国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【02.01.24】大銀行の貸し渋り・貸しはがしをやめさせよ 公的資金を受けながら「公約」の中小企業融資は大幅減
2002年1月24日の予算委員会で、佐々木憲昭議員は、小泉総理に対し、加藤紘一元自民党幹事長の私設秘書の「口利き」疑惑、小泉内閣の不良債権処理について質問しました。
佐々木議員は、不良債権の最終処理を推し進める小泉内閣のもとで、不況で苦しむ中小企業の経営者が自殺にまで追い込まれた痛ましい実態も示し、銀行の貸し渋りを改めるよう小泉純一郎総理に要求しました。質問の模様は、NHKが生中継しました。
銀行の強引な回収で自殺に追い込まれた社長の遺書を手に
佐々木議員は、大手銀行の強引な資金回収にあい、死亡時の保険金で下請けなどへの返済にあててほしいといって自殺した中小企業の社長の遺書のコピーを手に、「自分も、できることはやったつもりですが、限界でした。あと3カ月時間があったらもう少し別な方法を取れたかもしれませんが、これしか会社・社員を救う道はなかったです」との言葉を紹介し、「銀行側は『社長さんの生命保険に質権を設定させてもらう』と言ったという。あまりにもむごい回収の仕方だ」と大銀行の対応を批判し、平沼経済産業大臣に対し、「銀行が中小企業融資の回収を強めている実態をどう受けとめ、対応するのか」とただしました。
佐々木議員の追及に、平沼大臣は、「たしかに、金融機関の貸し渋り、貸しはがしは厳しい状況になっている」と認め、「わが国の経済の基盤をになっている中小零細企業のために一生懸命努力したい」といわざるをえませんでした。
銀行の融資 中小中堅企業は44.6兆円減、大企業は6.9兆円増
佐々木議員は、1997年3月期から2001年9月期まで4年半の間に、銀行全体の大企業向け融資が6.9兆円増える一方、中小・中堅企業向けは44.6兆円もの激減となっている事実をパネルで紹介。公的資金を資本注入した大銀行には中小企業への貸し出しを増やす計画が義務付けられているにもかかわらず、逆に3兆4千億円も減少しているとして、政府の見解をただしました。
そもそも、政府が98年に公的資金を使って大銀行支援に乗り出した最大の理由は、「中小企業向け融資を増加させる」ことでした。このため、大銀行は、中小企業向け融資の増加計画を自ら作成し、政府に達成目標として提出したのです。
佐々木議員は「適切な貸し出しがなされるよう厳正なフォローアップを行う」と政府自身が改革先行プログラムで明言していることも指摘し、銀行に貸し出し目標を守らせるよう「内閣をあげてとりくむべきだ」と要求しました。
これに対し、柳沢金融担当大臣は「自由主義経済のもとで、計画を順守させる方法はない」と答弁。
小泉純一郎総理は「銀行の経営健全化のため不良債権処理は進めるべきだ。不良債権処理と新しい産業、中小企業育成の両方の道を探るなかで(貸し渋りが)起きており、一朝一夕には解決しないが、努力する」と、貸し出し増に冷淡な態度を示しました。
佐々木議員は、「計画は達成できなくても仕方ないなどという(政府の)いいかげんな態度は許されるわけがない」と厳しく批判しました。
信金・信組破たんに追い込む金融庁検査を見直すよう要求
さらに佐々木議員は、大銀行が中小企業への融資を縮小するなか、中小企業の最後の“貸し手”である信金・信組が、小泉内閣発足後に44も破たんさせられている実態を指摘。日本共産党がおこなった信用金庫・信用組合破たんの実態調査もふまえて、「破たんした信金・信組の多くは、金融庁の金融検査マニュアルにもとづく検査の結果、破たんにおいこまれたものがほとんどだ」と、金融庁の画一的な金融検査マニュアル適用をやめて、地域への貢献や中小業者育成の観点から独自の検査基準をつくることを要求しました。
柳沢金融担当大臣は、金融庁検査の結果、信金・信組の破たんが相次いだことは認めたものの、金融検査マニュアルについては、「(中小企業融資には)特別の配慮をしなさいと細かく書いてある」と答弁。現場での運用改善で画一的検査にならないよう配慮しているとの認識を示しました。
佐々木議員は、日本共産党として「地域経済と中小企業を守る緊急要求」を発表したことを紹介し、その実現のために全力をあげることを強調しました。