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国会での活動

国会での活動 − 政治経済キーワード平和・憲法

【政治経済キーワード】憲法調査会

2005年4月22日


 憲法調査会は、国会法(第102条の6)にもとづき衆参両院に設置された機関です。「日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行う」ことを目的に2001年1月から活動を続けてきました。
 「5年を目途」とする活動期間が経過したことにより、衆議院の憲法調査会は今年4月15日、最終報告書のとりまとめを行い、衆議院議長に提出しました。参議院でも同じ扱いです。衆議院の最終報告書によると、「論点」ごとに意見の多寡(多数・少数)を明記し、国会で多数の議席を占める勢力の意見が大勢であるかのように扱ったり、今後、憲法調査会を常設化し、9条改憲のための国民投票法案の「起草」や「審査権限」を与えるとの意見を追加するなど、事実上改憲を方向づける内容になっています。

 もともと5年前に設置された憲法調査会は、「広範かつ総合的」に調査を行うことを目的とし、「議案提出権を持たない」「あれこれの結論を求めない」調査任務に限定した機関とされたものです。したがって政党として、あるいは調査会委員として様々な改憲の考えを持っていたとしても、憲法調査会として行う調査や活動は、こうした調査会本来の目的と性格に基づくものでなければならないものです。
 日本共産党は、このような調査会の目的・性格からして、この5年間次のような立場で臨んできました。それは、(1) 日本国憲法の先駆的内容を広範かつ総合的に明らかにする調査、(2) 日本国憲法の基本原則に照らして現実政治の実態を点検する調査、(3) 「押しつけ憲法」論にかかわって改憲論の源流がどこにあるかの歴史的経過を掘り下げる調査――の3点です。
 ところが実際は、調査開始後3年目には、調査会として新しい憲法の概要を示す、5年目には新しい憲法の制定を図る、という発言が出されるなど、改憲を志向する流れのスケジュールに沿う動きに取り巻かれてきました。
 憲法の半世紀を客観的に検証し、憲法の理念と原則がどう実現されているのか、あるいは実現されていないのか、その原因がどこにあるのか――これらの問題への徹底した調査が行われてきたとは言い難い5年間だったのです。
 
 この間全国9カ所での地方公聴会、2回の中央公聴会が開かれ、公募者による意見陳述も行われてきました。このなかで、被爆地である広島地方公聴会では、被爆の苦しみや悲しみ、憎しみを乗り越えて戦争のない平和の喜びをかみしめながら立ち直ることができたのは、世界に冠たる戦争放棄と平和主義をうたった日本国憲法があったから、との陳述が寄せられました。これは一例に過ぎませんが、地方公聴会などで出された意見は、多くの国民が自らの体験を通して日本国憲法の値打ちを実感していることの表れです。

 今回の最終報告書は、このような憲法の持つ先駆性や、「戦争のない世界」をめざすうえでの「9条」のもつ生命力と今日的意義などが反映されたとはいえません。改憲論を誇大に描く報告書で「9条」改憲の方向に世論誘導することは許されません。憲法調査会は、今回の最終報告書の提出によって、5年間の調査・活動をすべて終了しました。今後、憲法調査会は常設機関化するのでなく、ただちに幕を閉じるべきです。

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