国会での活動
国会での活動 − 政治経済キーワード、金融(銀行・保険・証券)
【政治経済キーワード】ペイオフ解禁2年延期
2002年10月11日
政府は、10月7日、2003年4月としていたペイオフ解禁の実施時期を、2005年4月まで2年間延期することを決めました。ペイオフとは、金融機関が破たんした際の預金の保証額を元本1千万円とその利子までとする措置のことです。1996年以来、わが国では、金融不安に対応するとして預金の全額保護措置がとられています。ペイオフ解禁時期の延期決定は、1999年に次いで2回目となります。
小泉首相は当初、「ペイオフ解禁は構造改革の一環だ」として、来年4月の全面実施に固執していました。しかし、金融にたいする信頼が低下するなかで、7月には決済性預金について全額保護することを決め、わずか2ヶ月あまりでこんどは全面解禁の2年延期を決定しました。深刻化する不況のもとで、小泉内閣の経済運営の迷走ぶりが目立ちます。
預金者保護と信用秩序の維持は預金保険制度の大原則です。金融にたいする不安があるもとで全額保護措置を延長することは当然ですが、今日の金融にたいする不信を生みだしてきたのは、政府の誤った金融政策によるものです。
この間政府は、“ペイオフ解禁までに不良金融機関を処理する”との方針で、大銀行には資本注入で手厚い支援をする一方、地域金融機関の淘汰をすすめてきました。この結果、一部の大銀行の体力は強化される一方で、地域金融機関は破たんがあいつぎ、国民の地域金融機関にたいする不安がつくりだされることになりました。また、小泉内閣が大方針としてかかげる不良債権の「早期最終処理」は、企業倒産と失業を増やし、新しい不良債権を生み出すという悪循環に陥っています。
国民の金融にたいする不安を取り除き、信頼を回復するには、このような小泉内閣の金融行政を転換し、日本経済の基盤を支える地域金融を再生・活性化することが必要です。私たちが提案している「地域金融活性化法案」は、その方向を打ち出したものです。