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国会での活動

国会での活動 − 国会質問その他税制(庶民増税・徴税)

【05.02.28】生産緑地指定で農家応援、条件緩和求める

   2005年2月28日予算委員会第6分科会で、佐々木憲昭議員は、防災無線の問題、自治体合併によって農地への重税問題について、島村農林水産大臣に質問しました。

 清水市と旧静岡市が合併し、新しい静岡市になり、政令市になりました。政令市では、市街化区域内の農地にたいして、宅地並み課税が適用されます。
 対象になる農家の戸数と面積は、3497戸、808ヘクタールという膨大な数にのぼります。
 この農家に、宅地並み課税がそのまま適用されると、税収はたいへんな額になります。
 農家からは、「これでは農業はやっていけない」という声があがっています。

   佐々木議員は、この問題をとりあげ、「急に都市化が進んだわけでも、地価が上がったわけではない。いつもと同じような条件のもとで農業をやっていて、ただ行政が勝手に合併して政令市になっただけなのに、3倍から7倍の固定資産税になるのはおかしいではないか」と質問しました。

   これにたいして、島村大臣は「合併によっただけで奈落の底に突き落とされるような農家の気持ちはわかる」と答えながら、「原則として宅地並み課税はやむを得ないが、定規でひっぱったようなやり方でなく配慮が必要」と述べました。
 生産緑地を都市計画にきちんと位置づけることが必要です。
 佐々木議員は、「生産緑地の指定条件を500平方メートル以上としているのは、厳しすぎる。たとえば、300平方メートル以上に引き下げることを検討すべきではないか」と質問すると、島村農水大臣は、それもふくめて「今後検討する」と答えました。

「しんぶん赤旗」2005年3月7日付より

自治体合併で農地に重税 静岡市にみる 3〜7倍に 「わかっていれば…」
 市町村合併による農地への重税問題が深刻化しています。市街化区域内農地に宅地並みの固定資産税・都市計画税が適用され、従来の数倍から百倍を超える課税となるからです。消費者に近い利点を生かした農業は続けられず、災害に強い環境づくりもできません。日本共産党は、農地並み課税となる生産緑地の指定を拡大しようと運動しています。
 静岡市は、2003年4月に清水市と合併しました。05年4月に政令指定都市に移行することになっています。
 この合併によって、市街化区域内にある農地の宅地並み課税が問題となっています。
 「私たち農家には、合併のときは何も話がなく、宅地並み課税となると聞いたのは昨年(04年)だった。わかっていれば、合併問題はもっと議論になったはずだ」
 旧清水市の袖師(そでし)地区に市街化区域の農地をもつ矢入静夫さん(56)は、宅地並み課税を隠した自治体の合併を批判します。
 政令市(4月)に移行すると、三大都市圏(首都圏、中部圏、関西圏)のなかで“優先的に開発する区域”と位置づけられます。
 静岡市は、市街化区域内に800ヘクタール余りの広い農地があります。宅地並み課税になると、従来の3―7倍の課税に跳ね上がります。4年間は段階的に上がっていく負担調整があるものの、5年目は周辺の宅地と同じ税額となってしまいます。
 それだけではありません。資産が多いと高くなる「資産割」で計算する国民健康保険料や介護保険料の大幅値上げにもつながります。
 日本共産党の西ヶ谷忠夫市議(団長)は、農地の宅地並み課税問題を議会で取り上げ、公表を遅らせた小嶋善吉市長と市当局の責任を追及しました。市民には「議会だより」で実情を報告。県農民連や課税対象になる農地をもつ農家は、市役所につめかけました。
 この結果、同市は5年間に限り、宅地並み課税負担の差額の8割を補助する「支援策」を打ち出しました。しかし宅地並み課税は実施します。
 矢入さんは、この支援策では農地は守れないと思っています。6年後は大幅増税になります。国保料や介護保険料への負担軽減もありません。「市がおこなった説明会で、私は現状の負担にとどめる施策を要求したが、市長は聞き流した」といいます。
 静岡市では20日告示で、合併後初の市議選があります。
 矢入さんは、日本共産党が生産緑地を幅広く指定する運動をしていることを歓迎します。近所にはイチゴの直売や観光農園をする農家もいます。「農業を続けたいと思う農家によびかけて、要求をもとに、市政を変える運動をしていきたい」と話します。
 静岡市と合併予定の由比町と蒲原町は、農地の宅地並み課税問題が明らかになり、合併反対の声が強くなっています。
 由比町では160倍から180倍の重税になります。
 するが農協は「農業振興の立場から、組合員の営農を支援するため、宅地並み課税は断固阻止していかなければなりません」と運動。町が合併の調印をしましたが、その後、議会が否決しています。
 平均150倍に上がる蒲原町でも、住民投票で6割が反対しています。
農地の宅地並み課税
 都市計画で市街化区域に組み込まれた農地は、農業をしていても宅地並みの高い固定資産税や都市計画税が課せられます。一般市の市街化区域農地は、宅地並み評価をしたうえで当初は農地課税程度ですが、宅地並みまで次第に高くなります。首都、中部、関西の三大都市圏で指定された二百余の特定市では、すぐに宅地並み課税です。これに対し、「重税はおかしい」「都市に農業が必要だ」との運動がおこり、一定要件のもとで農地課税となる「生産緑地」制度ができています。
差額援助を提案 共産党市議団
 日本共産党静岡市議団は、市街化区域内の農地を守り「農地と農業をいかしたまちづくり」の提案を発表(2月8日)。生産緑地の指定を積極的にすすめます。小規模の農地でも、当面十年間は宅地並み課税との差額は保険料分も含め、市が全額負担します。
 また市独自の野菜価格保障、地元の農畜産物を学校給食や病院などに利用し、産直や直売所の支援をおこなうなど、農業を積極的に都市づくりに位置づけています。
生産緑地指定で農家応援 条件の緩和求める
 日本共産党の佐々木憲昭衆院議員は、2月28日の衆院予算委員会で、政令指定都市・静岡市の宅地並み課税問題を取り上げました。
 佐々木氏は「行政が勝手に合併して政令市になっただけなのに、3倍から7倍の固定資産税になるのはおかしい」と指摘し、生産緑地の指定条件を500平方メートルから300平方メートルに引き下げるべきだと追及しました。
 島村農水相は「今後検討する」とのべています。
問われる自治体
 2000年の地方分権一括法の施行で、自治体の判断によって生産緑地の指定、追加指定ができるようになりました。
 東京都では92年の生産緑地の指定以来、追加指定を毎年おこなっています。
 東京都八王子市では、農業委員会が追加指定を建議(意見表明)したこともあり、2月の都市計画決定の際、追加指定を決めました。「30年営農」は指定要件にはしません。農業委員でもある日本共産党の鈴木勇次市議は建議に尽力。農家の希望の聞き取りをおこなった鈴木市議は「高齢化で生産緑地は減る一方。追加指定を希望する農家が多い」といいます。
 国立市では、農地が8メートル道路で分断されていても一団の農地とみなす(通常は6メートル道路)など農地を保全する条件を緩和しています。
 神奈川県相模原市も、面積基準について500平方メートル近くなら受け入れることにしています。防災や生活環境のために生産緑地を重視しています。
「30年営農」でなくても大丈夫
 生産緑地法では、「都市における農地等の適正な保全をはかる」ことを国と自治体の「責務」としています。指定を受けた農地は、農地並みの固定資産税であり、農業が続けられます。
 しかし、この指定には500平方メートルの一団(まとまった)の農地という厳しい基準があります。
 一部の自治体は“30年間農業を続けないと指定できない”と説明してきましたが、30年営農は指定要件ではありません。“30年営農を続けたら、自治体に買い取り申請ができる権利が生まれる”というものです。
 30年たたなくても、「主たる従事者」が農業を続けられず、農地の後継者もいない場合も、自治体に買い取り申請ができます。

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