国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【02.11.15】UFJ銀行頭取に一方的金利引き上げマニュアルの修正を約束させ、東京三菱グループ社長に変額保険被害者への一方的な自宅競売の中止を要求
2002年11月15日、財務金融委員会で、地域金融機関の合併を進めるための「地域金融機関組織再編特別措置法案」など2法案についての参考人質疑が行われました。午前には4大金融グループにたいする参考人質疑、午後には地域金融機関4業態の協会長に対する参考人質疑が開かれました。
UFJ銀行の「金利引き上げマニュアル」=UFJ銀行頭取が修正を約束
UFJ銀行の寺西正司頭取は、佐々木憲昭議員の質問に答えて、融資先企業にたいし金利引き上げを強要するための具体的な対応の仕方をまとめた同行の「金利引き上げマニュアル」について、改定作業を進めていることを明らかにしました。
この内部「マニュアル」は、日本共産党の志位和夫委員長が11月6日の党首討論で、小泉内閣の「不良債権早期最終処理」とその「加速策」が「健全」とされている中小企業も含めて、すべての中小企業を対象に貸出金利の引き上げ、貸し渋り、貸しはがしを猛烈に進めることを告発した際にとりあげていました。業界の景況などにより融資先をランク付けし、貸出金利などの条件を定めたもので、「金利引上げ交渉時の留意点」として、「適正金利への引上げに応じなければ取引解消も辞さない」と明記しています。
佐々木議員は、このUFJ銀行の内部「マニュアル」について、「あまりにも一方的なもので訂正すべきだ」と寺西頭取に迫りました。
寺西頭取は、「表現がやや適切でないという観点で、誤解を与える懸念もあると考える」とのべ、「そのようなことのないように、いま担当部で改定を進めているところです」と訂正の意向を表明しました。また債権の回収に対しても「行き過ぎた行為のないように、きっちり指導していきたい」と答えました。
変額保険被害者への一方的な自宅競売=東京三菱社長に対応をただす
さらに、佐々木議員は、東京三菱銀行が変額保険被害者にたいし一方的な回収を行っている問題をとりあげ、東京三菱フィナンシャルグループ社長の対応をただしました。
政府の不良債権処理加速方針のもとで、銀行による金融被害者に対する自宅の競売が強まっています。
東京三菱フィナンシャルグループの三木社長は、2002年4月24日の財務金融委員会で、バブル期の提案型融資をめぐる被害について、「話し合いを進めながら解決したい」と答弁しています。佐々木議員は、その答弁を示した上で、「しかし、実際に現場でおこっていることは逆ではないか」として、東京三菱銀行やその系列の信用保証会社から競売申立をされたという訴えが相次いでおり、その中には裁判で係争中のものも含まれていることを指摘しました。
佐々木議員は、高裁判決で銀行の勧誘行為の違法性が認められ銀行が一部敗訴した田崎喜久二郎、アイ子さん夫婦の事例を紹介。双方が最高裁に上告し、現在係争中であるにもかかわらず、競売を進めている東京三菱銀行の債権回収手法について「社会的批判をあびる行為ではないか」と、三木社長の認識をただしました。
三木社長は、「可能であれば、双方の納得ができるような解決を望んでいる」と述べたものの、競売手続きを停止する考えは示しませんでした。
佐々木議員は、東京三菱銀行が、変額保険の債務者に対して保険を差し押さえ、解約して資金回収していることを指摘し、満期まで待てば一定の金額が見込めるのに当面の回収を優先する同行の手法を批判。「一方では大企業に債権放棄で借金をチャラにしてやる。他方では、弱い者に対して路頭に迷わすような回収をやるなんていうのは、まったく納得できない」して、一方的な債権回収をやめるよう求めました。