国会での活動
【03.04.02】酒販店の転廃業が5年間で2万件超える 酒販免許の規制緩和路線の転換を求める
2003年4月2日、財務金融委員会で、酒税法等一部改正案、酒類小売業者緊急措置法案などの審議が行われました。佐々木憲昭議員は、酒販免許の自由化がすすむなかで小売店の転廃業があいついでいる実態を示し、規制緩和路線の転換を求めました。
佐々木議員は、酒販免許の規制緩和が進むなかで、酒の小売のうち一般酒販店の販売量割合が、1990年度の8割台から2000年度には5割に落ち込む一方で、コンビニとスーパーが1割から3割へと急拡大していることを指摘。さらに全国小売酒販組合中央会の調査で、1998年以降の5年間に、転廃業・倒産が2万4039件、失踪・行方不明者が2547人、自殺者が58人も出ていることを示し、「大変な窮状だ。その原因は規制緩和ではないか」と塩川財務大臣の認識をただしました。
塩川大臣は、酒店の後継者難などに言及しつつ、「規制緩和が一因としてある」と認めました。
佐々木議員は、今年9月の需給調整要件の廃止・販売免許の全面自由化に向けて、ピザチェーンや100円ショップ、レンタルビデオ店、ドラックストア、ホームセンターなどの異業種が続々と新規参入していることを紹介し、「酒屋はいっそう経営が厳しくなり、廃業に拍車がかかるのではないか」と、塩川大臣に、規制緩和路線の転換を求めました。
答弁に立った塩川大臣が、「規制緩和で受益を受けている人もいる。規制緩和は進めていく」と述べたため、佐々木議員は、商店をつぶし町を破壊すれば、日本経済は成り立たなくなると批判しました。
また佐々木議員は、与党提案の酒販小売業者経営適正化法案(過当競争地域で需給調整をおこなうことなどを盛り込んだ時限立法)が、法律の目的で「規制緩和の円滑な推進」をうたっていることについて、「この考えを見直すことが必要ではないか」とただしました。
提案者の自民党・佐藤剛男議員は、規制緩和を前提に「あくまでセーフガードとして提案している」と答弁しました。