憲昭からの発信
憲昭からの発信 − 寄稿文
【07.10.25】“大企業減税”こそただし6.6兆円に充てるべき名タイ
「名古屋タイムス」『政論紙上バトル 愛知の国会議員が斬る』
愛知選出の若手・中堅国会議員による連載コラム
2007年10月25日
10月23日の財務金融委員会で、私は「税制の抜本改革をいうなら、法人税減税の見直し、大企業に応分の負担を求めよ」と額賀福志郎財務大臣に迫りました。
先日の経済財政諮問会議に御手洗冨士夫キヤノン会長(日本経団連会長)ら4人の民間議員が示した財政試算で、2011年度に国の基礎的財政収支を黒字化するために「最大で6.6兆円の増税が必要だ」としているからです。
2011年度に国と地方の基礎的財政収支を黒字化する目標について、名目経済成長率を3.0%から2.2%に下げるなど前提を変えると、最大で6兆6000億円の増税が必要とされます。それを、すべて消費税と所得税でまかなうと試算しているのです。
第一に、成長率を下げて試算していること自体が、意図的です。
第二に、なぜすべて消費税・所得税なのでしょうか。法人税の試算はなぜしないのでしょう。すべて法人税でまかなうと、どのような試算になるのでしょうか。それを、なぜ出さないのでしょう。
しかも、2011年度に基礎的財政収支の黒字化を達成した後、国債など債務残高の対名目国内総生産(GDP)比を上げないためには、25年度までに合計で8兆2000億〜28兆7000億円の増税が必要になるとの試算も示しています。
私は、「増税は消費税と所得税で全部まかなうと書いてある。なぜ法人税が入っていないのか」「税制の抜本的改革というなら法人税の応分の負担も考えよ」と額賀大臣をただしました。
額賀財務大臣は、企業が利益をあげることで「消費者も安定した所得を得、経済が活性化していく。バランスをとって考えていかなければならない」と答え、ゆきすぎた大企業減税を「合理化」しました。
私は、「大企業は空前の利益をあげているが、労働者の賃金は全然上がっていない」と強調。「この中で、消費税ばかりあげようというのはおかしい」と迫り、大企業減税の是正を求めました。
さらに、私は株式投資で大儲けをあげる大資産家に恩恵をもたらす証券優遇税制について、「証券業界や特定の階層の利益だけにつながる減税は、昨年の与党方針にも書いてある通り、08年度でやめよ」と求めました。
渡辺善美金融担当大臣は「この税制は、ぜひ要望を続ける」と述べましたが、額賀大臣は市場の動向などを「総合的に考えながら結論を出す」と答えました。
これまでのように大企業と大資産家ばかり優遇し、庶民に負担ばかり負わせる逆立ちした税制は、根本的に改革しなければなりません。