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国会での活動

国会での活動 − 国会質問金融(銀行・保険・証券)

【01.05.28】「中小企業20万〜30万社が倒産の恐れ」独自試算が反響をよぶ

 2001年5月28日の予算委員会で、佐々木憲昭議員は、独自に試算した不良債権の最終処理の対象となる中小企業数を提示。「少なくとも20万から30万社の中小企業が不良債権処理の対象になる」。年間企業倒産件数(約1万8千件)の10倍以上の中小企業が倒産する可能性があることを明らかにしました。
 金融庁などの資料をもとにした試算にたいし、柳沢金融担当大臣は「データを持ち合わせていない」とのべるにとどまり、試算を否定することはできませんでした。

 さらに佐々木議員は、「銀行が資金の回収をおこなった場合、ほとんどの中小企業が再建されず、清算に追い込まれている」と追及。柳沢金融担当大臣は、「中小企業の場合は、清算型でやるのが簡単だから、件数としては多くでる」と、これを認めました。

 佐々木議員は、「中小企業は、不況の中で大変な苦境にあるが、景気さえ持ち直せば、立派に立ち直ることができる」と指摘。「『不良債権の処理』は、結局、大量の倒産と失業を生み出し、景気を後退させ、日本経済の基盤を崩壊させる」とのべ、実体経済の基本にある家計消費をあたためる道を追求するべきだと要求しました。

日刊ゲンダイが「戦慄データ」と佐々木質問を大きく取り上げる

   この質問を、夕刊紙「日刊ゲンダイ」(5月31日付)が、「大手銀行の不良債権処理で中小企業は断末魔」「倒産三十万社、失業者百五十万人の戦慄(せんりつ)データ」「救われるのは大企業だけではたまらない」と、大きくとりあげました。

【資料】不良債権の「最終処理」の対象となる中小企業数の試算について

  • 政府「緊急経済対策」は、大手行(16行)の「破綻懸念先」以下の債権を2年以内に最終処理すると言っている。
     2000年9月期の大手16行の破綻懸念先以下債権は12.7兆円。
  • 大手16行の貸出に占める「中小企業等貸出」の割合は、金額ベースで65.0%、貸出先件数ベースでは99.5%である。
     ※処理対象不良債権(12.7兆円)は、16行の貸出総額(278.1兆円)の4.6%を占めている。(12・7兆円÷278・1兆円=4・6%)
     ※総貸出先件数(社数と同じ。金融庁の説明による)は、金融庁資料では13行ベースの数字になっているので、16行ベースで集計した帝国データバンクのデータを使用する。その件数は約867.58万件。
     ※そのうち処理対象となる破綻懸念先以下債権は、上記から4・6%と推定できるので約39.88万件。(867。58万件×0・046=39.9万件)
     ※約39.9万件が処理対象であり、上記のようにそのうち99・5%が「中小企業等」だから、約39.7万件が処理対象の「中小企業等」債権である。(39.9万件×0.995=約39.7万件)
     ※ただし、統計上「中小企業等」の「等」の中には住宅ローン等の「個人向け貸し出し」も含まれている。個人向け貸出状況の統計は日銀にあり、金額ベースで「中小企業等」の25.3%にあたる。しかし件数ベースでの統計はない。(補足メモ参照)
     そこで、4分の1が個人向け貸出と仮定してそれを除外すると、残りは29.77万件となる。金額ベースよりも件数ベースの方が大きいと見込まれるので、仮に半数が個人向け貸出だとしても、残りは19.85万件である。
  • 以上の試算から、約20〜30万社の中小企業が「最終処理」の対象になるといえる。
     (ただし、この資産の前提である不良債権額12.7兆円は実際に処理されるであろう金額の最低ラインにすぎない。その理由は、「最終処理」に伴う景気の悪化は、倒産を増加させるため、現在要注意先債権であっても、新たに破綻懸念先以下債権となることが想定されるためである。また、大手行の不良債権処理に伴い、処理対象企業に協調融資をしている地銀・中小金融機関も処理を求められる。)

【試算補足メモ】

銀行の貸出金の中小企業、個人向け貸出の割合=(「日銀金融経済統計月報」より)

国内銀行(2000年9月末)

総貸出金額455兆9618億円 (A)
 うち中小企業向け232兆0468億円 (B)
 うち住宅信用供与額67兆1210億円 (C)
 うち消費者信用供与額11兆5204億円 (D)
  • 金融庁資料の「中小企業等」には、事業用だけでなく住宅ローンなどの個人向けローンが含まれている。  したがって、純粋な中小企業数を試算するには、この中の個人の割合を算出する必要がある。
  • そこで、日銀統計にある住宅ローンと消費者ローンの合計を純粋な個人向け貸出金と仮定する。  すなわち、(C)+(D)=78兆6414億円(E)
  • したがって、金融庁資料の「中小企業等貸出」のなかの個人向け貸出金額の推定比率は、(E)÷(B+C+D)=25.3%である。

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