アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

国会での活動

国会での活動 − 国会質問金融(銀行・保険・証券)

【03.02.24】銀行の手数料いっせい値上げ 政府の金融政策が原因

 2003年2月24日、予算委員会で、小泉総理が出席して経済問題についての集中質疑がおこなわれ、佐々木憲昭議員は、銀行による手数料いっせい値上げの問題をとりあげました。  

100玉を1円玉に両替すると手数料200円 首相も「おかしい」

   佐々木議員は、質問の冒頭、小泉総理にたいし「東京三菱銀行にいって、両替機で100円玉1枚を1円玉100枚に両替すると、いくら手数料がかかると思うか」とたずねました。佐々木議員が、「200円もとられる」と言うと、小泉総理は驚き、「正常な手数料だと思うか」との問いに、「これはおかしいと思うのも無理ない」と答えました。

 2月17日から、東京三菱銀行では、行内に設置している両替機の利用を有料化し、50枚を超える両替にたいし一律200円の手数料を徴収しはじめました。UFJ銀行や三井住友銀行も有料化を検討しています。商売をしていれば、釣り銭のための両替は日常的に必要です。佐々木議員が「零細業者は、ギリギリのところで営業をやり生活している。こういう人たちの声も聞かないで、いきなり手数料を取り立てる。優越適地位の乱用だ。あまりにも一方的ではないか」と追及すると、小泉総理も「どうして、こちらは安い手数料ですから来て下さいという銀行が出てこないのか」と銀行を批判しました。

土曜日昼間のATM手数料もいっせいに有料化 公取委が調査開始

   手数料の値上げは両替だけではありません。土曜日の午前から昼間にかけてのATM(現金自動預け払い機)の利用を有料化する動きが、UFJ銀行を皮切りに大手銀行のなかであいついでいます。また、残高証明書の発行手数料、通帳などの再発行、当座小切手用紙交付、手形用紙交付の手数料など、手数料の値上げラッシュが続いています。

 公正取引委員会は、佐々木議員の質問にたいし、土曜日昼間のATM料金の有料化について、都銀大手4行などからヒヤリング調査を開始していることを明らかにし、「調査結果を踏まえてきちんと対応していきたい」と答えました。

超低金利で大もうけ 一方で手数料はいっせい値上げ

   手数料値上げの一方で、預金者は大変な低金利を強いられています。預金金利は、90年代を通して下がり続け、現在では0.003%に達しています。100万円預けても利息は30円しかつきません。土曜日にATMを1回利用したら、3年分の利子がいっぺんに吹き飛んでしまいます。1992年度には都市銀行は、預金者に対する利息の支払いに、11兆4130億円を費やしていましたが、2001年度には1兆2631億円にまで下がっています。

 一方、手数料収入を示す「役務取引等収益」は、1992年度には経常収益の3.1%にすぎませんでしたが、2001年度には9.5%へと3倍以上になっています。この増え方は、小泉内閣になってから激しくなっています。

 佐々木議員は、「預金者の怒りは当然だ」と批判し、総理の認識を問いました。小泉総理は、「自分は値上げしません、これだけ安いですと宣伝する金融機関が出てこないことが不思議だ」と答弁しました。

手数料値上げの原因 政府の金融政策

   これに対し、佐々木議員は、「小泉内閣が不良債権を短期間で一気に処理させようとしてきたことが、銀行の収益追求に拍車をかけている」と手数料値上げを引き起こしている政府の金融政策を批判。加えて、政府が、公的資金の注入銀行に提出させている「経営健全化計画」のなかで手数料収入を増やす計画を立てさせ、金融庁が承認していることをとりあげ、これを是正するように求めました。

 手数料値上げを政府が奨励する仕組みを指摘されたにもかかわらず、竹中金融担当大臣は、「公的資金を入れている以上、一定の枠をはめている。あとは個々の経営判断だ」と銀行経営者の問題だと答弁しました。

 佐々木議員は、「中小企業にたいする貸し出し目標は全然達成できない。それで手数料だけはどんどん上げてくださいと計画を出させて超過達成している。こんなデタラメな金融行政はない」と政府の姿勢を批判しました。


Share (facebook)

このページの先頭にもどる