アドレス(URL)を変更していますのでブックマークされている方は変更してください。
<< ホームへ戻る

国会での活動

国会での活動 − 国会質問金権・腐敗政治

【02.02.13】海外援助まるで私物化・「ムネオハウス」に「ムネオ診療所」

 2002年2月13日、NHKで中継された予算委員会で総括質疑が行われました。
 佐々木憲昭議員が質問に立ち、NGO排除問題、鈴木宗男議員の北方四島支援・アフリカODAをめぐる疑惑、「構造改革」と不良債権処理について、追求しました。

海外援助まるで私物化・「宗男ハウス」に「宗男診療所」 佐々木議員の追及に、首相も「感心した。調査する」

   佐々木議員は、外務省のロシア・北方四島支援とアフリカODA事業に鈴木宗男議員がからみ、受注業者から献金を受けている実態を暴露し、外交の私物化だとして、小泉総理に厳正な実態調査を求めました。
 小泉総理は「よく調べているなと感心した」「よく調査しなきゃいかぬ」と約束しました。

◎北方四島支援 後援会幹部業者が受注し鈴木氏に献金
 「鈴木さん、あなたは私たちの友達です」。国後(くなしり)島の「友好の家」に、赤と青のインクでくっきり書かれた横断幕の写真。議場は「オー」と大きくどよめきました。佐々木議員が「現地ではムネオ・ハウスと呼ばれている」とたたみかけると、自民党議員からも苦笑がもれました。

   ロシアの「北方四島への人道援助」事業が始まったのは1992年。2000年度までに約87億8000万円が費やされました。
 通常の国家間援助は、相手国の正式な要請に基づきJICA(国際協力事業団)などが現地調査します。その報告書を検討し閣議決定したうえで、相手国との交換公文(契約書)に署名。その後、入札で事業に携わる業者を選定します。
 ところが「北方四島支援」に関してはこれらの手順をふまず、四島住民代表からの支援要請を外務省ロシア支援室などが検討して「贈与証明」をつくり実行するもの。特定の議員が関与する余地が残ります。
 佐々木議員は、「支援」目的でつくられた「友好丸」と「希望丸」という船の問題を取り上げました。昨年6月はじめに進水式をした「友好丸」は、5ヶ月間も引き取られないままに造船会社に放置されていました。佐々木議員は、船の利用目的について、日本とロシアの間で一致していなかったことを指摘し、「目的がはっきりしていないのに、船だけ先につくる。おかしいではないか」と追及しました。

   この船を受注した「根室造船」の社長は、鈴木宗男議員の政治活動を支える「21世紀政策研究会」根室支部の代表で、根室市の後援会幹部です。
 重大なのは、この企業が鈴木議員へ献金していることです。佐々木氏が4年間で240万円にのぼると紹介すると、資料に目を落としながら「ほう」という感嘆の声や「自民党いいかげんにしろよ」とヤジが起きました。
 「船の発注と密接な関係といわざるを得ない。こんなことが許されていいのか」と迫る佐々木氏に、小泉純一郎首相は「いま突然聞かれても事実関係がよく分かっていない」といいながらも、「よく調べていると感心した」と答弁せざるをえませんでした。
 鈴木議員と「支援」事業とのかかわりはこれだけではありません。国後(くなしり)島の宿泊施設「友好の家」―通称「ムネオ・ハウス」をはじめ、色丹(しこたん)島の診療所は地元で「鈴木宗男診療所」、四輪駆動車は「ムネオ号」といわれている―。佐々木議員は、調査で明らかになった実態を次々と告発しました。
 佐々木議員は「国民の税金による援助なのに、どうして個人の名前が出てくるのか」と批判。事業を受注した企業から鈴木議員に献金が還流する構図を「おかしいと思わないか」と追及すると、首相は「よく調査すべきだと思う」と答弁しました。

  ◎アフリカODA事業=受注11社から鈴木氏に献金700万円
 佐々木議員は、北方四島支援と同様に、アフリカのODA事業を受注した11社から鈴木議員へ、6年間で約700万円もの献金が渡っていることも明らかにしました。
 鈴木議員は、ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電事業をめぐっても、深く関与しています。
 外務省の公電によれば、鈴木議員は小渕内閣の官房副長官として99年8月にケニアを訪問した際、「帰国次第、関係省庁に連絡・指示を行い、本件プロジェクトへの円借款供与への迅速な検討を進めることを約束する」と発言。このプロジェクトの二期工事はまだ円借款の決定がされず、お金のメドがたっていないにもかかわらず、工事の入札・発注が早々と行われるという異常な事態になっています。
 同発電事業を受注した鴻池組をはじめアフリカのODA事業を受注した11社から、6年間で約700万円の献金が鈴木議員に渡っています。佐々木氏は、鈴木議員が16ものアフリカ関連の議員連盟会長を務めていることも指摘。「利権構造の実態にメスを入れることが大事ではないか」との問いに首相は、「その通り。指摘の点を外務省もよく調査し、疑惑の持たれないようなODAを考えるべきだ」と答えました。
 佐々木議員は、疑惑を解明するために鈴木宗男議員の証人喚問を要求しました。


Share (facebook)

このページの先頭にもどる