国会での活動
国会での活動 − 国会質問、金融(銀行・保険・証券)
【01.10.19】大銀行への新たな税金投入策だ、「銀行株式取得機構」法案を本会議で追及
2001年10月19日本会議で、「銀行株式保有制限法案」の趣旨説明・質疑が行われ、佐々木憲昭議員が日本共産党を代表して質問にたちました。
この法案は、銀行にたいして株式保有の制限を新たに課し、それにともない銀行が売却する株式を買い取る「機構」を新設しようというものです。「機構」は市場の動向を見ながら株を売却します。機構の株買取資金の借り入れには政府保証が付けられ、株が下がって損失が出れば税金で穴埋めする、という仕組みになっています。
佐々木議員は、「法案の最大の問題点は、銀行保有株式取得機構を創設し、銀行支援のために新たな税金投入をおこなおうとしていることだ」と指摘し、「銀行が抱える株のリスクを、なぜ、国民が肩代わりしなければならないのか」と柳澤金融担当大臣の認識をただしました。
また佐々木議員は、政府が当面の株式の買い取り限度額を2兆円としていることを踏まえ、「(今後)2兆円では足りなくなったとして政府保証枠を拡大することはないと明言できるか」と追及しました。
柳沢伯夫金融担当大臣は、「株式市場の動向を現時点で見通すことは困難なため、将来必要があれば見直しをおこないうる」として、歯止めのない税金投入になる可能性を否定しませんでした。
佐々木議員は、大量の株式を保有しているのは大手銀行15行が中心で、買取機構が行う株式の買い取りはもっぱら一握りの大銀行を対象にしたものにすぎないことを具体的な数字をあげて明らかにし、これまで大量の株式保有によって多大な含み益を得てきた大銀行が、株価が低落して含み損を抱えたからといって国民に肩がわりしてくれというのはあまりに虫が良すぎると今回の政策を批判しました。
そのうえで佐々木議員は、政府の70兆円銀行支援策に基づいて、今年3月末までに約27兆6000億円の公的資金が使用され、約9兆円の国民負担が確定していることを紹介し、「この法案はそのうえにまたもや新たな税金投入を上乗せしようというものだ」として「政府には、国民の負担の重みに対する感覚が、完全に欠如してる」と批判。「国民には耐え難い痛みと負担だけをおしつけ、大銀行にはつぎつぎと手厚い支援策を拡大する、このような逆立ちした政策を根本的に改めてこそ、日本の金融機関の国際的な信用を回復させることになる」と政府の政策の根本的転換を求めました。