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国会での活動

国会での活動 − 国会質問医療・介護・年金・障害者金権・腐敗政治雇用・労働財政(予算・公共事業)税制(庶民増税・徴税)

【14.02.03】大企業に20兆円減税、庶民に8兆円増税、復興税の不公平、「好循環」は財界・自民へ

   2014年2月3日、佐々木憲昭議員は予算委員会で質問に立ち、国民に増税を押し付ける一方で企業には大減税をふるまう不公平をただすとともに、法人税を下げれば賃上げにつながるという「トリクルダウン」の考えは破綻していると述べ、消費税増税は中止し家計応援の政策へ転換することを、安倍晋三総理大臣に求めました。

 安倍政権は東日本大震災からの復興の財源を確保する企業向けの復興特別法人税を4月から1年前倒し廃止する一方、個人への復興特別所得税は継続。国民には25年間で約8兆円の増税なのに対し、企業向けには、この25年間で約20兆円の減税が恒久的に実行されます。

 佐々木議員は「復興のためにみんなで分かち合うといいながら、国民には増税、大企業には減税というのは、公平・公正とはいえない」と指摘。安倍総理は「法人税と所得税はまったく別」などと問題をそらしました。
 佐々木議員は、復興のためという点では同じだと指摘し、「法人税減税を言い出したのは財界だ。誰に向けて政治をやっているのか」と反論。安倍政権が財界の要求を受け、現状でも実質負担率が21%にすぎない法人税率のさらなる引き下げを狙っていることを批判しました。

   「法人税を減税したら賃上げにつながるのか」と述べた佐々木議員。
 減税分は企業の内部留保などの積み増しに回すが30%にのぼり、基本給の引き上げは9%にとどまるとするアンケート結果などを示し、今政府が一番力を入れるべきは、(1)低賃金で不安定な雇用を増やしてきた労働法制の改正(2)中小企業への直接支援で最低賃金を底上げする―ことだと迫りました。
 麻生太郎財務大臣は「景気がいいから賃金が上がると、そんな簡単なものではない」と大企業の収益を増やすだけでは賃上げに結びつかないことを認めました。

 佐々木議員は、物価高騰に賃金上昇が追いつかない現状、社会保障の負担増にあえぐ高齢者や、消費税の価格転嫁ができない中小企業の実態を首相に告発。
 4月からの消費税増税を中止し、経済政策の基本を、家計を応援する内容に切り替えるべきだと主張しました。

論戦ハイライト(しんぶん赤旗より)

2014年2月4日(火)
「好循環」は財界・自民 国民には賃金低下・増税
佐々木議員の質問 衆院予算委


 3日の衆院予算委員会で質問にたった日本共産党の佐々木憲昭議員。国民に大負担を強いる一方、減税で財界を応援する安倍内閣の姿勢について「『好循環』は財界と自民党の間だけで国民の方は悪循環だ」と批判。家計を応援する経済政策への転換を求めました。

法人税減
佐々木「賃上げにはつながらない」
首 相 企業任せの姿勢を示す


 法人税を減税しても賃上げにはつながらない―。佐々木氏は、こう述べ、安倍首相の経済政策を批判しました。
 佐々木氏は、麻生太郎財務相が記者会見(昨年9月20日)で、法人税引き下げ分を賃金に回すことを「企業が約束しますといって本当にするでしょうか。まずしません」と断言したことを指摘。法人減税分の使い道をたずねたロイター調査でも、「内部留保」積み増しと答えた企業が30%、「賃金」にまわすと答えた企業は、わずか5%だったことをあげ、追及しました。

佐々木 麻生大臣の見解は今でも同じか。
財務相 日本は市場経済。政府が命令したからきちんとやるという簡単な話じゃない。

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 佐々木氏は、内閣府もボーナスの伸びが一部企業にとどまっていると認め、NHK調査では基本給引き上げと答えた企業は9%にすぎないと指摘。法人税率の引き下げが賃金に回らず、内部留保の積み上げとなっているデータを示し、「大企業が利益をあげたら、下請けや労働者にもおこぼれがあるだろうという、上から目線の『トリクルダウン』という発想はすでに破たんしている」と批判しました。
 安倍首相は「デフレなら、(企業は)投資よりもキャッシュを持っていたほうがいい。だから、デフレから脱却して早く投資する状況をつくる」「麻生さんのように(賃上げに)疑い深い人もいるから、(昨年12月の)政労使会議で文書で(賃上げの)努力をすると書いてもらった」と、企業任せの姿勢を示しました。
 佐々木氏は、政府が力を入れるべき政策は(1)低賃金で不安定な非正規雇用を増やしてきた労働法制の改正(2)中小企業への直接支援を行い、最低賃金を底上げすることだと提案しました。

消費税増
佐々木「中小業者は転嫁できない」
首 相「万全の対策」と現実直視せず


 つぎに佐々木氏が追及した問題は、「賃金の伸びが物価上昇に追いつくのか」です。
 指摘したのは、生活に欠かせない公共料金が上昇しそれが物価全体を押し上げ一方で給与総額は18カ月連続して対前年比マイナス、実質賃金(物価上昇分を考慮)も昨年7月からマイナスが続いている現実です。

佐々木 消費税増税でいっそう大変なことになる。社会保険料負担もふえ、4〜5%程度の賃上げがなければサラリーマンの可処分所得(家計消費にあてる部分)が低下する。

 影響はサラリーマンだけではありません。中小企業は、原材料価格の上昇分を価格に転嫁できていません。日本商工会議所の「早期景気観測調査」(2013年11月)によると「ほとんど転嫁できていない」企業が6割に達する深刻さです。

佐々木 転嫁できない場合、誰が負担するのか。
首相 万全の転嫁対策に努めたい。

 現実を直視せず答えようとしない首相らにたいして、佐々木氏は「(転嫁できない業者が)身銭を切るんですよ」と一喝しました。
 「度重なる原材料の値上げに苦しんできた。お客さんの財布のひもは固く、怖くて値上げできない」(喫茶店経営者)―価格に転嫁できず、廃業を視野に入れる中小業者の悲痛な声を突きつけました。

 消費税増税と社会保険料などの負担増は、年金が減額されている高齢者にも容赦なく襲いかかります。
 「100円でも安くと、あちこちの店の価格を調べ、家計の負担を少なくしています。消費税が上がれば、財布のひもを締めるしかない」(愛知県豊川市・60歳代)。佐々木氏に届いた切実な声を示し、政治姿勢の根本転換を迫りました。

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佐々木 庶民から(増税で)取り上げ、大企業には減税し、その大企業から献金を受ける。「好循環」というが、金が回るのは財界と自民党の間だけだ。4月からの消費税増税をやめ、家計を応援する政策への転換を求める。

税の公平
佐々木「どちら向いた政治か」
首 相「経団連に言われてやっていない」


 佐々木氏は、安倍晋三首相が打ち出した復興特別法人税の廃止について、「公平・公正」を定めた税制の原則に反すると追及しました。
 復興特別法人税は、まず実質5%の法人減税を恒久的に行ったうえ、3年間に限って同額の復興特別法人税を課すとして導入されたもので、企業に実質的な負担はありません。その上、安倍政権は、復興特別法人税をさらに1年前倒しで廃止して年8000億円の減税を恒久的に行おうとしています。
 佐々木氏は、復興特別法人税が廃止される一方、個人には25年間も復興特別所得税が課されると指摘。同じ25年で比べると、個人が8兆円の増税になるのに対し、企業は20兆円の減税になると追及しました。

佐々木 これのどこが「公平・公正」か。
首相 法人税と、所得税・住民税は別の種類の税金で、法人対国民という対立構造が存在するかのような議論はおかしい。
佐々木 復興のためという目的は同じなのに、国民だけが負担するのを当たり前のようにいう。誰にそんなことを言われたのか。

 こう反論した佐々木氏。日本経団連が「大企業には増税にならないように」とか、その期間をできるだけ短く「3年以内にすべき」と要望していたことを指摘しました。そのうえ日本経団連は法人実効税率のさらなる引き下げを求め、安倍首相がダボス会議(1月)で「本年さらなる法人税改革に着手します」と発言していることを指摘しました。

佐々木 いったいどちらを向いて政治をしているのか。安倍内閣は結局、財界・大企業の要望を受け入れ、そのまま実行している。
首相 経団連に言われて、やっているのではない。

 言い訳に終始する首相。佐々木氏は、日本の法人税が高いという説明も批判しました。連結納税制度などさまざまな優遇措置がもうけられているため、日本の法人税は基本税率が30%でも実質負担率は21.3%しかありません。佐々木氏は、復興特別法人税の前倒し廃止で基本税率がさらに下げられたら実質負担率は十数%になることを示し、「まともに負担していない法人税をさらに引き下げるなど、とんでもない」と重ねて批判しました。


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