アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

税制(庶民増税・徴税) (消費税)

2005年03月02日 第162回 通常国会 財務金融委員会 【285】 - 質問

消費税増税 佐々木議員の追及に 小泉首相 「しない」とは言わず

 2005年3月2日財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、消費税増税問題について、小泉首相に質問しました。
 小泉首相は、2006年9月までの「任期中には消費税は上げない」と言ってきました。
 しかし細田官房長官は、「2007年施行というような形で(引き上げ方針を決めることは)ありうる」(2004年7月)とのべています。
 また、2004昨年10月28日の参議院財政金融委員会の答弁で、谷垣財務大臣は「平成19年度からはやはり消費税をお願いするような形で議論していかなければ」と述べています。
 佐々木議員は、2006年8月、各省庁が財務省に提出するの「2007年度予算の概算要求及び税制改正要求」のなかに、消費税増税を書き込むことを認めるのかと質問。
 これにたいして小泉首相は、正面から答えず「私の役割は行財政改革と歳出削減にある」とのべ、谷垣財務大臣も「来年8月のことまでは考えていない」と明言を避けました。
 しかし、2007年度からの消費税増税に向け、この「要望」に税率引き上げを盛り込む可能性を否定しませんでした。
 佐々木議員は、小泉首相が「要望書に書き込まない」と明言せず、消費税増税の方向を否定しなかったことが重大だ。「衣の下から消費税増税のよろいが見えてきた」と述べました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 消費税についてお聞きをしたいと思います。
 先ほども総理は、私の内閣では上げないという答弁を行いました。その意味を確認したいと思います。
 総理・総裁の任期というのが来年の九月というふうに聞いていますけれども、それまでは消費税の引き上げを実行しないということでしょうか。まず、ここを確認しておきます。
○小泉内閣総理大臣 私はかねがね、私の任期中は消費税を引き上げないと言っておりますので、引き上げないということは実行しないということ。
 違いますか。私はそういう意味で使っているんです、引き上げないと。
○佐々木(憲)委員 引き上げないと。
 そこで、この引き上げないという意味でありますが、小泉内閣は消費税増税を決めない、こういう意味ですね。
○小泉内閣総理大臣 私は、消費税の重要性はよく認識しております。
 消費税の議論も、これまで、最初の3%の導入のときに私も熱心に参加いたしましたし、五%の引き上げのときも大いに議論いたしました。これは、消費税の問題は重要でありますので、私は後々の人の手足を縛ることはしたくありません。そういう観点から、私の任期中は引き上げませんが、議論は大いに結構ですと言っているんです。そういうことでありますので、議論を妨げるように受け取るのはしてもらいたくない。
 今後、消費課税、所得課税、資産課税、これは総合的に議論しなきゃならない問題でありますので、こういう点につきましては、今後大いに議論していただいて結構でありますが、私が在任中は、そういう引き上げの問題についてどうだこうだと決定することは差し控えるのが筋ではないかと思っております。
○佐々木(憲)委員 消費税増税は決めないという答弁でした。
 そこで、細田官房長官が、昨年の7月29日ですけれども、3年後施行というような、つまり消費税の引き上げを実行するということ、そういう方針を小泉内閣の任期中に決めることはあり得る、こういう表現をしております。
 それから、谷垣財務大臣は、昨年10月28日ですけれども、これは参議院の財政金融委員会でありますが、平成19年度からやはり消費税をお願いするような形で議論していかなければならない、平成19年、つまり2007年ですね、その段階では消費税の引き上げを実行する、そういう方向でやらなければならないのだと。このことは、小泉内閣としては消費税の増税を、上げる方向で議論をする、そういうことを意味すると思うんです。これは、今総理がおっしゃったように、小泉内閣では手を縛らないということと極めて大きな矛盾があるわけですね。
 具体的に聞きますけれども、例えば、毎年8月には次の年度の予算の概算要求というのを出します。そのときには税制改正要求というのも出すわけですね。そうしますと、来年、総理の任期の前の8月でありますが、この8月に消費税増税をこの税制改正要求の中に書き込むことはしない、こういうことだと思うんですよ。総理はそういう立場だということで理解してよろしいですか。
○小泉内閣総理大臣 私の役割は徹底した行財政改革にあると思っています。
 今、消費税を上げると宣言するということは、行財政改革、歳出削減の努力が緩んでしまうということから、私は、民間でできることは民間に、行財政改革は徹底しなきゃいかぬということから、郵政民営化もその一環であります、そういうことから、私は、歳出削減にさらに努力していかなきゃならない。
 役所も政治家も、どちらかというと、国民の要望にこたえるために、歳出をしたい、そのための財源を調達したいという誘惑に駆られます。歳出削減するというのは痛みがすぐ見えますから、こういう点についてはなかなか抵抗が強いところであります。考えてみれば、増税もそうなんですね、痛みが大きいんですよ。歳出削減も嫌だ、増税も嫌だというのが率直な国民の感情だと思います。
 しかし、どちらに重点を置くかというと、私は歳出削減に努力をするのが私の内閣の務めだと思っていますので、私の任期中は、議論は大いに結構でありますけれども、引き上げる、実行するという決定は控えたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 谷垣大臣、平成19年度から消費税をお願いするという発言をされていますが、来年の8月の税制改正要求の中には消費税増税というものは書かないと、今総理がおっしゃったように、それを約束してください。
○谷垣財務大臣 私も総理のおっしゃったように、まず歳出を徹底的に見直して抑制していくことが財務大臣としての私の仕事でもある、こういう考えで今やっているわけであります。その上で、しかしながら、ことし、来年にかけて議論をしなければならないことの一つは、やはり社会保障をどうしていくかというのは、歳出を抑制していく上でも不可欠の道だと私は思っております。
 そしてそれを徹底的に議論していく中で、しかしそれでも、こういう少子高齢化が進んでいく中で、必要な公共サービスのレベルというものはやはりあるだろう。そこを見きわめて、では公平な負担は何であるかという議論はやっていかないと、社会保障を見直していくという議論もできない、私はこのように考えております。
 ただ……(佐々木(憲)委員「質問に答えてください」と呼ぶ)御質問に答えますと、来年の8月のことまでまだ私はよく、そこにどういう税制改革の要望を盛るかというようなところまでは、まずことしの夏に何をやるかというあたりはそろそろ考えなきゃいかぬと思っております。
○佐々木(憲)委員 おかしいじゃないですか。来年の9月まで小泉内閣の、小泉総理の任期がある。8月の、その前の月まで決めないということでしょう。どうして税制改正の中にこれを書き込む、書き込む可能性もあるということですか。
○谷垣財務大臣 いや、あるともないとも言っていない。まだそこまで考えていないと申し上げているんです。
○佐々木(憲)委員 これはおかしいですね。決めないと言っていながら決めるということじゃないですか、それなら。決めないと言っていながら、書き込む可能性も否定しないと。
 どうなんですか。どっちなんですか。はっきりしてください。
○谷垣財務大臣 そこまで考えていないという……。佐々木さんは、いつもどっちかの鋳型にはめようとなさって、初めから、おまえは黒いぞと言って、真っ黒な顔をしていると言っているんだけれども、それはどうも、まだそこまで考えておりません。
○佐々木(憲)委員 これははっきりしなきゃだめですよ。
 総理は、決めないと言っているわけです。何らかの方向を示すことはしない。当然、8月の税制改正までは一切それはやらない、そういうことを書き込まない、消費税増税は書き込まないということでしょう。そういうことで、総理、それでよろしいですね。
○小泉内閣総理大臣 どういう税制改正するかというのは、19年の暮れですよ。私は、そのときにはもう退任しているんですよ。いないんです。総理じゃないんですよ、そのときには。
 私は、毎日毎日、総理大臣の職責をいかに全うするか全精力を傾けておりますので、総理在任中は、全精力を傾けて、税制改正にもいろいろ議論してまいります。そういうことを言っているわけであります。
○佐々木(憲)委員 もう時間が来ましたからこれ以上やりませんけれども、これははっきりと消費税増税をしないという明言ができなかった。これは非常に私は重大だと思いますよ。やらないのならやらないとはっきり言ったらいいじゃないですか。それをはっきり言わない。これは私は極めて重大である、消費税増税のよろいが見えてきたということで、時間が参りましたので質問を終わります。

Share (facebook)

このページの先頭にもどる