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憲昭からの発信

憲昭からの発信 − 論文・対談

「財界……変貌する実態」日本共産党衆議院議員佐々木憲昭さんに聞く≪第1回≫

『民主青年新聞』4回連載
連載1回目(2007年10月22日号)

政治のうごきの背景をつかむために

 派遣、「請負」の急増、消費税増税のうごき−−政府・自民党がすすめる「構造改革」を背後でささえているのが経済団体や経営者の集まりである財界です。財界とは何か、何をねらっているのか、日本共産党の佐々木憲昭さんに聞きました。(4回連載)


◆財界の「改革」案の実行をもとめる
 そもそも財界とは、政治や経済にはたらきかけるために企業や経営者がつくっている団体やグループのことです。
 日本で一番大きな財界団体で、“財界総本山”とも言われているのが日本経団連です。日本経団連は、いまから5年前、旧経団連と日経連の2つの経済団体が合同してつくられました。これは、財界のなかでも一番力をもっている総合経済団体です。結成当時、奥田碩会長(トヨタ自動車会長)は、「経済団体の本来の役割は、企業が活力を最大限発揮するための基盤の整備のためにある」と言っています。つまり政治にたいして経済界の声を一つにして、自分たちの「改革」案を提案し、実行をもとめるところにその役割があるとのべています。
 財界による政治へのはたらきかけが、よりストレートに実行されるようになったのは、小泉内閣以降です。財界は、大企業の利益を最大限追求するため、法人税のいっそうの引き下げ、外国との輸出入の際に払う関税の引き下げ、労働者を守る法律を緩和して低賃金・非正規雇用をふやす。……こうした要望を政治に押しつけてきました。
 その結果、国民はそのしわ寄せを受け、所得税・住民税の大増税をはじめ、社会保障の切り捨てや負担増が押しつけられてきました。
 いま、貧困と格差がひろがり、非正規雇用がかつてなく増大するもとで、「ネットカフェ難民」などがうまれています。その背景に、このような財界の政治にたいする直接支配があります。「構造改革」とは、このような財界の意向を推進する路線なのです。
 近年、財界は憲法改悪を主張するようになり、海外派兵の旗を振るようになったことは、とりわけ重大なことです。
 これらの危険な政策がなぜ出てくるのか、それをみる上で、背後で大きな力を発揮しいている財界のうごきをつかむことが大事です。
◆「構造改革」路線をすすめるために
 7月の参院選では、安倍内閣が大敗し、財界がもとめる「構造改革」路線に国民が「ノー」の審判を下しました。その結果、国会では参議院で与野党の議席が逆転するという状況がつくられました。さらに安倍内閣が退陣し、福田内閣が発足しました。福田首相も「構造改革」路線の推進をめざしている点では、これまでと基本的に変わりません。しかし、それが行き詰まっていることも事実です。
 財界は、この状況のもとで、民主党への影響力をつよめようとしています。日本経団連政治対策委員長の大橋光夫氏(昭和電工会長)は、「(民主党の)いまの政策のままならば、箸にも棒にもかからない」「小沢代表は、市場主義重視の政治家だったが、にわかに変わった」と批判した上で、今後「民主党の若手と経済人はもっと接近した方がいい」「現実路線に修正するならば、民主への献金額を増やす企業も出てくるだろう」(「朝日」8月4日付)とのべています。
 これからの政治が、このような財界の動きでどうなるのか。国民の要求にこたえる方向に政治を転換することができるのか、いま、鋭く問われています。(つづく)


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