憲昭からの発信
【09.03.29】企業・団体献金の禁止こそ政治腐敗根絶の道
Yahooみんなの政治「国会議員一斉調査」
質問 西松建設の違法献金事件を受け、政治献金のあり方が問われています。健全な政治献金制度はどのような形であると考えますか?
佐々木憲昭議員の回答(2009年3月29日)
企業・団体献金の禁止こそ政治腐敗根絶の道
小沢代表の公設第一秘書が起訴された3月24日、民主党の小沢代表は、記者会見で「謝罪」はしたものの事実関係についての説明が十分に行われたとは言えません。代表続投を決めたことにつては、6〜7割の国民が批判的です。
これにたいし「収賄罪やあっせん利得罪が立件されなかった」から、「犯罪としては軽いのだ」という議論が一部にあります。政治資金規正法違反だけの「形式的な犯罪だ」という考え方です。果たしてそうでしょうか。
政治資金規正法は、「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」、政治資金の公開や献金の規制などによって、「民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする」と明記しています。
今回の容疑が重大なのは、この法の精神を踏みにじって献金の出所を国民から隠していたことにあります。
これまで、政治献金を受け取った相手が政治団体だから「形式的には企業献金ではない」という法解釈をしていたようです。しかし「形式」さえ整っていれば問題ないという解釈は現行法でも成り立ちません。問題は実態だからです。
献金をした政治団体に実態がなくダミーに過ぎないとすれば、明らかに違法であり、その仕組みを政治家と会社が一緒につくったとすれば、政治家に及ぶ重大な問題になります。さらに、請託があり見返りがあったのかどうか。
少なくとも関係した党は、これらの問題を含めて自ら調査をし国民に明らかにすべきです。政治資金規正法では「もらった相手の団体を書くしかない」と言う人もいますが、それを悪用して西松建設としめし合わせて真実を覆い隠した容疑は重大です。たまたま書き間違えた「形式犯」でないことは明らかでしょう。民主党も自民党も、この本質を軽く見ているため自浄努力が生まれてこないのではないでしょうか。
諸悪の根源は企業・団体献金にあります。このさい、きっぱりと禁止すべきです。各党とも、直ちにその道に踏み出すべきではないでしょうか。
「政治とカネ」の問題が、これまで何度も繰り返されてきたのは、企業・団体献金の明確な禁止に踏み出せなかったからです。一昨年まで、領収書の公開が焦点になるなど、おカネの「出」の問題が大きな関心を呼びました。各党協議の中で、私たちはおカネの「入り」の問題こそ核心だと主張しましたが、他の党は受け入れませんでした。しかし今回の「事件」は、「入り」こそ重要だということを明らかにしたのです。
企業は、営利を目的とした団体です。企業が「カネを出す」のは、何らかの見返りを期待しているからです。見返りを求めないでカネを出すなら「背任」になり、見返りを求めるなら「賄賂」になるのです。
そもそも、国民が支持する政党に政治献金をおこなうことは、憲法で保障された参政権の一つで、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついたものとされています。
企業は主権者ではなく、従って選挙権ももっていません。企業が政党や政治家にカネをだし、政治に影響をあたえるということは、主権者である国民の基本的権利を侵すことにつながり、国民主権の原則と相いれないものなのです。
いずれにしても、企業・団体献金を禁止することなしに、政治の腐敗を根絶することはできません。
いま必要なことは、企業・団体献金を受け取って当たり前という政治を根本から正すことです。日本共産党は、企業・団体献金の禁止を政策で掲げるだけでなく、身をもって実行している唯一の政党です。
同時に、税金を政党が山分けする政党助成金も廃止すべきです。
以前にも、この一斉調査で「企業・団体献金の禁止こそ(2007年3月25日)」を回答しています。そちらも、ご参照ください。