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税制(庶民増税・徴税), 景気回復 (定率減税の廃止)

2005年02月25日 第162回 通常国会 財務金融委員会 【280】 - 質問

「景気動向をどう見るか、定率減税の縮減でどのような影響を与えるか」佐々木議員追及

 2005年2月25日財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、定率減税の縮減について、谷垣財務大臣に質問しました。
 佐々木議員は、景気動向をどう見るか、そのなかで定率減税の縮減がどのような影響を与えるかという点について、財務大臣を追及しました。
 佐々木議員は、国民と企業の所得の推移を示し、「回復しているのは企業の収益であり、家計はよくなっていない」と指摘。
 この間、雇用者報酬が大きく減って、1997年から2004年までの間に、17兆円も減少し、税・社会保障などの負担を差し引いた可処分所得は、月に5万2070円、年に62万5000円も減少しています。
 今回の定率減税の縮減は、1999年に行った3つの減税の1つをもとに戻すというものです。3つの減税とは、法人税の減税、所得税の最高税率の引き下げ、そして定率減税です。
 佐々木議員は「大企業、高額所得者、サラリーマンのうち、税金を払う力が戻ったのはどこか」と問いただしたのに対し、谷垣財務大臣はまともに答えられませんでした。
 佐々木議員は、「家計が冷え込んでいる、このような状況下で負担増を押し付けたら、さらに家計を圧迫し景気を押し下げる要因になる」と主張。もとに戻すべきは担税力の回復した大企業の法人税だと指摘し、国民の家計とくらしを直撃する、今回の所得税大増税計画の撤回を求めました。
 また、この日は、修正案を提出している民主党に対しても質問しました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 きょう最後の質問ですので、気合いを入れてやりたいと思います。
 まず、景気の現局面のとらえ方でございます。
 統計の遡及改定に伴って3期連続マイナスというマイナス成長になっているわけですが、今年度の政府の見通しというのは2.1%成長ということでありましたが、これを達成するには、1―3月期あと何%の成長が必要なのか、この点、お答えいただきたいと思います。
○谷垣財務大臣 委員がおっしゃいますように、16年度の実質成長率見込み2.1ということでございます、名目の方は0.8ですが。これを達成するために必要な1―3月期の伸びは、実質では前期比2.1%、名目では前期比1.1%程度ということでございます。
○佐々木(憲)委員 これはなかなか厳しい目標だろうと思うわけです。
 配付した資料を見ていただきたいんですけれども、主な民間調査機関の成長率予測という一覧表がそこにありますけれども、12の民間機関の2004年度の実質の成長率などがそこに予測で出されております。いずれをとりましても1.7から1.5の範囲内と、政府の目標と比べますと極めて低い水準であるわけでございます。これは、実際に先ほどの1―3月期にかなり高い成長を見込んでも、非常に厳しい現実だろうと思うんですが、それは、政府目標は達成できるというふうに確信を持って言えるんでしょうか。
○谷垣財務大臣 率直に申し上げて、相当飛躍といいますか、頑張らなきゃいけない数字ではないかと思います。
○佐々木(憲)委員 2005年度の見通しを見ても、政府目標は実質で1.6、名目1.3なんですけれども、これも相当高目の政府目標ではないか。12の機関のうち10の民間機関が政府目標を下回る予測を立てているわけであります。これは来年度の目標としても相当高目の目標というふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。
○谷垣財務大臣 政府経済見通し、今委員がおっしゃったようになっているわけですが、16年度については、先ほども申し上げたように、速報値が出るまであと1四半期あるわけですので、そこは結果を見守る必要があると思いますが、今後についても、これも、きょうも御答弁したところでもございますが、雇用情勢がよくなってきている、それから所得がこれから拡大するということが見込まれる、そういう中で消費が回復すると見込まれますので、こういう基本的な見通しは、私は維持できるのではないかと思っております。
○佐々木(憲)委員 かなり楽観的な見通しだと思うんです。例えば、雇用者報酬が最近ふえたというお話を随分されておりますけれども、実態を見ますと、パートタイムなど正規雇用とまた別な不安定雇用層が数字がふえているというのが一つの原因になっておりまして、平均給与が上がってきているというわけではないわけであります。そういう意味では、この雇用の面、非常に不安定化が進んでいるという点、それから所得もなかなか、企業の利益の拡大と比べてずっと抑えられたままでいるわけであります。
 ここで数字を確認しておきたいんですけれども、内閣府の方がお見えだと思うんですが、暦年で平成9年、1997年から平成16年、2004年にかけて、雇用者報酬は幾らだったのが昨年幾らになったか、幾らふえたかという数字を示していただきたいと思います。
○飛田政府参考人(内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部長) お答えいたします。
 雇用者報酬でございますけれども、平成九暦年、1997年におきまして280.5兆円、平成十六暦年、2004年でございますが、263.4兆円でございます。この間で17.1兆円減少いたしております。
○佐々木(憲)委員 この統計、雇用者報酬ですね、最近、若干上向いているかのように見えますけれども、この間大変な減少でありまして、平成9年から16年の間に17兆円以上減っているわけであります。ですから、回復したとはいいながら、全然まだこの先どうなるかもわからない。この間も17兆円という大変な規模の所得減少が起こっているわけであります。
 それでは、税、社会保険などの負担を差し引いた可処分所得でありますけれども、これは一体どうなっているか。総務省にお聞きしたいんですけれども、暦年で、同じ平成9年から平成16年、この間、幾らから幾らにふえたか、それから、その差額はどうなっているか、数字を示していただきたいと思います。
○大林政府参考人(総務省統計局長) お答え申し上げます。
 家計調査の結果によりますと、二人以上勤労者世帯の可処分所得でございますけれども、平成9年で一カ月当たり49万7036円、平成16年で44万4966円となっているところでございまして、約5万円ばかり減少しているところでございます。
○佐々木(憲)委員 これは月平均でありますけれども、大変な減少なんですね。つまり、49万7千円ですから、約50万円から44万の台でありますから、これは5万円強の減少なんです。年間に直しますと約六12万マイナスになっている。したがって、全体として雇用者報酬がずっと減り続けている。さらに、税あるいは社会保険の負担がずっしりと重くなっている。その結果、この可処分所得自体も大幅に減少しているわけであります。
 お配りした資料を見ていただきたいんですけれども、これは内閣府の国民経済計算からとったものでありますが、国民所得は四年間で約五兆円の減少であります。マイナス1.3%。雇用者所得は9.5兆円のマイナス、3.5%マイナスという状況であります。一番下を見ていただきますと、家計可処分所得も12.2兆円のマイナスで、マイナス三・九%。ですから、家計あるいは勤労者の所得、この点を見ますと、全体として非常に大きなマイナスとなっているわけです。この数字は4年間の増減を見たわけであります。
 これに反して、そこにありますように、企業所得、これは伸びているわけでありまして、4年間で企業所得、特にその下の民間法人企業、これを見ますと、4年間で8兆円ふえている。22.3%増であります。
 こういう点を見ますと、これは、大企業を中心として利益は回復しているけれども、しかし家計は非常に疲弊しているという状況がわかると思うわけです。
 谷垣大臣にお聞きしますけれども、こういう状況を見まして、最近、雇用者報酬が若干下げどまりになった、上向きというような話がありました。しかし、やはりまだ、もとに戻ったというふうな状況では全然ないわけでありますが、そういう事実は確認していただけますか。
○谷垣財務大臣 いろいろ数字を引いての御議論でございますが、雇用が改善しているといってもパートだけじゃないかという御指摘もありまして、確かに、今までパートタイム労働者の伸びが雇用者数の伸びを支えていたといいますか、そういう面があったことは、これは事実だと思いますが、ここ最近では、パートの労働者数の伸びが鈍化傾向を示している一方、一般労働者数が下げどまりを見せてきて、ほぼ前年比横ばいの水準近くまで戻ってきているということは、雇用の中身についても一定の改善が見られるのではないかと思っております。
 それで、そのほかにもいろいろ数字を指摘されておられますが、家計の所得については企業部門に比べてその改善がおくれていることは事実だと私も思います。しかし、先ほども申し上げたように、やはり雇用情勢は改善が進んでおりまして、雇用者報酬の伸びが前期比、前年比ともにプラスに転ずる、要するに、企業部門の改善が家計部門にも及びつつあるという形ができてきたのではないかというふうに思います。
 それから、労働分配率等の問題も、委員会でも随分御議論があって、これは基本的には労使でよく話し合って、特に民間部門については労使でよく話し合っていただくべきことだと思いますが、かつてやはり非常に高かったのが、バブルが崩壊後ぐっと修正過程にあって、それが最近、雇用者報酬がやや伸びてきた、こういう流れはあるのではないかなと思っております。
○佐々木(憲)委員 労働分配率は、企業の利益が低かったときは労働者への分配率が高く見えるわけです。しかし、最近は企業の利益が非常にふえていまして、そういう点でいいますと、労働分配率はまた逆に下がってきているわけですね。
 それから、雇用者のあるいは労働者の賃金が上がるというのは大変望ましいことだと私は思うんですが、実際はなかなかそうなっていない。今度の春闘も大変厳しい状況にあるということでありまして、むしろ、企業の側が利益を非常に伸ばしていますけれども、それを賃上げによって回していく、あるいは新たな安定した雇用拡大に向けていっていないというのが現状なのであって、そこをどう改善するかというのが一つの政策課題になっている。この点はぜひそういう点で見ていただきたいと思うわけでございます。
 さて、そこで、家計がなかなかもとに戻らないような深刻な状況に依然としてあるわけですが、そういうときに定率減税の縮減ということが行われると、さらに家計圧迫要因になるというふうに私どもは思うわけです。
 そこで、具体的な数字をお聞きしたいんですけれども、定率減税の縮減でどれだけの負担がふえるか。まず平成17年度、つまり来年度ですね、それからその次の18年度、19年度、縮減、廃止という方向が出されていますが、それが実行された場合、それぞれ幾らの負担になるか、この点をお答えいただきたいと思います。
○田野瀬財務副大臣 私の方からお答え申し上げたいと思います。
 17年度の税制改正における定率減税の二分の一縮減に加えまして、18年度改正において全廃すると仮定した場合の所得税の各年度の国民負担増加額は、平成17年度は1千850億円の増でございます。平成18年度は1兆2520億円の増、平成19年度は1兆670億円と見込まれておるところでございます。
 なお、ただいま申し上げたのは所得税でございますが、個人住民税の合計で申し上げますと、平成17年度は1千850億円、平成18年度は1兆5千950億円、平成19年度は1兆4千550億円のそれぞれ増になるところでございます。
○佐々木(憲)委員 今数字をお示しいただいたんですけれども、大変な負担増になるわけですね。来年度は、確かに全体の1―3月の分だけですから、そういう意味では所得税で1千850億と今言われました。しかし、平年度で見ますと、1兆円をはるかに超える大変な負担増ということになっていくわけであります。
 そこで、この前のこの委員会で私も質問をしたんですけれども、与党の税調の平成17年度税制改正大綱で「景気動向を注視し、必要があれば、政府・与党の決断により、その見直しを含め、その時々の経済状況に機動的・弾力的に対応する。」というふうに書かれているわけですが、そこでお伺いしたいのは、機動的、弾力的に対応するという場合、何を目安に対応するのか、その目安を教えていただきたい。
○谷垣財務大臣 この一文は前回も大分佐々木委員とやりとりしたわけでございますが、要は、あのときも申しましたけれども、経済は生き物だから今後の景気動向については注意深く見ていこう、それで、その時々の経済状況に応じて、何か政策的な対応が必要になれば、どこに問題があるかということをきちっと判断して、機動的、弾力的に行っていくという必要がある、こういうことに尽きるわけで、今、何がどうなったらどうかとおっしゃいましたけれども、例えばどういう経済指標がどういう動きを示した場合に対応が必要となるというような機械的な考え方ではなく、弾力的、柔軟に臨機応変にやれ、こういうことを書いてあるわけでございますから、よくこの意を体してやりたいと思っております。
○佐々木(憲)委員 今の答弁では何が何だかさっぱりわからないわけでありまして、何がどうなったら見直すのかと。何がというのは何もないわけです。何か問題があればというようなことでは、意味がわからぬわけです。
 もうちょっと具体的に聞きたいんですけれども、例えば成長率に着目して大きく下がるということなのか。あるいは例えば家計がもっと大変な状況になる、家計消費が冷え込む、これは所得税の増税ですから家計に非常に影響しますから、そこに着目するのか。あるいは、企業の利益が今ふえていますけれどもこれががっと落ち込むというような状況。どういう状況を判断基準にされるんでしょうか。
○谷垣財務大臣 いや、それは先ほど申し上げたとおりでございまして、個人消費ががたっとえらく落ち込んでしまったとか、企業倒産ががたがたがたっとふえてきたとか、それはいろいろなことがあり得ると思いますけれども、ではどのぐらいといっても、なかなかそれは、やはり総合的にきちっとそのときの情勢を見るとしかお答えのしようがないわけでございます。
○佐々木(憲)委員 どうもよくわからぬですね。機動的、弾力的に対応する、その目安となるものも大変漠然としてわからぬ。いろいろな問題があるだろうというその程度では、これは何かようわからないわけであります。
 一番中心なのは成長率が落ちるということなんじゃないか、それがかなり大きなマクロ的な判断基準になるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○谷垣財務大臣 今、委員はあえて成長率ということを持ち出されたわけでありますけれども、もちろん成長率の動向というのは、今委員がおっしゃったように、経済全体のある意味では体温といいますか方向性を示すものですから、それは重要な指標ではありますけれども、ただ、やはり経済の流れを見ますときは、一瞬風速がどうなったとかいう話ではないと思うんですね。
○佐々木(憲)委員 それでは、その判断する時期はいつなんでしょうか。
○谷垣財務大臣 これは前回もお答えしたと思いますが、前回は、主たる含意はという言い方で申し上げましたけれども、段階的にやる。平成17年度はこういうのを決めて閣議決定して国会へお出ししております、それでは次は平成18年度はどうするんだという問題が出てまいりますから、そのときに、ではどうするんだという判断は周囲の状況をよく見て弾力的、機動的に判断をせよというのが、経済の動向をよく見ろというのが主たる含意だと思いますが、これはこの間は、では平成17年はやらないんだなと決めつけられましたけれども、主たる含意がそこにあるということを申し上げているわけです。
○佐々木(憲)委員 そうしますと、年末の税調答申のあたり、そのあたりが判断の時期と言えるわけですか。
○谷垣財務大臣 どこを排除するというわけではないんです。ただ、これは18年1月から実際に動き出すわけですね。そうしますと、では、入ってその影響はどうかということはやはりありますね。ですから、別にどこを排除するというわけじゃなくて、主たる含意は18年度をどうするかですけれども、そういう18年1月に入ってどうなるんだというようなことは、やはりそれは見ていく必要があるんだと思いますね。
○佐々木(憲)委員 ということは、年末というのが一つの時期だろうと思うんですが、その場合、今、来年の1―3月の時期についても、これは初めから排除するわけじゃなくて、そういうものも含みながら、そういう時期も含めて検討の対象になり得るという理解でよろしいですよね。
○谷垣財務大臣 どこを排除するわけではないとかなり緩やかに申しましたけれども、委員は、この前もそうですが、お詰めになるわけでありまして、要するに、私は、18年度税制改正のプロセスにおいて議論していただくということは、これは当然あり得ることだろうと思っておりますが、その議論の結果どうなるかはもちろん今あらかじめこうだというふうに申し上げるわけではありませんけれども、要するに、余り予断を持たずに私は対応したいと思っております。
○佐々木(憲)委員 それでは次に、定率減税の縮減の問題は、平成11年の三つの減税の一つをもとに戻すという話でありますけれども、この平成11年の三つの減税の対象となるのは、法人税の減税ですから企業、とりわけ大企業が中心だと思います、もう一つは高額所得者の所得税の最高税率の引き下げが行われた。それから、今問題になっている定率減税、三つの減税があったわけですね。
 そこで、先ほど数字を示しましたが、税金の負担できる力といいますか担税力、税負担能力ですね、これは、大企業の場合、高額所得者の場合、サラリーマンの場合、これまで減税の対象となってきたそれぞれ、そのうちで担税力がもとに戻ったと判断できるのはどの部分でしょうか。
○谷垣財務大臣 今、三つの分野を佐々木委員は議論されたわけでございますが、個人所得課税の最高税率と法人課税の実効税率の引き下げというのは、これは当時の税調答申でも指摘されておりますように、やはり、国際化の進展、グローバル化といったような構造変化に対応して、我が国が元気を持ってやっていくためにやったわけでございまして、単純な景気対策ではなかったわけでございます。
 それで、個人所得課税の最高税率とか法人課税の実効税率というのは、確かにこういうことで主要先進国と同水準になってきているというふうに思いますけれども、他方、我が国個人所得課税の全体としての負担水準は、大多数の納税者が低い税率の適用で済んでいるということもありまして、国民所得比で見て主要先進国中一番低い水準となっているわけであります。個人所得課税の最高税率や法人課税の実効税率をそのままにして定率減税を縮減するということが、担税力という観点から見て不適当じゃないかと多分委員はおっしゃっているんだと思いますが、それは当たらないのではないかと思っております。
○佐々木(憲)委員 私は、それぞれの税の性格、それから減税の目的を聞いたわけではないんです。それはそれで私は別な意見を持っていますけれども、今お聞きしたのは、先ほど見たように、家計の可処分所得が落ち込んでいる、あるいは雇用者所得も大変な落ち込みを示している、他方で企業は特に大手を中心に利益を拡大している、したがって、そういう点を見ると、大企業、大金持ち、サラリーマン、簡単に言いますと、三つの減税の対象があると思うんですね、それぞれの対象の中で税負担能力が高まったのはどこですかと聞いているわけです。そこを聞いているわけです。
○谷垣財務大臣 そういうふうにおっしゃいますと、ちょっと委員の独特のめり張りづけに必ずしも私は同意するわけではございませんけれども、個人所得課税の水準という観点から考えますと、ここに担税力がないとは言えないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 随分苦しそうな答弁なんですけれども、簡単でしょう、大企業の利益は拡大しているんですから。それで、サラリーマンの所得は落ち込んでいるんですから。家計の可処分所得が低下している。どこに税負担能力が高まっているかといえば、大企業のそこに負担能力が高まっている。それはもうだれが見たってそれ以外考えようがないじゃないですか。それを答えたくないためにいろいろな国際水準だとかなんとかということをおっしゃっていますけれども、それは私の質問に対する回答ではないんです。それはすりかえなんです。これはもう事実は明確なので、大臣は答えたくなかったということだけであります。
 次に、ではちょっと角度を変えましょう。
 今、こういう所得税の増税がサラリーマンを直撃するということになりますけれども、それを強行したら大変なことになるわけで、私たちはこれは撤回すべきだというふうに思っております。
 負担はこれだけじゃないんですね。今までも議論がありましたが、三枚目の資料を見ていただきますと、2005年以降の国民への負担増というのは、そこにありますように、大変な規模になっているわけであります。
 もう早速ことし1月から、老年者控除の廃止、65歳以上の公的年金等控除の縮小、住宅ローン控除の段階的縮小が始まっております。さらに、4月になりますと、雇用保険料の引き上げ、国民年金保険料の引き上げ。6月には配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止。さらに、9月には厚生年金保険料の引き上げ。10月になりますと、これは今まさにこれから導入されようとしている介護保険のホテルコストの導入、さらに、障害者医療への自己負担の強化、しかも、住民税均等割の妻の非課税措置の廃止、これは半減。しかも、これは昨年から行われておりますけれども、消費税の免税点の引き下げ。これらを足しますと2兆4千357億円になるわけであります。
 しかも、さらに来年になりますと、今度は老年者控除廃止ということで、これは住民税がさらに増税になる。65歳以上の公的年金等控除の縮小、これも住民税関係です。さらに、定率減税の半減。先ほどありましたように、大変な規模の増税になるわけであります。
 そこにずっと書いてありますように、障害者支援費等の自己負担強化、国民年金保険料の引き上げ、さらに、定率減税の半減で住民税が増になる、フリーター課税も強化される、厚生年金保険料も引き上げられる。もう本当に、これは痛んでいる家計を次々とボディーブローのように直撃するというのがことしから来年にかけての増税計画、さらに負担増計画であります。
 しかも、与党税調の増税シナリオ路線の見込み負担増、例えば介護保険料の引き上げですとか定率減税の廃止の残り分、これは所得税と住民税にかかってまいりますし、個人所得税の抜本的見直しというのが2007年、こういうことも想定されております。これは金額はまだわかりません。しかも、2007年、消費税の増税ということまでねらわれているわけであります。
 そういう、消費税と所得税の将来のこの点は別としまして、これら全体を合わせますと、今ほぼ確定的なものだけでも、ここにありますように、6兆5千864億円、約7兆円近いんですよ。これは大変な負担増が次々と押し寄せてくるというのが実態でありまして、この数字は、大臣、ほぼ間違いありませんね。
○谷垣財務大臣 委員のお示しの数字は十分精査ができているわけではありませんが、私どもがちょっと用意したものは、17年度、これは年度でございますが、17年度については、税制改革について約0.6兆程度、社会保険料の見直しについては約0.5兆程度、合計で約1.1兆円程度、こういうふうになっております。これは配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止とかそういうものを含んでいるんですね。それから、18年度は、税制改正については約1.8兆、社会保険料の見直しについて約0.3兆、合計で約2.1兆程度というふうに見ております。
 これも委員との御議論の中で何度も申し上げたことでございますけれども、やはり負担増という観点だけで見るのは、私は違うのではないかと。年金の給付費総額というものは、17年度、18年度ともに1兆円を超える額の増加が見込まれておりますし、配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止に伴って少子化対策を行う等々ございますので、やはり出と入りと両方で見ていただく必要があるんじゃないかと思っております。
○佐々木(憲)委員 年金の給付がふえると言いますけれども、しかし、昨年通った年金のあの法律は、負担はふえる、給付は減る、しかもそれを、国会の議論なしにどんどん毎年上げていくというものも通したわけでしょう。ですから、そういう点を考えますと、給付の方はふえるんじゃないんですよ。対象が広がるから、少し額がふえるように見えるかもしれないけれども。
 そういう状況を考えますと、今私が述べましたそれぞれの項目、この項目で間違った項目はないと思うんです。ですから、このうちこれだけはやりませんよというのはありますか。これはやらないんですと。あったら教えてください。
○谷垣財務大臣 ちょっと全部はわかりませんけれども、いろいろ計画しているものが入っておりますね。
○佐々木(憲)委員 これ、お認めになったわけですけれども、数字は多少それぞれのとり方で違うかもしれない。しかし、谷垣大臣が今おっしゃっただけでも3兆2千億円の負担増になるんですよ。厳密に計算すれば、私どもが先ほど言ったような数字が計算できるわけであります。
 そういうことで、これが実行されると当然家計に負担が行くわけです。これは景気の押し下げ要因になる。はっきりこれは言えると思います。そういうことでいいますと、これはこれからの日本の経済、日本の国民の暮らしにとって極めて重大な引き金を引くことになる。そういう点で、私は、これらの負担増は全面的に撤回すべきだ、もう一度、財政の構造全体を改めて考える必要があるということを申し上げておきたいと思います。
 それで、この辺で、民主党から提出された二つの法案についても質問をさせていただきたいと思います。
 公債特例法の修正案、それから所得税法等改正案の修正案、この二つ出されておりますが、まず、公債特例法の修正案についてお聞きします。
 こういう修正案を提出するに至った理由といいますか、つまり原案の問題点というのはどこにあって、この修正案によってどの点が改まるのか、まず、この点をお聞かせいただきたいと思います。
○中塚委員 原案の問題点につきましては、もう問題といえば全部が問題だというふうに思っているんですけれども、赤字国債を出すための法律案ということで、結局、では、その反対側の歳出である予算のむだ遣いというのが本当に改まっているのかという問題もあります。
 ただ、その中でもとりわけ特に、やはり今国民注視の問題であります年金の保険料を年金給付の事務費に充当するという部分については、これは削除をするべきだというふうに考えていまして、先ほどから佐々木委員も御質問になっているわけですが、年金制度への不信というのは、その根底にはやっぱり政治行政に対する不信というものがあると思うんですね。見直しのたびに保険料はどんどんどんどんと上がり、そして年金の給付自体はどんどんどんどん下がっていく。やっぱり大切なことは、年金の給付と負担の関係を明確にする、幾ら保険料を払ったら幾らもらえるのかということがちゃんとわかるような、そういう年金制度でなければいけないというふうに思うわけなんですけれども。
 そういった意味でも、この年金事務費については、本来は税でやるということであったものを、特例としてこういう保険料で賄っているということなわけですから、やはりここは本来の姿に戻すべきだろう、そうすることによって年金制度への信頼を回復するべきであるというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 確かに、この社会保険庁の事務費の問題は、橋本内閣の時代の財革法で特例として認めて、それがずっとこう続いてきて、改まらないままに来ている。本来なら昨年の3月でこれは打ち切って、この点についてはやはり税で見るという本来の筋に戻すべきだったと私は思いますけれども、これがずうっと続いてきている、しかもまだ続けようとしている。これは本当に私は、これを直すというのは非常に大事なことだというふうに思います。
 同時に、社会保険庁の事務費の不正流用というのは、この部分を改めればそれはなくなるかというと、必ずしもそれだけではまだ不十分だろうと思うわけですね。それで、ほかに、この修正案で出された以外の手段として、この不正流用を正していく、直していく、その方法があればそれを示していただきたいと思います。
○中塚委員 この社会保険庁の事務費に対して不正流用ということをどうやって防ぐかということなんですが、まずはやっぱり年金の保険料なり積立金というものは、もう給付以外には使わないということを大原則として打ち立てるべきだと思っています。実務的には、業務効率化の徹底とか、あと入札ですね、請負契約なんかの改革も必要だというふうに思っております。
 昨年、社会保険庁の長官に民間人を起用するということになったわけですが、やっぱり多くの国民は、ではそれで一体何が変わったんだという思いを持たれていると思うんですね。加えまして、厚生省と労働省がひっついて厚生労働省になったわけなんですが、では、その二つの役所が一つになったメリットって一体何なんだということにもなるんですけれども、社会保険事務所もあれば労働基準監督署もある、また職安もある、全部ばらばらにやっているわけですね。
 そういった意味でも、私どもは実は、社会保険庁につきましては、もう最終的には廃止をするべきだということを考えております。これは昨年国会に提出をいたしました年金法案の対案、民主党案の中にも盛り込んであるんですが、社会保険庁は廃止をする、国税庁と統合をして歳入庁をつくってはどうかと。保険料の徴収の業務もそういったところで同じように一元化をしていくようにしてはどうかということを提案しています。
 要は、払う立場からすれば、税金だろうが保険料だろうが変わりはないわけでありまして、だったら、税であろうが保険料だろうが、集めるところは一つにする。もちろん税であろうが保険料であろうが絶対にむだ遣いはしないというスタンスで臨むべきであるというふうに考えています。
○佐々木(憲)委員 廃止すべきだという点については、我々はちょっと違う見解を持っておりまして、問題は内容なわけで、いかにしてむだ遣いを抑えるか、住民サービスをどれだけ拡大するか、それから、業界との癒着を断ち切るか、あるいは天下りを禁止するか、そういうさまざまな角度からの改革というものが大事であって、民営化したり廃止すればそれで何かできるかというと、必ずしもそうではないというふうに思っておりまして、この点は、具体策ではそれぞれの政策的な見地の違いというのはあろうかと思いますが、大きな方向として、今おっしゃった、むだ遣いを直していく、なくしていくということは同感するところであります。
 さて次に、この所得税法の改正案の修正案ですけれども、これを提出するに至った理由は提案理由説明でわかりましたが、こういう、縮減をいわば禁止するといいますか、つまり減税を継続すると。同時に、やっぱり新たな財源というものが必要だろうと思うんです。我々は、先ほど言ったように、担税能力のあるところにきちっと税金を払ってもらうということが大事だと思っておりますけれども、民主党の場合はどういう考え方でいらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○平岡委員 財源というと収入だけを見るということではなくて、やはり歳出と歳入、収入と支出、両面を見て考えなければいけないというふうに思っているわけであります。
 まず、私たちの基本的な考え方は、歳出を徹底的にやっぱり見直していくんだということが基本にあるというふうに思っています。そういう意味では、民主党予算案でも、先ほど与党の質問の中でも、私たちの見直しの中身というものを少し御紹介いたしましたけれども、徹底的に歳出の見直しを行っていくということをまず行っています。
 そしてまた、歳入面の方の見直しも、これをあわせてやっていかなければいけないということだろうというふうに思っていますけれども、我々としては、例えば子供手当というものを今回創設するという民主党案をお示ししていますけれども、その財源というものは控除主義から手当主義へということで、所得税の仕組みの中で控除という仕組みがだれに一体メリットをたくさん与えているかということを考えれば、累進税率のもとで高額所得者にとってより利益のある仕組みになっているというふうなことから、これを廃止して、むしろ手当に変えていくというような考え方の中で、子供手当というものもつくっているわけであります。
 そういう意味で、歳出、歳入両面ともにしっかりと見直していかなければいけないというふうに思っていますけれども、さらに歳入面で加えて言えば、我々の年金のあり方、一元化の中では、消費税についても、我々としては年金の一つの財源という位置づけの中で検討もさせていただいているというふうなことであります。
○佐々木(憲)委員 消費税の財源化、つまり消費税の増税という点については、我々と見解が全然違うわけでございまして、私どもは、消費税というものはもともと逆進性を持っておりまして、低所得者であればあるほど所得に占める消費税の比率というのは非常に高くなる。そういう意味で、弱者に対しては非常に過酷な税制だと思っております。
 したがって、これを増税するということになりますと、いわば社会保障の対象になっている方々に大増税を押しつけるという形になりますから、社会保障の目的あるいは年金の目的のためということで、それを合理化はできないのではないかというふうに考えております。これは、まあ大いにこれから論戦をしていかなきゃならない、そういう課題だろうというふうに思います。
 それから、次にお聞きしたいのは、現在の住宅ローン控除に比べて、修正案の中にあります、この提案されている新しいローン控除というのはどういうメリットがあるのか、この点について端的にお答えいただきたいと思います。
○中塚委員 まず、私どもの提案をしておりますローン利子控除というのは、住宅に限った話ではないということが第一点なんです。住宅については、17年度については選択制、18年度からは今の住宅ローン減税はやめてこのローン利子控除に一本化しようというふうに考えております。個別の案件については、いろんなモデルケースの立て方なんかでどっちが得でどっちが損かということはあると思うんですけれども、ただ、税額控除と所得控除の違いというのは私はかなり大きいと思っています。
 現行の制度は税額控除で、しかも期限が例えば10年とか、そういうふうに決まっているわけですから、少額の納税者の方はもう税額控除で全部引き切ってしまえばそれ以上の減税はないということになるんですけれども、私どもは、借り入れの全期間を通じてローンの利子を所得から控除できるということですので、私自身は、これからの経済の動向なんかを考えた場合に、なかなか所得も伸びていかない中にあって、消費をどうエンカレッジするかという点で考えたときには、こちらの制度の方が、日本経済にとってもまた個人にとってもメリットがあるのではないのかというふうに考えていますし、あとは、政府の住宅ローン減税というのは景気対策ということでやっているわけなんですが、私どももちろん景気対策ではないとは言いません、景気対策の意味合いもありますけれども、でも、これは制度として改正をしたいというふうに考えております。
○佐々木(憲)委員 この新しいローン控除制度というのは、住宅に限らず広げると。住宅の場合も、本人が現に住んでいる住宅に限らず広げるということになりますと、例えば別荘ですとかあるいは利殖のために不動産に投資をする、そのためのローン、こういう、一部のいわば金持ちといいますか富裕層の資産形成を対象にするということになりはしないかという懸念がちょっとあるんですが、こういう点の適用はないというふうに言えますでしょうか。
○中塚委員 私どもが今回提出をしております修正案では、いわゆるセカンドハウス的なもの、別荘とかいうことについて、それを対象外にはしていないんですね。それも要はローンの利子の控除制度のうちに取り込んであります。それをどう活用するかというのは、もうそれは個人個人の才覚なり、その人の置かれているポジションの問題でもあるというふうに思っています。
 ただ、利殖のためということであれば、事業用で借り入れて、借り入れた場合の利息だって損金で落とせるということでもあるので、私は、個人個人がどういうふうにこの制度を御活用になるのかというのは、まさに個人個人の方の御判断なんだろうというふうにも考えています。
 加えて、先ほど申し上げたとおりで、住宅だけに限った話ではありませんので、例えば教育ローンなんかも、この制度を活用していただければ、ローンの利息を所得から控除ができるということですから、いろんな層に恩恵を及ぼすことになるだろうというふうにも考えています。
○佐々木(憲)委員 かなり対象が広がるとなりますと、ちょっとこれは通告はしていませんけれども、財源的にどの程度の財源ということが想定されるでしょうか。もしわかりましたら教えていただきたいと思います。
○中塚委員 今の住宅だけに限っていえば、政府のやっている住宅ローン減税とか住宅ローンの残高なんかを見ると減収額1兆円ぐらいなんですが、ただ、それ以外のものについての、利息でありますとか、またあるいはこの間の金利動向ということによっても減収額は左右をしてくるということであります。ただ、この制度をつくることによっての消費拡大のもたらす日本経済に対するインパクトはかなり大きい。GDPの6割は消費ということですから、そこが活性化することによっての日本経済の活性化というのはさらに大きいものがあるだろうというふうにも考えています。
○佐々木(憲)委員 個人消費の拡大へのてこ入れという性格があるということは、もちろん私もそのとおりだと思いますし、そういう性格のものが必要だろうというふうには思いますけれども、対象の面、これについてはいろいろと議論をしていければというふうに思っております。
 それから次に、NGOの活動法人への税制上の支援ということですが、私もこれは大変大事だと思いまして、これは野党共同で、私ども参加して提案をしたこともあります。ほぼ同じ内容のものがここに入っているというふうに理解しておりますけれども、この税制上の支援というものが日本の社会全体にとってどういう意義を持っているか、この点についてお考えを示していただきたいと思います。
○平岡委員 今佐々木委員の方からは、NGOという表現でありましたけれども、NGOに限らずNPOも含めて、私たちは市民が公益をみずから担う社会の構築を目指すという基本的な考え方を担っていまして、そういう中で、このNGOとかNPOというのは、まさにそうした公益を担っていく主体として、これから立派な活動をしていただきたい、私たちはこういうふうに思っているわけであります。
 ただ、問題は、こうしたNGO、NPOという組織が活動するに当たって、やはり財政的基盤というものがなかなかつくれないというのが大きな悩みであり、政策的な意図は、そこをいかに強化していくかということだろうというふうに思っています。
 そういう意味では、ちょっと質問から少し離れてしまうというか、先へ行ってしまうわけでありますけれども、今政府が認定NPOとして行っているのは、先ほど質問の中でもちょっと触れましたけれども、ことしの1月末現在で、NPO法人が2万1千939法人あるにもかかわらず、認定NPO法人は26法人しかいない。こういう状況の中では、NPOが活動しやすい財政基盤が必ずしもできない状況、環境にあるのではないか、こういうふうに思っていますので、NPOの果たす役割にかんがみて、私たちは、財政基盤をより強化していくための政策的な支援、政策的な枠組みをつくっていくということで提案させていただいているということでございます。
○佐々木(憲)委員 NGO、NPOに対する支援というものは大変重要だと私も思っておりまして、やはり今後の日本の社会の発展の上でも、これをどういうふうに積極的に支援をし、また広げていくか、このことが重要だという点は、全く認識が同じでございます。
 以上で、時間がほぼ参っておりますので、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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