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国会での活動

国会での活動 − 国会質問金権・腐敗政治財政(予算・公共事業)

【02.03.06】防衛施設庁の業者選定に鈴木宗男議員が関与 佐々木議員が内部資料で明らかに

   2002年3月6日、野党4党は、採決を強行しようとする津島予算委員長に対する解任決議案を提出したため、予算委員会は午前中は開かれませんでした。
 14時から開かれた本会議で予算委員長の解任決議案が上程され、佐々木憲昭議員は、日本共産党を代表して賛成討論をおこないました。決議案は与党によって、否決されました。

 その後、予算委員会が開かれ小泉総理出席のもとで質疑が行われ、佐々木憲昭議員が質問しました。
 佐々木議員は、自民党の鈴木宗男議員が、1998年に北海道・矢臼別演習場で実施された米軍実弾演習にかかわる宿泊施設や物品調達に際し、個別の業者選定に関与していたことを、明らかにしました。防衛施設庁の内部文書を示して追及したものです。

局長が地元秘書に平身低頭 ごみ箱からトイレットペーパーまで“ご説明”

 佐々木議員が示した内部文書の1つは、防衛施設庁札幌防衛施設局の「鈴木宗男事務所 宮野秘書への説明」と題する文書です。
 これは、演習が行われる前の1998年9月2日に施設局長らが釧路市の鈴木事務所を訪れ、実弾演習にかかわる職員の宿泊施設や物品の現地調達についてホテルや業者のリストを示して説明した内容を記したものです。
 この内部文書には、冒頭で施設局長が米海兵隊実弾射撃訓練の現地対策本部の設置について説明したあと、次のようなやりとりが鈴木議員秘書の宮野氏との間でされたことが書かれています。

  • 宮野秘書:「現地にはどれ位の人数が入っているのか」
  • 局長:「90人程度である」「局職員の宿泊施設を別紙2で説明」「別海町内の5つの宿泊場所を利用することとしている」
  • 宮野秘書:「わかりました」

 局長はさらに、現地調達の内容についても一覧表を示して説明を進めています。仮設トイレ、燃料、ゴミ箱、トイレットペーパーなどの細かいものまで、「数量」「業者名」「所在地」「連絡先」が書かれたものです。
  • 局長:「調達物品については」「地元で調達できるものは地元で調達している」「今ご説明した内容は本日15:30に施設庁本庁から鈴木副長官にご説明することになっております」
  • 宮野秘書:「これらは分かっています。業者は知っている業者です」

 佐々木議員は、「札幌施設局長がみずから鈴木宗男議員の地元にいって、地元秘書のところに平身低頭で説明にいっていることは異様だ」として、中谷防衛庁長官に「防衛庁というのは、演習が行われるたびに、宿泊ホテルや発注の内容について、関係議員にこういう説明をやるのか」とただしました。
 中谷元・防衛庁長官は、「通常はやらないと思う」と答弁し、鈴木議員と防衛施設庁の異常な関係が浮き彫りとなりました。

 佐々木議員は、この文書に「(注)」として、「ホテル及び調達協力の説明に対して、注文や意見は秘書からは全くなかった」と書かれていることに触れ、「全部知っている業者だから、とくに意見はない。これも重大で、注文や意見があれば聞きましょうという姿勢がきわめてはっきり出ているではないか」と指摘。小泉総理に対し、「鈴木宗男議員が個別業者の選定に深く直接かかわっている証拠ではないか」と迫りました。
 小泉総理は、「いずれ証人喚問が行われ、そのとき本人に聞いてほしい」と一言述べただけでした。  

鈴木議員みずから説明を要求

 佐々木議員が明らかにしたもうひとつの資料は、「(案)」というタイトルの内部文書です。これは、宮野秘書に対する説明とまったく同じ日に、防衛施設庁の本庁から、鈴木議員に説明した内容を書いたものです。
 そこには、「本日お伺いしました用件は、昨日、地引首席と先生の処にお伺いしました際、地元でのホテルの話がありましたので、我々も詳しく承知していなかったため、調べて参りました。また、その他の物品の調達についても状況をお話するためにお伺いに参りました」と書いてあります。
 つまり、鈴木議員から、前日に「ホテルはどうなっているんだ」「どこに宿泊するんだ」といわれたので防衛施設庁本庁が説明にいったことを記しており、個別案件についてはっきりと鈴木宗男さんからのアクションがあったことを明確に示しています。

 佐々木議員は、受注業者のうち3社から3年間で計207万円の献金が鈴木議員に渡っていることを指摘し、「鈴木さんは地元の業者に仕事を受注させたうえで、その業者から献金を受け取っている。宮野秘書が『業者は知っている業者だ』と答えるのは、防衛庁の予算で仕事をした業者から献金を受けているということをよく知っているから、そういう答えをしているのではないか」として、「国民の税金がこういう形で鈴木宗男さんに還流する、同じような構図がここでも起こっている」と述べて中谷防衛庁長官の認識をただしました。
 中谷長官は、「個別の物品の納入とか、そういう細々したところを議員に説明するということは通常ないことで、好ましいことではないと思う」と答弁しました。
 佐々木議員は、鈴木宗男議員にかかわる疑惑が外務省にとどまらず、国土交通省、防衛庁、防衛施設庁へと大きく広がり、全省庁が汚染されている可能性すらあることを指摘、「政府全体の問題だ」として、全省庁の調査を総理自身の責任でおこなうよう強く求めました。
 小泉総理は「各省庁で必要な資料を提供し改革に生かすべきだ」とのべました。


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