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国会での活動

国会での活動 − 国会質問雇用・労働

【06.02.07】予算委で「非正規雇用」について総理に質問

 2006年2月7日、NHK中継があった予算委員会の基本的総括質疑で、佐々木憲昭議員は、増大する非正規雇用と防衛施設庁の談合問題について小泉総理大臣らに質問しました。

派遣・請負労働者給料は正社員の1/3

   佐々木議員は、3人に1人が非正規雇用となり、とくに若者の比率が高いことを示し、「パート、アルバイト、フリーター、派遣・請負労働などがどんどん増えていることが『格差社会』の根本にある」と指摘しました。
 小泉首相は、昨年1月、液晶テレビの生産で有名な家電メーカー・シャープの三重県亀山工場を視察しています。佐々木議員が、亀山工場に「非正規労働者は何割いるか」と質問したのに対して、小泉首相は「わかりません」と答弁。
 佐々木議員は、昨年8月時点で亀山工場の労働者3,300人のうち、6割にあたる2,016人が、請負中心の非正規労働者だと指摘。「6割というのは非常に高い」とのべ、トヨタ、日立など大企業が非正社員を増やしている実態を示しました。
 続いて、佐々木議員は、非正規労働者の募集の状況はどうなっているのかを示しました。駅やコンビニなどにある『フリーペーパー』に載っている派遣や請負の求人広告には「日給9,000円」「月収33万円以上」などと書いてありますが、実態は違います。トヨタグループの孫会社「光洋シーリングテクノ」(徳島市)では、正社員と同じ仕事をしている請負労働者の賃金は3分の1。3カ月の短期雇用で、入社以来8年間で26回更新し、7年たっても賃金が1円もあがっていない例もあります。
 佐々木議員が「こういう事態が広がっているという認識があるのか」とただしたのに対し、川崎二郎厚生労働大臣は、非正規労働の賃金が「そうじて低いということは認める」と答えました。

企業の違法行為罰則なく、野放し

   次に、佐々木議員は派遣・請負業者の違反行為が横行する実態を告発しました。
 都内の事業所を対象とした東京労働局の調査(昨年5月)によると、労働者派遣事業所の81.2%で、業務請負関係事業所では76.5%で、違法行為が横行しています。
 禁止されている建設業への派遣や請負を装って労働者を「貸し出す」偽装請負、派遣先から派遣先にまわす多重派遣など、佐々木議員は「まるで無法地帯だ」と批判しました。
 佐々木議員は、事態の背景に、罰則がないから野放しになり、大手メーカーへの派遣・請負会社間の売り込み競争と大企業の労働コスト削減政策があると追及しました。
 派遣・請負会社作成の売り込み資料には、「(派遣契約の合間に)3ヶ月だけ請負契約をするのは原則違法だが、法律的には違法ではない」との記述さえありました。製造業への1年を超える派遣契約は違法ですが、途中で3カ月だけ請負契約にした後でまた派遣に戻すというものです。これに対して、川崎厚労大臣は「きちっとした指導をしていきたい」と答弁しました。

 次に、佐々木議員は、「受け入れ側の問題もある。派遣先の多くが大手企業だ」と指摘し、大企業の雇用政策を批判しました。
 東京労働局の調査(昨年12月)によれば、派遣・請負労働を受け入れる理由として企業側は「経費が格安」「雇用調整が容易」と答えています。
 しかも大企業ほど請負労働者を多く利用しています。昨年9月の厚生労働省の「派遣労働実態調査」によれば請負労働者がいる事業所は、30人以上100人未満のところは22%、100人以上500人未満のところは53%、500人以上のところは79%です。
 佐々木議員は「こうして大企業の経常利益は近年急速に拡大してバブル期の2倍の水準に達している。その一方で労働者の雇用者報酬は毎年減り続けている。低賃金の非正社員が増えた理由は、このような大企業の雇用政策にあることは明らかではないか」と厳しく指摘しました。
 佐々木議員は、「大手企業は、働く人たちの権利よりも、コスト削減のために低賃金の若者をモノのように使っている」と批判。川崎厚労相は「処遇が働きに合っていない場合がある」と認め、「だんだん正規雇用が増えていくような対策をうっていかなければならない」と答えました。

無法化すすめた政府の規制緩和

   事態が深刻化する大きな原因に、労働者派遣の自由化など政府がすすめてきた労働分野の規制緩和があります。佐々木議員は、正社員から非正社員への置き換えを加速させ労働環境を無法状態化したのが、これまで政府がすすめてきた労働分野の規制緩和だと批判しました。
 04年には労働者派遣法の改悪でそれまで禁止されていた製造業への派遣ができるようになり、99年には民間の有料職業紹介が自由化され、03年の労働基準法改悪によって有期雇用の延長が可能となり、契約社員が増加しています。
 佐々木議員は、非正規労働者を増加させ、劣悪な労働条件においてきた原因である労働の規制緩和が、財界の代表が直接のりこんだ政府の「規制改革・民間開放推進会議」ですすめられ、企業の都合のよい仕組みをつくってきたことを批判。「非正規雇用が増えたのは、政府の政策に原因がある」と問いただしました。
 小泉首相は「正社員」が増えてパートが減っているなどとして、「柔軟性をもった労働環境を整備してきたからではないかと評価されている」とのべました。
 これにたいし、佐々木議員は、正社員が増えているという統計のごまかしを指摘し、最新の総務省の労働力調査では正規社員が昨年より減り、派遣、請負・契約社員など非正規社員は過去最高となっていると反論。「規制緩和ばかりをすすめてきた政策の根本的転換をしなければ違法と雇用不安がまん延し、日本の将来が大変なことになる」と厳しく指摘しました。


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