては年金保険料の流用措置を廃止すること、所得税法等改正案修正案においては定率減税の縮小を廃止することなど、両法案とも国民に対して一定の負担軽減となるものであり、賛成することを述べ、討論といたします。

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