国会での活動
国会での活動 − 国会質問、医療・介護・年金・障害者
【05.04.22】合同会議で議論 無年金・低年金をどう克服するか
2005年4月22日、年金・社会保障両院合同会議が開かれ、前回に続いて各党一巡の冒頭発言があり、自由討論が行われました。佐々木憲昭議員は、自由討議で消費税増税について発言しました。
各党「消費税増税」“暗黙の前提”
この日の会議でも、他党の発言では、「消費税増税」が当たり前のように出てきていました。
自民党の議員は、「財源を考えると消費税を節度あるかたちで投入すべきだ」「2007年度をめどに消費税を含めた税制の抜本的見直しを行う」ことで国庫負担2分の1の財源を捻出する、などと発言しました。
民主党は、もともと消費税を3%増税すべきだという立場です。「国民からすれば自分のポケットからお金が出て行くのは同じ。保険料、税をどう組み合わせていくのか、安定的な制度をつくるためには税を含めた財源論を議論することは不可避」とのべたり、「次善の策として消費税の活用がある。消費税全体の議論を早くやらなければ」と発言しました。
公明党は、自民党といっしょに増税路線をひた走っているのに、民主党を批判するかたちで、消費税増税は「企業負担を軽減して、国民の家計負担にツケを回す構造にならないか」などと述べました。
佐々木議員 各党の「消費税増税」を厳しく批判
佐々木議員は、各党が消費税大増税を“暗黙の前提”であるかのように述べていることを厳しく批判。
自民党に対しては、「消費税の節度ある形での投入というのは、どのような意味か。2007年度から大増税をするのか」と質問。
民主党に対しては、厚生年金や共済年金の保険料には企業負担があるが、消費税はすべて消費者に転嫁できる大企業の負担はない。国民から見て、同じポケットとはならない」と批判し、「税にしろ保険料にしろ、低所得者・庶民のポケットからとるのか、負担能力のある大企業からとるのかではまったく違う」と指摘しました。
公明党に対しては「民主党批判の論点は当たっているが、では公明党は財源を消費税によらないという立場なのか」と迫りました。
佐々木議員の質問に対して、その後に発言した自民、公明、民主の議員からは、反論も回答もまったくありませんでした。
小池議員 最低保障で底上げ 空洞化解消で提案
自由討議に先立って、各党10分の見解表明が行われ、日本共産党を代表して小池晃・党政策委員長が見解表明をおこないました。
小池議員は現行の年金制度のもとで激増する無年金、低年金の実態を示し、「憲法25条の生存権がないがしろにされている実態をどう打開するのか、責任ある提案が求められる」と提起しました。
小池議員は、年金制度空洞化の深刻な実態を指摘。「無年金・低年金の高齢者の生活をどうするのか、今後無年金者・低年金者が激増する事態の打開が重要な課題だ」と強調し、日本共産党の「最低保障年金制度」に踏み出すことを改めて提案しました。
年金空洞化の深刻な実態 | |
無年金・低年金が激増 |
現在65歳以上で受給権のない無年金者が60万人にのぼる。60歳未満で受給資格のない無年金者が39万人。 |
国民年金保険料未納の拡大 |
国民年金保険料、納付率は63.4%、4割が未納。400万人以上(納付義務者の4人に1人)が2年間1度も納付せず。(02年〜03年度) |
厚生年金の空洞化 |
ピーク時(97年)と03年度の比較
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リストラによる正社員・給与減少 |
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青年の厚生年金加入激減 |
パート・アルバイト、契約、派遣などで働くフリーターが400万人以上。(学生・専業主婦をのぞく)34歳以下の若者の5人に1人がフリーター。平均年収はUFJ総研の推計で106万円。 |
小池議員は、基礎年金の国庫負担を増やして財源に充てる際に現在の3分の1から2分の1に引き上げたとしても、「少ない年金には少ない国庫負担しか入らない」という問題点を指摘。最低保障年金の創設で当面1人月額5万円の国庫負担を「定額」で確保することで「無年金や低年金の方々に国庫負担が重点的に投入され、底上げがはかられる」とのべました。
また小池議員は、最低25年加入しないと年金が受け取れないしくみを改め、受給資格が得られる加入期間を欧米並みの10年程度に短縮することを提案。
保険料の徴収強化しか対策のない与党に対し「少しでも保険料を納めれば最低保障額に支払った保険料分が上乗せされることで安心と信頼を回復し、保険料の納付意欲を高めることにつながる」とのべました。
さらに、小池議員は、14日の両院合同会議で自民党の津島雄二衆院議員から「最低保障年金のあるイギリスでは保険料を払わなくなり、無年金が増えるといわれている」との発言について反論しました。
小池議員は「イギリスでは公的年金保険料が税と一緒に徴収されるので保険料だけを払わないという事態は起こりにくい。また一定所得水準未満の低所得者は保険料を納めなくてよいので、低所得を理由とする未払いも少ないと考えられる」として、津島氏の批判は当たらないとのべました。