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国会での活動

国会での活動 − 国会質問金融(銀行・保険・証券)

【03.06.11】りそな銀行による大口融資先の不良債権化 検査で是正できなかった金融庁の責任は重大

   2003年6月11日、財務金融委員会で、りそな銀行への公的資金投入問題について、午前は参考人質疑、午後には政府に対し質疑が行われました。
 佐々木憲昭議員は、りそな銀行による大口融資先に対する融資が不良債権化し、経営難の要因の1つとなった事実を指摘し、金融庁の検査・監督責任を追及しました。

大口融資先101社のリストを提出するよう要求

   この日午前の参考人質疑の中で、勝田りそな銀行前社長は、特定貸出先への異常な融資の集中が不良債権化したことを明らかにしました。これを受けて、午後の対政府質疑の中で佐々木議員は、りそな銀行の融資実態について、(1)中小企業向け融資の1件平均金額が、要管理先では8億3000万円、破綻懸念先では1億7200万円、破綻先で1億200万円となること、(2)要管理先以下債権の合計の会社数1万1900件、金額2兆7000億円のうち、融資額30億円以上の大口融資先が金額で55.6%を占める一方、件数では0.85%にすぎないことを示し、「非常に少数の会社に巨額の資金が貸し付けられていて、それが問題を起こしている」と指摘。
 「こういう事実について、一体これまでの金融庁の検査では、その事実を掌握していたのか」と金融庁の対応をただしました。
 伊藤達也金融担当副大臣は、「検査の子細な内容については答弁ができない」と答弁を拒否しました。
 佐々木議員は、「検査で把握していなければおかしい。これを把握して是正措置を勧告しているのが当たり前だ」と重ねて金融庁の対応をただしましたが、伊藤副大臣は、「コメントできない」と事実関係を明らかにしませんでした。
 佐々木議員は、「今まで検査は何度もおこなわれてきたのだから、是正されていなければならない」と述べたうえで、是正できなかったことがりそな銀行の「経営健全化計画」のなかに書かれていることを指摘し、「つまり、金融庁の検査がまともに機能していなかったことを証明している」と金融庁の対応を批判しました。佐々木議員は、「金融庁自身の反省はあるのか」とただしましたが、伊藤副大臣の答弁に反省の言葉は一切ありませんでした。
 佐々木議員は、国民の税金2兆円を投入する結果を招いた原因を明らかにする必要があると述べて、不良債権化している大口融資先101社のリストを提出するよう要求しました。この要求については、取り扱いが理事会で協議されることになりました。

小泉内閣の不良債権処理策が「繰延税金資産」を増やした

   佐々木議員は、りそな銀行の繰延税金試算の変化をまとめた資料をこの日の委員会に提出し、小泉内閣の不良債権処理策が繰延税金資産を拡大させてきた事実を示しました。佐々木議員の資料によると、小泉内閣発足直前の2001年3月期には4792億円だった繰延税金資産が、2002年3月期では7092億円へと5割増になっています。都市銀行全体で見ても、4兆円から6兆円へと5割増です。
 佐々木議員は、りそな銀行の有価証券報告書にもとづき、繰延税金資産の増加要因のうち、不良債権処理にともなうものが約半分を占めていることを示し、「繰延税金資産を増やす政策をとっていながら、大きいのはけしからんから厳正にして小さくしなければならないといって内部から締め上げていく。結果としてりそなの事態を招いたのは、どこから考えたって政府の政策によると言わざるを得ない」と小泉内閣の政策を批判しました。


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