憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【07.03.25】企業・団体献金の禁止こそ
Yahooみんなの政治「国会議員一斉調査」
質問 政治資金規正法などをどう改めれば、『政治とカネ』の問題が改善されると考えますか?
佐々木憲昭議員の回答(2007年3月25日)
企業・団体献金の禁止こそ
いちばんの課題は、企業・団体献金の禁止を実行することです。
これまで、企業献金を正当化するために持ち出されてきたのが、「企業も社会の一員だから献金は認められる」「企業献金は社会貢献」という理屈です。しかし、企業は国民と同じように政治献金を行うことができる存在でしょうか。
政治資金規正法は、「政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね」、「政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、…公明正大に行わなければならない」(2条)と基本理念を規定しています。
法に規定されているように、政治資金は「“国民”の浄財」です。国民が支持する政党に政治献金をおこなうことは、国民の政治参加の手段であり、憲法で保障された参政権の一つ、国民の代表を選ぶ選挙権、投票権と結びついたものです。
しかし企業・団体は、国民と同様の主権者ではなく、従って選挙権ももっていません。企業・団体が政党・政治家にカネをだし政治に影響をあたえるということは、主権者である国民の基本的権利を侵すことにつながり、憲法の原則である国民主権とは相いれないものです。
さらに言えば、企業・団体からの献金は、何らかの利得に結びつけば「賄賂」となり、そうでなければ企業・団体に損失を与える「背任」行為となるものです。企業は、利益を得ることを本来の目的にする営利団体ですから、政治にカネをだせば、“投資”にみあう“見返り”を要求することにならざるをえません。企業・団体献金に“透明”で“クリーンなカネ”などなく、本質的に“賄賂”性をもっているものです。
前国会、企業献金の増加をめざす自民党・民主党は、外資系企業献金禁止の規定を撤廃する改悪まで行いました。
財界の総本山である日本経団連は、2003年から“通信簿”方式の「献金促進」策を導入し、企業献金の増加をはかっています。これは、日本経団連が政党の“通信簿”をつけて献金のガイドラインをつくり、良い“成績”をとった政党への献金を企業に呼びかけるというものです。「“財界・大企業”好みの政策はカネで買ってやる」という、まさに「政策買収」です。「政策買収」によって、大企業ばかりが大儲けし、格差を広げ、国民に負担と犠牲を負わせ、平和を破壊する政策をすすめることが、決して「社会貢献」とは言えないことは明らかです。
このような企業・団体献金は、即刻禁止すべきです。
「政治とカネ」の問題では、政党助成金も見過ごす事のできない大きな問題です。
1993年、毎年300億円(国民1人当たり250円)を超える税金を政党がやま分けする政党助成金制度が導入されました。日本共産党は、政党助成金が国民にとって自分の税金が支持しない政党に強制的にまわされる献金なので、制度導入以来一貫して受け取りを拒否し、制度の廃止を求めています。
現在、政党助成金の導入時に約束された企業・団体献金の廃止は反故にされ、税金も、企業・団体献金もという二重取りが続いています。
国民の要求をくみ上げ、政策をつくり、支持を訴えるのが、政党・政治家の活動です。そして、政治資金は「“国民”の浄財」=個人献金によってまかなうことこそが、国民主権、民主主義をつらぬく道だと考えます。