国会での活動
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【05.10.07】郵政特で小泉総理に「国民は支持していない」と質問
2005年10月7日郵政民営化特別委員会で、佐々木憲昭議員は小泉総理や竹中大臣に質問しました。
小泉総理は、参議院で郵政民営化法案が否決された後、郵政民営化に賛成か反対か国民に聞きたいと、衆議院を解散し、総選挙を行いました。国民の判断を仰ぐ以上、正確な事実をきちんと説明をするというのがフェアなやり方です。
小泉総理は、郵政公社の職員について「行財政改革のために公務員を減らさなければならない、郵政事業の公務員は民間人にすべきだ」と言ってきました。
佐々木議員は「果たして、フェアなやり方だったか」と問い、「郵政公社の公務員を民間人にしたら、それで幾ら税金が節約されるか」と質問。
小泉総理は、「幾らとは、数字はわかりませんけれども、見えない国民負担がある」と答弁。
これに対し、佐々木議員は「直接税金は入っていない。郵政事業は独立採算制で、政府も認めている」事を明らかにしました。さらに、郵政公社の職員には税金は1円も入っていないと、パネルで示し、「税金が入っていないのに、あたかも、税金が入っているかのようなイメージを振りまいてきた」と指摘しました。
また、選挙の結果、議席の上では、自民・公明が過半数を占めましたが、得票率は、小選挙区では、与党と賛成派無所属が49%、野党と反対派無所属などは51%でした。
佐々木議員は「『国民投票』だとしたら、郵政民営化は『否決された』と言えるのではないか」と質問。
これに対して、小泉総理は「比例とあわせると多い」「制度だから仕方ないんですよ」などと開き直りました。
佐々木議員は、比例には反対派の無所属候補が出ていない事、小選挙区に、「刺客」を立て、国民にたいして民営化に「賛成か反対か、意見を聞きたい」と言って選挙をやった結果が49%だった事を指摘。自民党が、小選挙区で4割台の得票にもかかわらず、7割台の議席を得たのは、小選挙区制度のカラクリがあったからで「小選挙区制度が民意をゆがめた、いわば虚構の多数派だ」と主張しました。
次に、佐々木議員は、なぜ国民の半数が郵政民営化法案を支持しなかったかという問題について質問。総理自身も所信表明演説でのべているとおり、国民の中に「民営化によって郵便局がなくなるのではないか、郵便局で貯金や保険を扱わなくなるのではないかという不安」があるからであり「その根拠は、法案そのものの中にある」と指摘。
現在の郵政公社では、すべての郵便局に郵貯・簡保のサービスをあまねく提供する義務があり、郵便貯金にも「あまねく公平に利用させる」という義務づけがあります。
ところが、提案されている民営化法案は、郵便局にも、郵便銀行や簡易保険会社にも、ユニバーサルサービスの義務づけはありません。
佐々木議員は、パネルを示し「義務づけはされていない。これは、法律上、事実か」と質問。
竹中郵政民営化担当大臣は「郵貯、簡保の義務づけをしていないというのは事実でございます」と認めました。その一方「民営化する以上、国の義務づけは行わない。サービスが継続できるような制度設計をしている」と答弁。
佐々木議員は「サービスが行き届くような設計をしていると言うなら、なぜ、はっきり義務づけをすると書かないのか」「結局、個々の郵便局で扱うかどうかは、経営判断になる」と指摘。義務づけがなければ、経営者の判断で、ここは採算がとれない、赤字だから、切り捨ててもいいんだという判断も成り立つ事になります。佐々木議員は「政府案では、郵便貯金、簡易保険の義務づけがなくなる。これが国民の不安を法律上招いている」と指摘しました。
国民が不安を感じること、不利益だということを国民が要求するわけはありません。佐々木議員は金融のユニバーサルサービスを廃止する事を要求したのはアメリカである事を指摘しました。
最後に、佐々木議員は「この法案は直ちに廃案にするしかない」と主張して質問を終わりました。