国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【02.06.12】UFJ銀行頭取、みずほホールディングス社長に対し参考人質疑
あいつぐ一方的競売・銀行の債権回収のあり方をただす 「回収に行きすぎがないよう指導を徹底したい」と全銀協会長が答弁
2002年6月12日 、財務金融委員会で、佐々木憲昭議員は、銀行の債権回収のあり方について、参考人として出席した寺西正司全国銀行協会会長(UFJ銀行頭取)らの見解をただしました。
佐々木議員は、RCC(整理回収機構)では、債権回収にあたる場合、「契約の拘束性の追求」とともに「人間の尊厳の確保」を重視し、一方的な競売や強制執行によるのではなく、できるだけ話し合いで解決していくという姿勢を表明していることに言及し、森金融庁長官も「RCCという国の公的サービサーがやっていることは、競争の激しい、民間の、レピュテーショナルリスクを抱えている銀行は、当然、その程度まではやってしかるべき」と国会で答弁していること示し、銀行の姿勢をただしました。
寺西全銀協会長は、「RCCの方針は民間も守るべき指針だと認識している。特に個人の場合は、契約を杓子定規にのみとらえず、個別の事情を勘案するようにしている」と答え、前田晃伸みずほホールディングス社長も、「話し合いによる解決を優先している。整理回収銀行と私どもと同じ考えだ」と表明しました。
さらに佐々木議員は、銀行がバブル時代に大型フリーローンなどと組み合わせた提案型融資をすすめ、年収の何倍もの過剰融資をおこない、貸した側の責任は棚上げして身ぐるみ剥ぐ回収に走る事例が少なくないことを指摘。貸した側の責任も考え、人間的に生きる最低のところを保証するよう求めました。
これにたいし前田みずほホールディングス社長は「相手の事情を配慮するのは当然」と答え、寺西全銀協会長は「回収に行きすぎがないよう指導を徹底したい」と約束しました。
銀行頭取に「中小企業向け貸出計画」の達成状況をただす UFJ銀行頭取は「苦しい状況」と答弁
佐々木議員は、参考人として出席した寺西正司UFJ銀行頭取と前田晃伸みずほホールディングス社長にたいし、中小企業向け貸出の状況をただしました。
いま、公的資金を投入されている銀行は、「経営健全化計画」を作成し、そのひとつとして中小企業向け貸出計画の達成をかかげています。
質問の前提として、佐々木議員が各行の中小企業向け融資の位置づけについてただしたところ、前田みずほホールディングス社長は「中心マーケットとして重視している」、寺西UFJ銀行頭取は「銀行の本業そのものと位置づけている」と述べました。
そのうえで佐々木議員は、両行にたいし、今年3月末の中小企業向け貸出計画の達成状況を説明するよう求めました。
前田みずほホールディングス社長は、「詳細は精査中」としながらも、昨年3月から今年3月までに700億円増やす計画に対し、数百億円程度のプラスになっていることを明らかにしました。
一方、寺西UFJ銀行頭取は、昨年3月より1兆4千億円のマイナスとなった昨年9月時点よりも「大きく減少」し「大変苦しい状況にある」と述べました。
佐々木議員は、UFJ銀行頭取に対し、「公的資金を受け入れたときに、みずから増やす計画を立てたものだ」として、今後の対応をただしましたが、寺西氏は「(行内の)体制を再構築したい」と述べるにとどまりました。