国会での活動
【04.02.12】日歯連に1億4000万円の政治資金虚偽記載の疑い 日歯・日歯連・自民党支部は事実上一体
2004年2月12日、04年度政府予算案の審議がはじまった予算委員会で、佐々木憲昭議員が、イラク派兵にともなう民間技術者派遣について、暮らしと経済の問題について、日歯・日歯連・自民党のゆ着問題について、小泉純一郎総理に質問しました。
佐々木議員は、政治資金規正法違反(虚偽記載)の容疑で強制捜査を受けている日本歯科医師連盟(日歯連)の新たな疑惑を、佐々木憲昭議員が独自調査にもとづいて明らかにしました。
佐々木議員が明らかにした疑惑は、政治資金収支報告書に記載されている日歯連から都道府県連盟への交付金額と、都道府県連盟側が受け取ったと記載されている交付・寄付金とのあいだでの、約1億4000万円にのぼるくい違いです。佐々木議員が、政治資金報告書の虚偽記載にあたるのではないかと指摘したのにたいし、法務省の樋渡利秋刑事局長は、「刑事事件としてとりあげるべき事実があれば、適切に対処する」と答えました。
また佐々木議員は、全国の都道府県の日本歯科医師会、日歯連、日歯自民党支部の代表者、会計責任者、住所を調査し、3つの組織が事実上一体となっている実態を明らかにしました。
日歯連は、自民党の最大のスポンサーです。佐々木議員は調査と厳正な対処を求めました。佐々木議員の調査によると、日歯連は都道府県歯連に約4億5400万円を交付金として支出(2002年収支報告書)。ところが、各都道府県歯連の報告書では、日歯連からの入金は、約3億1500万円しか記載されていませんでした。
佐々木議員は、「少なくとも政治資金報告書の虚偽記載にあたるのではないか」と述べ、調査して厳正に対処するよう要求。法務省の樋渡利秋刑事局長は「刑事事件としてとりあげるべき事実があれば、適切に対処する」と答えました。
佐々木議員は、歯科医師会加入と同時に自動的に歯科医師連盟に加入させられ年間18億円もの日歯連会費が集められる仕組みも指摘。「あまりにも異常だと思わないのか」とただしました。
さらに佐々木議員は、全国の都道府県の日歯と日歯連、日歯自民党支部を調べると、会長も会計責任者も住所もほとんどが同じになっていると指摘。「自民党が大衆団体を下請け化し、組織的にも一体でぐるみ選挙をしていることを証明している。このことをきちんと明らかにすることが日本の政治にとって大事だ」と強調しました。
小泉総理は「歯科医師連盟の問題だ。会員でないから存じない」と無責任な答弁しかできませんでした。
また、佐々木議員は、埼葛歯科医師会(埼玉)の「入会の手引き」を提示。入会の説明には政治団体への加入について書かれていないのに、入会と同時に歯科医師会会費と歯科医師連盟の会費が徴収され、巨額の資金が自動的に集まるしくみを解明しました。
佐々木議員の調査では各都道府県の日歯、日歯連と自民党歯科医師支部の代表者と事務所の住所がすべて同じが24県で、日歯連と自民党支部の代表者と3団体の住所が同じが13都府県あるなど組織、構成人員がほぼ一体化していました。
一方でカネの流れは、自民党の吉田幸弘前衆院議員(愛知3区)の場合、日歯連から2000万円の献金を資金管理団体と政党支部で受け取ったとしながら、日歯連側の収支報告書には献金の記載がなく、政治資金規正法違反の疑いで捜査が進んでいます。
このような金額の食い違いについて佐々木議員は、日歯連と全国の自民党歯科医師支部の収支報告書を調べた結果、日歯連側には記載がないが自民党支部の報告書には日歯連から寄付金を受けた記載がある12県の事例を指摘。逆に日歯連側に支出の記載があり自民党支部に記載がない都県は3つでした。日歯連と都道府県歯連の記載額に1億4000万円もの不一致があることも指摘しました。
佐々木議員は「いったいこれらの資金はどこへ行ったのか、きわめて不明朗だ。自民党に直接関係するところだ」とのべ、政治資金規正法の虚偽記載にあたるのではないかと問いました。法務省の樋渡利秋刑事局長は一般論として「刑事事件として取り上げるべき事柄があれば、法と証拠に基づき適正に対処する」と答弁しました。
日歯、日歯連、自民党支部の一体化ぶりを問題にした質問に対し、小泉総理は「歯科医師会の問題だ」と答弁したため、佐々木議員は「自民党支部と2団体の会長も会計責任者も同じ。しかも同じ事務所だ。こういうやり方で自民党の応援団をさせられている」とのべ、自民党のぐるみ選挙の実態を文書を示し明らかにしました。
愛知県歯科医師連盟と同県歯科医師会の両会長が連名で会員にあてた文書によれば、今夏の参院選で比例代表に自民党の笹井啓史氏(新人)、愛知選挙区に大島慶久参院議員を推薦。大島氏出馬のための予備選で「支援の輪をお一人でも多く確保するため、全会員一丸となりこの予備選挙に取り組んでまいりたい」とげきを飛ばしています。
小泉総理は「会員全部が自民党を応援していると思わない」と答弁。佐々木議員は「大衆団体を下請けに使ったぐるみ選挙は改めるべきだ」と批判しました。
※日歯連政治資金規正法違反事件=日本歯科医師会(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)が提出した政治資金収支報告書に虚偽記載があるとして、東京地検特捜部が2日、日歯連事務所や日歯会長でもある臼田貞夫・日歯連会長の自宅などを強制捜査。容疑は、自民党の吉田幸弘前衆院議員側に00年から02年の3年間に総額1億円を超す献金をしながら2000万円分の記載がない、という政治資金規正法違反です。