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国会での活動

国会での活動 − 国会質問金融(銀行・保険・証券)

【12.03.27】国会招致 AIJ社長、虚偽報告認める 「私益図り違法」と追及

   2012年3月27日、財務金融委員会は、AIJ投資顧問による巨額の年金資産消失問題について、政府の対応への質疑と、AIJ投資顧問の浅川和彦代表取締役らを招致した参考人質疑を行いました。
 この問題での参考人質疑は、3月14日に続いて行われ、今回は、野中隆史・一般社団法人信託協会会長、前哲夫・日本証券業協会会長、浅川和彦・AIJ投資顧問株式会社代表取締役、西村秀昭・アイティーエム証券株式会社代表取締役、石山勲・株式会社東京年金経済研究所代表取締役が招致されました。

 この日の参考人質疑で、政府が進めてきた規制緩和に乗じて、年金資産を食い物にしてきた実態が浮き彫りになりました。
 質問に立った佐々木憲昭議員は、AIJが租税回避地の英領ケイマン諸島に設立したファンド(投資基金)に資産を投じる仕組みを使って無謀な投資を繰り返し、巨額の年金を消失させた責任を追及しました。
 「ケイマンのファンドに対する英国の大手監査法人の監査報告書を握りつぶし、運用実績を改ざんした虚偽の報告書を作成させた」と指摘すると、浅川氏は、年金資金を水増しさせた虚偽の報告書を公認会計士に「依頼した」と認めました。
 佐々木議員は、「損失が出ている事実を偽って、利益が出ているかのように顧客に報告し、自らの利益を図るのは明らかに違法だ」と批判しました。

   浅川氏は、ケイマン諸島を利用したスキーム(仕組み)は「アイティーエム証券に作ってもらった」と証言。アイティーエム証券と一体で進めてきたことを認めました。
 アイティーエム証券に封書で届くファンドの監査報告書について、アイティーエム証券の西村氏は、「(中身を)見ないで(浅川氏に)持ってくるように言われていた」と証言。「当時、90%以上の株をAIJが握る親子関係だ。いわれたらその通りにやるという状況だった」と語り、損失を隠す手助けをしていたことを事実上認めました。
 佐々木議員は「デリバティブ(金融派生商品)の損を隠して(顧客を)だました罪は極めて大きい」と批判。「徹底した調査とともに、証人喚問で真実を明らかにすべきだ」と求めました。

 また、浅川氏は「私が水増しの数字を(公認会計士に)渡し、作っていただいた」とのべ、運用実績の改ざんを認めました。「だますつもりはなかった」と釈明したものの、「損をしたまま返したくないという責任を感じていた」と元本割れを認識していたことを認めました。

   AIJの実質傘下で販売を担当していたアイティーエム証券の西村秀昭社長と、AIJと顧問契約を結んでいたコンサルタント会社の東京年金経済研究所の石山勲社長も出席。一体で勧誘・販売を担っていたことも鮮明になりました。
 西村氏は「当時は90%以上の(当社)株をAIJ社が握っている親子関係にあった」と説明。「どちらかというと被害者」とのべつつも、「販売に関してはかなり責任がある」と認めました。石山氏も「経理は基本的にAIJ社に任せている」とのべ、AIJと一体の経営を認めました。

 顧客への返金について浅川氏は「ファンド(投資基金)は分別管理されており、その範囲で返す。そのほかをどうするかについては答えられない」、西村氏は「速やかに返金するよう全社員と努力する」と答えるだけでした。
 浅川氏は、年収が約7000万円におよぶことを明かしたものの、弁償へ充てることについては「報酬を多く取ったとか、だまし取ったつもりは全くない」と否定しました。

 また、佐々木議員は、政府への質疑の中で、2007年に金商法改定により規制緩和が監視活動を後退させてきたことと合わさって、今のような事態を招いていると指摘。「根本的に見直す必要がある」と主張しました。


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