2003年04月02日 第156回 通常国会 財務金融委員会 【194】 - 質問
酒販店の転廃業が5年間で2万件超える 酒販免許の規制緩和路線の転換を求める
2003年4月2日、財務金融委員会で、酒税法等一部改正案、酒類小売業者緊急措置法案などの審議が行われました。佐々木憲昭議員は、酒販免許の自由化がすすむなかで小売店の転廃業があいついでいる実態を示し、規制緩和路線の転換を求めました。
佐々木議員は、酒販免許の規制緩和が進むなかで、酒の小売のうち一般酒販店の販売量割合が、1990年度の8割台から2000年度には5割に落ち込む一方で、コンビニとスーパーが1割から3割へと急拡大していることを指摘。さらに全国小売酒販組合中央会の調査で、1998年以降の5年間に、転廃業・倒産が2万4039件、失踪・行方不明者が2547人、自殺者が58人も出ていることを示し、「大変な窮状だ。その原因は規制緩和ではないか」と塩川財務大臣の認識をただしました。
塩川大臣は、酒店の後継者難などに言及しつつ、「規制緩和が一因としてある」と認めました。
佐々木議員は、今年9月の需給調整要件の廃止・販売免許の全面自由化に向けて、ピザチェーンや100円ショップ、レンタルビデオ店、ドラックストア、ホームセンターなどの異業種が続々と新規参入していることを紹介し、「酒屋はいっそう経営が厳しくなり、廃業に拍車がかかるのではないか」と、塩川大臣に、規制緩和路線の転換を求めました。
答弁に立った塩川大臣が、「規制緩和で受益を受けている人もいる。規制緩和は進めていく」と述べたため、佐々木議員は、商店をつぶし町を破壊すれば、日本経済は成り立たなくなると批判しました。
また佐々木議員は、与党提案の酒販小売業者経営適正化法案(過当競争地域で需給調整をおこなうことなどを盛り込んだ時限立法)が、法律の目的で「規制緩和の円滑な推進」をうたっていることについて、「この考えを見直すことが必要ではないか」とただしました。
提案者の自民党・佐藤剛男議員は、規制緩和を前提に「あくまでセーフガードとして提案している」と答弁しました。
議事録
○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
まず、酒の小売免許の規制緩和についてお聞きをしたいと思います。
90年代を通じまして規制緩和が進められまして、特に98年の規制緩和推進3カ年計画、これで決定的になったわけであります。2001年1月に距離基準が廃止され、いよいよことし9月には人口基準まで廃止される。町の酒屋さんへの影響は極めて甚大であります。
そこで、実態からまず確認をしたいのですけれども、1991年以降の10年間で、酒の小売業者は、一般小売店販売場数で、91年の13万1千から2001年の14万6千へと1万5千場増加しております。国税庁の資料では、距離基準の廃止が始まった98年以後2002年までの4年間で、実に1万場以上もふえているわけです。出店ラッシュという状況であります。配付資料を見ていただければ明らかなように、免許付与はこの10年間で2万7396件、その一方、取り消し、消滅が1万6754件発生しております。規制緩和によって消滅しているのは、主には零細な小売業者であります町の酒屋さんではないかと思うわけです。
そこで、数字をお聞きしたいんですけれども、国税庁に、この10年間で販売小売業者全体の中の一般小売店の推移、販売場数と販売数量、これを示していただきたいと思います。
○福田政府参考人(国税庁次長兼長官官房審議官事務代理) 御指摘のように、国税庁におきまして、酒類小売業者の経営実態調査を5年に一度行っているところであります。
ただ、この実態調査につきましては、年度ごとの回収率に差がございますので単純に比較することはできませんが、この調査によりますと、酒類小売販売場全体のうちに一般酒販店の販売場数が占める割合について申し上げますと、90年度、平成2年度と、2000年度と比較いたしますと、90年度の87・7%に対しまして、2000年度では69・8%となっております。それから、酒類販売数量全体のうち一般酒店における酒類販売数量が占める割合につきましては、90年度の83・3%に対しまして、2000年度では55・1%となっております。
○佐々木(憲)委員 規制緩和が本格化する前には、販売場数、数量とも、一般小売店が8割以上であります。その大多数が町の酒屋さんでありました。それが今では、数量で5割少し超えたところまで落ち込んでいるわけですね。この統計の一般小売店の中にはディスカウントストアも含まれておりますので、純粋に個人の商店、町の酒屋さんはその比率以下でありまして、大変重大な危機的状況にあるわけです。
その一方で、コンビニあるいはスーパー、これは数字はどうなっているか、同じ販売場数、数量で示していただきたいと思います。
○福田政府参考人 お答えを申し上げます。
先ほど申し上げました実態調査によりますと、酒類小売販売場全体のうち、コンビニエンスストア並びにスーパーマーケットのそれぞれが占める販売場数の割合につきまして、1990年度、平成2年度と、2000年度、平成12年度を比較いたしますと、コンビニエンスストアにつきましては、1990年度の7・7%に対しまして、2000年度では16・9%となっております。また、スーパーマーケットにつきましては、1990年度の0・9%に対しまして、2000年度では7・2%となっております。
また、酒類販売数量全体のうち、コンビニエンスストア並びにスーパーマーケットそれぞれにおける酒類販売数量が占める割合につきましては、コンビニエンスストアにつきましては、90年度の10・4%に対しまして、2000年度では11・7%となっております。また、スーパーマーケットにつきましては、90年度の1・9%に対しまして、2000年度では18・8%となっております。
○佐々木(憲)委員 今、ちょっと細かな数字を出していただいたんですが、コンビニとスーパーを合わせますと、販売場数でいいますと、8・6%だったのが24・1%と、大変なふえ方であります。また、量でいいますと、12・3%だったのが30・5%と、大変なふえ方であります。ですから、規制緩和で急拡大しているのは明らかにコンビニとスーパーということになるわけであります。
業界紙の酒販ニュースによりますと、実態調査の結果が、昨年の11月1日号、ここで紹介されておりますが、昨年の8月、9月時点で、スーパー43社の平均免許店比率、これは67・2%、つまり前年同月比で7・2ポイントの増加。コンビニエンスストアは、13社すべてで過半数の店が酒あり店、酒があります、こういう店になっております。平均免許店比率は65・9%にコンビニの場合なっているわけですね。ですから、免許店の過密状態というのが現在の状況だと報じているわけです。その結果として、町の酒屋さんがどんどんつぶれるという状況でございます。
配付した資料の2枚目を見ていただきたいんですけれども、これは全国小売酒販組合中央会の調べでございまして、人口基準の緩和が始まる98年3月31日の閣議決定以降ことし2月末までの小売業者の窮状をあらわしたものでございます。これを見ますと、転廃業、倒産数、2万4039件、大変な数でございます。あるいは、失踪、行方不明者は2547人、自殺者が58人、こういう大変な痛ましい状況が出ているわけであります。
塩川財務大臣にお伺いしますけれども、こういう中小の、特に町の酒屋さんの窮状というのは大変な状況でありまして、この理由としては規制緩和というものが閣議決定されて、加速されているんだと私は思うんですけれども、大臣は、この規制緩和が大きな要因になっているということはお認めになりますか。
○塩川財務大臣 これは、規制緩和も一つの大きい要因であったかもわかりませんけれども、そうではなくして、私聞いておりますのは、やはり、経営者がお年寄りであって、商売に、営業についていけないというような状態が多いとか、あるいはまた相続がつかない事情で廃業しなきゃならぬとか、そういう状況等がやはりそこに絡んでおるように思っております。いずれにしても、そういう問題が起こったきっかけは、一つは規制緩和ということからいろいろなそういう家族問題あるいは営業問題が起こってきたこと、これは確かに一因としてあると思っております。
○佐々木(憲)委員 定足数に達していないようですね。これ、どうなっているんですか、与党はほとんどいないですよ。
○小坂委員長 提案者席にも座っておりますし、また、今呼んでいるようでございます。足りております。質問を続行してください。(佐々木(憲)委員「向こうに座っている」と呼ぶ)ええ。質問を続行してください。
○佐々木(憲)委員 これは大変重要な法案の審議をやっているわけですから、きちっと出席をしていただかないと困るわけであります。
それで、今大臣は、経営についていけないというようなお話をされましたけれども、しかし、そういう状況をつくったのは、やはり私は、閣議決定で規制緩和一辺倒というふうに我々思っておりますけれども、そういうことを進めてきた政府の側に大変大きな原因があるというふうに思います。
大体、大臣がいろいろおっしゃいましたけれども、これは財務省の酒類販売業等に関する懇談会の報告を見ましても、昨年9月の報告書です、こう書いているわけです。「規制緩和に伴い新業態店が大幅に増加する一方で市場の変化が激しいため、一般酒販店は大幅に退出している。」「競争に敗れ、あるいは競争に参加もできずに退出する一般酒販店が増大する等、小売業者の経営状況からみて急激・過度の参入による乱売等の競争の弊害が目立ってきている。」つまり、規制緩和の結果こういう事態が生まれている、こういうふうに指摘しているわけですよ。
98年の閣議決定までは、距離基準のもとで、近接した場所に酒屋さんを開くことはできなかった。しかし、距離基準は2001年1月に廃止されまして、例えば、交差点がありますね、四つ角にコンビニがある、それぞれが酒が売れる状況になった。こういうことでありまして、国税庁調査の最寄りの小売業者との距離別販売場数、これを見ましても、50メートル未満8・3%、百メートル未満を加えると23・0%、150メートル未満を加えると全体の43・7%に達するわけです。いわばひしめき合っている状況ですね、非常に狭い地域に。人口基準も段階的に緩和されてくる、こういう状況です。
そもそもお酒というのは、これは社会的な規制の必要な致酔性の飲料であります。規制緩和の結果、消費者の利便というものを超えてしまって、異常な競合状態が生まれているんじゃないかと私は思うんですけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
○塩川財務大臣 地域によってそういう特徴的なところは確かにございます。けれども、コンビニもそういう免許がおりて、それによって競争が激化したということが一つございますけれども、私は実感しますのは、やはり一番問題はディスカウントショップなんですね。これが一般の、いわば地域に根づいた、いわば地域の人の需要を満たしておる供給体制をとっておった、そういう業者がそれによって攪乱されているということ、これは非常に被害をこうむっておられる、その実態をよく見ておりまして、そこらが実は問題なんかいなと私は思ったりしております。
○佐々木(憲)委員 ディスカウントがどんどん広がるというのも規制緩和の結果なんであって、何か他人事のように言われると困るわけであります。
ことし9月に人口基準が廃止されて、人的要因だけで販売免許が付与されるということになります。しかし、酒の消費量を見ますと、これは横ばいなんですね。国税庁の先ほどの懇談会の報告書を見ましても、「今後人口が減少に転じると総量自体も減少すると見込まれている。」と指摘しておりまして、消費量は伸びない、むしろ減っていくというのが見通しとして出されているわけであります。
そうすると、販売店だけが増加するということになっていきますと、当然、利幅がどんどん下がっていく、販売数量が減少していく。そうすると、将来の見通しとして、小売店の状況というのは一層厳しくなっていくんじゃないかというふうに思いますが、財務大臣はどういう認識をお持ちでしょうか。
○福田政府参考人 政府といたしましては、経済活性化等の観点から、幅広い分野について規制改革を進めてきております。酒類の小売業免許につきましてもその一環でございますが、ただ、御指摘のように、中小の酒販店が健全な企業経営を行っていくためには、経営の活性化策の取り組みが不可欠でございます。中小酒販店のこうした自主的取り組みに対しましては、中小企業診断士等を講師とする研修会の開催など、さまざまな支援を行ってきているところでございます。
時間の関係で細かいところは省略させていただきますが、私どもといたしましては、今後とも、今申し上げましたような経営の活性化に向けた取り組みの支援を積極的に行ってまいりたい、かように考えております。
○佐々木(憲)委員 規制緩和が非常に大きく進められて、いわば弱肉強食という状況が生まれているわけです。ですから、そこのところに私たちは根本的な問題点を感じておりまして、激変緩和ということが言われますけれども、それはそれとして必要かもしれないけれども、より根本的な問題を考えなきゃいけないというふうに思います。
9月の需給要件の緩和によってさらに新規参入が激しくなる。2月14日の日経によりますと、「酒類販売に異業種続々」という記事が出ているわけです。こういうふうに書いているんですね。「酒類販売免許の自由化をにらんで、ピザチェーン、百円ショップ、レンタルビデオ店など異業種が酒類の販売に続々と参入している。酒を扱うことで客の利便性を高め集客効果の向上を狙う。」「マツモトキヨシなどドラッグストアやホームセンター、ドン・キホーテなどのディスカウントストアも続々と酒販免許の取得に動いている。」こういう状況なんですね。
こうなるとディスカウントストアでさえ、ほかの業態からどんどん入ってきますから、今好調に見えているディスカウントストア自身も、これは非常に深刻であるというふうに見ているようでありまして、例えば、酒のディスカウントストアのやまやというところがありますけれども、その会長が業界紙のインタビューでこう言っているんですね。「かつての米屋同様、一般店は壊滅的に減少していくだろう。酒DSも同様。当社も含め、いつ消滅してもおかしくない。」こういう言い方をされております。
これまで販売を伸ばしてきたコンビニも同様でありまして、例えば、酒販ニュースが昨年10月21日号で主要コンビニチェーンの動向を分析しておりまして、そこではこう言っているんですね。「各社の酒類売上げは、免許店数の伸びを大きく下回っている。」「各社の中間期の業況をみる限りでは、来年9月の現行需給要件廃止を前に、酒類売上高の実質的な伸びがすでに頭打ちになっている」「CVSの酒類売場もいよいよ本格的な淘汰が始まることになりそうだ。」こういうふうに言っていまして、これまで販売を伸ばしてきたコンビニでさえ売り上げが頭打ちになっている、こういう結果が出ているわけです。
異業種による新規参入がどんどん出てくる。ディスカウントストアやコンビニでさえ深刻な影響が出てくる。先ほど、町の小売店の酒屋さんの悲痛な実態を紹介しましたけれども、現在でさえ深刻な事態の酒屋さんが一層経営が難しくなっていく、廃業に拍車がかかる、こういうことに私はつながっていくのではないか。
そういう意味で、規制緩和のあり方そのものを今後どう考えるのか。この根本的な問題について塩川大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩川財務大臣 規制緩和を実施いたしましたことによって、確かに業界の中でいろいろな混乱が起こり、またそれの影響を受けて被害となっている方もあるということは承知しております。しかし一方において、受益をしておる方も相当あると思っておりまして、その間の権衡を、バランスを見ていかなきゃならぬだろう。
以前から佐々木さんの御質問をずっと聞いておりましたら、結局、規制緩和はけしからぬ、そういうことよりもやはりちゃんと統制経済でいけ、こういうことのニュアンスが非常に強い。これはニュアンスです。(佐々木(憲)委員「いや、そんなこと言っていない」と呼ぶ)
そういう世の中に戻していいのかということが問題なんでありまして、やはり規制緩和は進めていくが、そこから起こってくる弊害をできるだけセーフティーネットでカバーするなり、あるいは何か法制的なものでカバーしていくということであって、根本が、それは共産党がおっしゃっているように統制経済に持っていけ、それはそうかもわかりませんけれども、それでは私は経済全体が発展がないということで、そこはそもそも考え方が根本的に違うということを申し上げたい。
○佐々木(憲)委員 塩川大臣のような考えでいけば日本経済はめちゃくちゃになりますよ。(発言する者あり)本当に、もう既になっているという声がある。
大体、我々が言っているのは、何も統制経済をやれと言っているんじゃないんですよ。町の酒屋さんを守りなさいと言っているんですよ。規制緩和をどんどんやって、それで中小商店がばたばたつぶれて、日本経済がどうして成り立つんですか。日本経済の圧倒的多数が中小業者じゃないですか。それがつぶれて当たり前だ、こういう姿勢が問題だと言っているんですよ。中小業者をいかに支えるかというのが本来の政治の役割じゃないですか。いわば、ばたばたと小さいところをつぶして、それででかいところだけが大手を振って利益を上げていくというのが異常な状態だと主張しているわけです。統制経済でも何でもない。
そこで、時間がだんだんなくなってくるので、与党の提案者にお聞きしたいんですが、与党の提案者はこういう激変緩和の措置を出されていまして、しかし背後には規制緩和の円滑な推進ということがあります。私はここに根本問題を感じているんですが、規制緩和の推進によると、どうしても、結果として弱いところが追い詰められるということになるわけで、社会的規制を強化するということを同時にやるとおっしゃるんですけれども、やはり、根本的なこの規制緩和の問題についてどう考えていくか。特に、私は社会的規制の強化というのは大変必要だと思いますね。この点について見解を伺いたい。
○佐藤(剛)議員 規制緩和に私どもは逆行するということで出したわけではございません。
規制緩和、ディレギュレーションというのは御承知のように平成2年の海部内閣のときに、トイザらスという、奈良のところで第一店のものができ上がりました。そして、今流通関係というのは、そこを契機に、いわゆる大規模店舗の、先生、いろいろなことをやっているんです。例えが悪いかもしれませんが、町のしにせの小売店の、それをシラスと言えばシラス同士の戦いもあるが、マグロもいればイワシもいれば鯨みたいな形の大規模も入っている。しかも、カツオとイワシとの競争が始まっている、イワシはまたあれだ、こういう話ですわね。ですから、そういう、例えが悪いですけれども……(発言する者あり)例えが悪いか。
そういうような、今や、何もこれは酒屋さんだけではなくて、自営業が非常に少なくなってきておる、小売店が大変なる大競争の中にいるという観点でこの問題に取り組むべきであり、ですから、議員提案のものについては、あくまでもセーフガードである。セーフガードというのは、緊急的な、一定の地域について、外国でいいますれば輸入がふえた、こちら側からしてみれば免許がふえた、供給がふえた、そういうふうな観点で物をとらえているわけであります。
それから、ダンピングの、不当廉売の問題についても、国際的にはダンピングの範疇に入るでしょうし、そういう面については公正取引委員会がしかるべき、しっかりと監視をする、これが今回の修正の中にも非常にぴしっと入っておる。
そういういろいろなことを考えてやっていかなければならない、大競争のものが今流通業界に展開されておる。そして、その大競争の時代というのは、これはワインでいえば輸入品も入ってくれば、それから国内においては、先ほど先生がおっしゃられたような異業種の、製造であるとかドラッグストア、こういうことでございます。
○佐々木(憲)委員 今の答弁は、いろいろな事例を挙げましたが、魚の話をされました。私は酒屋の話をしているんですからね。
つまり、激しい競争の中で小さいところがつぶされ、中ぐらいのところも危なくなってきている。そういうことで、日本経済の底辺が大変な状況になっているということの認識を聞いているわけでありまして、私は、日本経済の底辺は守らなけりゃいけないというふうに思っております。
政府案についてお伺いします。
酒類販売管理者のことでありますが、この選任を義務づけているということなんですけれども、研修を受けさせるように努めなければならないという努力規定になっております。研修を受けなくとも罰則はなくて、強制力は働かないということなんですが、なぜこれは努力規定にとどめたのか。管理者が形式的なものになってしまってはやはりいけないと私は思うんですね。
これまでは町の酒屋さんが、おやじさんが、近所の消費者の顔を、近くの方々はよく顔を覚えているわけです。ですから、そういう点では、未成年に売らないとかそういうのは非常によく判断ができたと思うんです。しかし、コンビニになって、アルバイトが売る、あるいはますます大型店が広がる、こうなりますと、相手を確認する手だてというのがだんだん後退してしまいます。やはりこの点できちっとした管理、管理者の位置づけがなければ社会的規制が実態を伴わないというふうになってしまうと思うので、この点について、運用の点で、どうこの法案を厳しく運用していくのかお聞きをしたいと思います。
○福田政府参考人 お答え申し上げます。
酒類販売管理者の研修につきましては、研修の受講を通じましてその資質を高めていただくことが何よりも重要と考えておりますので、指導の徹底等によりまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○佐々木(憲)委員 最後に塩川大臣に、町づくりの関連で、先ほども少し質疑がありましたが、商店街が大変な状況にそれぞれの町でなっておりまして、どうやってそのにぎわいを取り戻すかというのが各地で議論されているわけです。
私は、こういう中小零細の商店をどう守っていくかということがやはり政治の中心的な課題でなければならないと思っておりまして、その点について塩川大臣の基本的なお考えを最後にお伺いしておきたいと思います。
○塩川財務大臣 やはり、商店街が一致結束して協同、お互いに助け合うということをやられるということは非常に大事だと思っておるんです。
私も、地元で、商店街の中に住んでおるものですからそのことはよくわかるんですが、駐車場ができまして、その駐車場は皆ボランティアで管理する。管理費出ないんです、小さい駐車場ですから。出ないんですけれども、ボランティアでやっておる。これがあって、非常に効果が上がってきたということが一つ。
それから重量物を、お互いが助けて、ボランティアで配達してやろう、お酒なんかでも配達してやろう、お米なんか配達してやろう、こういう制度を導入してきた。これも非常に商店街が活性化してきた。
それからもう一つ、問題があったんですけれども、お医者さんがやめちゃったんです。すっぱりと真っ暗になってしまった。そこを改造して、子供を預かる保育園みたいなのをつくった。この保育園を認可するかしないかでもう大騒動になったんですが、私らも、臨時のもので認可保育園みたいなことをやっとして、それで一遍に感じが明るうなりました。
そういうものをやはり、町づくり、みんなやって、協力するという姿勢をしてもらったらよくなっていくんじゃないかと思って、私も、商店街の活性化、一生懸命になって力を入れております。
○佐々木(憲)委員 終わります。
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