国会での活動
【04.11.11】衆議院の憲法調査会公聴会で公述人に質問
2004年11月11日憲法調査会の中央公聴会で、佐々木憲昭議員は、浅岡美恵氏(弁護士・気候ネットワーク)、植松治雄氏(日本医師会会長)、暉峻淑子氏(埼玉大学名誉教授)の3人の公述人に質問しました。
最初に、それぞれの立場からの意見陳述がありました。
浅岡氏は、現在の憲法は個人の尊重や幸福追求権を定めた13条、国民の生存権と国の責任を定めた25条など包括的であり先見性があると強調。「環境権実現のためには憲法改正は必要なく、具体的立法こそが求められる」と主張し、「戦争は最悪の環境破壊であり環境権も9条改正で影響を受ける」と9条改悪に反対しました。
植松氏は、人命が軽く扱われていることへの懸念を述べ、医療現場での人権の尊重について指摘し、「国民皆保険制度は今後も堅持すべきだ」と主張しました。また、医師会としてイラク戦争の即時終結を求める決議をあげたことにふれ、「医療者の立場から戦争や武力行使に断固反対する」と述べました。
暉峻氏は、憲法の様々な人権規定は戦争を放棄した9条の規定と表裏一体だと指摘し、自国で人権の保障が行き届いてはじめて国際貢献ができると述べました。また、「勝ち組」「負け組み」と呼ばれ人権が守られていない状況が進んでいる背景には、人権に逆行する軍事大国化の流れがあると述べ、競争による子ども達の「序列化」や「愛国心」の強制・管理教育の強化は、9条改悪の思想とつながっていると批判しました。
その後、各党の代表からの質疑がおこなわれ、日本共産党から佐々木憲昭議員が質問しました。
暉峻氏に対して、佐々木議員が、「イラク戦争は、大義のない不法な戦争だったのに、アメリカは反省もなくファルージャへの無差別攻撃をおこなっている。イラク人を殺戮して自由や民主主義がもたらされるのか」質問すると、暉峻氏はNGO活動の経験に触れながら「軍隊と一緒に人道支援はできない」と述べ、9条改悪の狙いは集団的自衛権の行使であると指摘しました。
植松氏に対しては、「三位一体改革に関する抗議文」で、「憲法25条にもとづいて国民の健康・生命を守るという国の責任を放棄するもの重大な問題である」と指摘している点を確認しました。
浅岡氏には、「憲法というのは、ほんらい人権を保障し国家権力の行使を制限する授権規範だというのが近代立憲主義の基本だと思うがどうか」と質問すると、浅岡氏は「私も、ただいま御指摘いただきましたように考えております」と答えました。