国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【03.06.06】「生命保険予定利率引き下げ」法案 金融審議会では引き下げへの反対意見が多数 「了解された」との答弁を繰り返す竹中金融相を批判
2003年6月6日、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、「生命保険予定利率引き下げ法案」の質疑に立ち、金融審議会の議事録にもとづいて、政府が金融審議会の合意もないまま法案を強行しようとしていることを明らかにしました。
金融審議会では、5月12日に予定利率引き下げ問題を審議しており、竹中金融担当大臣は、これまでの法案審議で、「金融審議会で行政が作業を進めることを了とされた」との答弁を繰り返し、法案が社会的認知を得られたものであるかのように説明してきました。
佐々木議員は、前回(6月4日)の質問の際に要求した金融審議会の議事録が資料として金融庁から提出されたことを受けて、議事録を精査すると審議会で賛成意見を述べた委員は2人だけで反対意見が多数だったことを指摘し、「手続き的にも了とされたことになっていないのではないか」と竹中大臣にただしました。
これにたいし竹中大臣が「作業を進めることは了とされた」と答弁したため、佐々木議員は、議事録に基づき審議会のやりとりを紹介。堀内部会長がまとめに入ろうとしたところ、委員から「金融審議会がエンドース(支持)した政策であると言われると困る」との意見が出され、部会長が「ここは結論を出す場ではない」として「事務局がどう動こうと勝手でございますと言われてしまえばそうですけれども」と発言し審議が終わっている経緯を読み上げました。佐々木議員は、「これは行政的な手続きを了としたということではなく、勝手におやり下さいと言うことだ。合意はされていない」と竹中大臣の答弁を批判しました。
佐々木議員は、竹中大臣が「作業の方向としては了とされた」と繰り返したため、審議会の席で河野金融庁信用課長が「与党手続きも進行中であり、行政の責任でそれに対応していかなければならない」と発言していることを示し、「要するに審議会はまとまらない、反対は多数だ、しかし与党の自民党がやれというので勝手にやらせていただくと言うことではないか」と、社会的認知もなく、審議会の合意もなく、国民の多数が反対している法案をあくまで押し通そうという政府・与党の姿勢を批判しました。
また佐々木議員は、審議会のなかで委員から、予定利率を引き下げると解約が増え、新規契約が減るため、損益にマイナス影響が出る心配が大きいとの発言が出ていたことを踏まえ、金融庁が法案の検討に当たってその試算を行ったかどうかをただしました。
金融庁の藤原総務企画局長が「行っていない」と述べたため、佐々木議員は、金融審議会で問題点が指摘されても検討すら行わない金融庁の姿勢を「最初に予定利率引き下げありき、これしかないと言わざるを得ない」と批判し、試算を行い法案審議用の資料として提出するよう要求しました。