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メールマガジンバックナンバー

第507号☆3月17日 政治の春はまだまだ先のようです…

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  日本共産党 衆議院議員 佐々木憲昭の
*--*--*--* 憲 昭 e た よ り *--*--*--* 2013/3/17 第507号
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 ◇◆本人がつづる今週の一言◆◇

 メルマガ読者の皆さん、こんばんは。佐々木憲昭です。

 暖かさと寒さを繰り返しているうちに、春らしくなってきました。お変わりありませんか。昨日は、東京で桜の開花宣言が出されました。これから、いよいよ春爛漫の季節を迎えようとしています。

 でも、政治の春はまだまだ先のようです。安倍内閣が、冷たい風を吹かせているからでしょうか。
 先週末、安倍総理はTPP交渉参加を表明し、国民の中に衝撃が広がりました。記者会見を聞いていると、TPPに参加すれば、すべてうまくいくと言わんばかりでした。以前、小泉さんが「郵政を民営化すればすべてうまくいく」と言いましたが、安倍さんの言い方もどこか似てきたようです。しかし、TPPへの参加がもたらす被害の大きさと広がりは、郵政民営化の比ではありません。
 交渉参加宣言の15日に公表された内閣官房の「関税撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算」というのがあります。これは、関税撤廃の影響だけを見たものですが、それでも、試算対象にした農林水産物33品目の生産額(7兆1000億円)のうち、実に約3兆円が失われるとしているのです。そして、食糧自給率はいまの40%から27%に低下します。
 安倍さんは「守るべきものは守る」と言いますが、参加すれば「守るべきものも守れず」「美しい田園風景」も失われてしまうことは明らかです。
 非関税障壁の撤廃も重大です。私が特にひどいと思ったのはISD条項です。これは、たとえば、ある国が国民の健康と安全のために設定した基準に対して、多国籍企業が「不利益を被った」と、その国を相手どって提訴できるという仕組みです。企業の訴えが認められると、国がその企業に対して「損害」分を支払わなければならなくなり、その安全基準も撤廃せざるをえなくなるといわれています。国家主権の上に多国籍企業の利益を置く……このような仕組みは、どう考えても真っ当なものではありません。
 しかも、先に参加している国々がすでに決めたルールを変更することもできません。こうなると、アメリカが作ったルールを受け入れるしかないではありませんか。――今からでも遅くありません。交渉参加宣言を撤回すべきです。

 先週は、安倍総理や麻生財務大臣に質問しました。
 私が本会議で安倍総理にただしたのは、消費税は増税分で13.5兆円、さらに年金、医療、介護など社会保障の負担増も合わせると、負担増は20兆円に及びます。これは、GDP=国内総生産の6割を占める家計消費に重大な打撃となります。
 この計画を変更せず、このまま国民の可処分所得を減らし続けるなら、内需をいっそう低迷させてしまいます。そのため、「2%の物価上昇率達成」を理由に、金融緩和とともに不要・不急の大型公共事業を、ますます拡大せざるをえなくなります。
 GDPの約60%を占める家計を冷やしながら、4%の公共事業を増やしても効果がありません。そうなると、政府はますます大規模な公共事業の拡大に走り、多額の国債を発行します。まさに悪循環です。
 膨れあがった国債を、市中消化できなくなれば、事実上、日銀が大量に引き受けざるをえなくなるでしょう。そるなると、財政規律を失って過剰な通貨供給を招くことになります。そして、通貨価値の下落に伴う悪性のインフレーションを呼び込むことになってしまいます。
 危険なのは、不況下での物価上昇、すなわちスタグフレーションへの道です。この道は絶対に歩んではなりません。政府がなすべきは、家計を直接暖める政策への転換です。

 明日から一週間、財金委で2回の質問、議運委で2回の質問。――怒濤のような忙しさが続きます。

 ◇◆今週の「奮戦記」より◆◇

 インフレターゲットは「悪夢」を呼び込む危険な道
                (「奮戦記」13.03.11より)

 「インフレターゲット(物価上昇目標)を2%に設定する」ことをめぐって、さまざまな議論がありますが、ここで「物価上昇」とは何かをきちんと考えなければなりません。
 物価上昇には、大きく言って2つの面があります。
 1つは、需要が供給を超えて伸びることによって物価が上がるという現象です。たとえば、キャベツが不作で値上がりするようなことです。
 2つ目は、通貨が過剰に供給され、それが流通必要量を超えたため通貨の値打ちが下がり、そのことによって名目的に物価が上昇するという現象です。これが、通常の物価上昇とは区別されるインフレーションです(いまの管理通貨制度のもとで起こり得る現象)。

 安倍内閣が「インフレターゲット」「インフレ」という場合、この2つの現象を区別していないのが特徴です。安倍さんは、どのようにして2%の物価上昇目標を達成するのしょうか。
 1つ目の方法で達成しようとすると、国内の需要を大いに高めなければなりません。
 そのためには、GDP(国内総生産)の6割を占める家計消費を増加させなければなりません。賃金を大幅に引き上げ、年金・医療・介護などの負担を大幅に軽減し、消費税増税を中止するなど、これまでの政策を根本的に転換し“大胆な家計支援策”を実施しなければなりません。しかし、安倍さんはそれをやるつもりはないようです。
 安倍さんは、公共投資を拡大することによって、需要を喚起することを考えているようです。ところが、公共投資がGDPに占める比率は、わずか4%程度でしかありません。いくら増やしても限度があります。
 需要を喚起する1つ目の方法では、2%目標は達成できないことは明らかです。
 達成できなければどうなるでしょう。ずるずると大型公共事業を無制限に拡大することになるでしょう。そのために多額の国債発行を続けなければなりません。
 それが、市中だけで消化できなくなると、事実上、日銀が引き受けることになってしまいます。そうなったら歯止めがなくなり、財政規律を失うことになるでしょう。
 戦争中の戦費調達のために、政府が日銀を支配下に置いて国債を無制限に発行し引き受けさせたあの道を繰り返すことになりはしないでしょうか。それが、戦後の大インフレーションを引きおこし、庶民生活をどん底に突き落としたのです。国民生活の犠牲によって、国の借金はチャラになりました。
 これが、流通に必要な量を超えて通貨が過剰に供給されて通貨価値が下がり物価が上昇するインフレーションという2つ目の道であり、たいへん危険な道です。
 安倍さんは、過度な物価上昇には歯止めをかけるかのように言いますが、いまの政治の動きを見ていると、あの“悪夢”が再び繰り返されようとしているように思えてなりません。 

≪日々の奮戦記はこちらから≫
【13.03.17】静岡県磐田市の日本共産党演説会で国政報告
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/130317-212648.html
【13.03.14】衆院本会議で国税法案に対して安倍総理に質問しました
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/130314-171334.html
【13.03.11】インフレターゲットは「悪夢」を呼び込む危険な道
 → http://www.sasaki-kensho.jp/hunsenki/130311-205908.html

◎「憲昭eたより」のバックナンバーはこちらでご覧いただけます。
 → http://www.sasaki-kensho.jp/magazine/

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