奮戦記
【13.07.02】消費税増税は、中小零細企業にとって営業を脅かす深刻な問題(facebookより)
消費税の増税は、中小零細企業にとって営業を脅かす深刻な問題です。
消費税法では、納税義務を課税業者に負わせています。そのため、中小業者が転嫁できていなくても納税しなければならない過酷な税制です。転嫁できなかった業者は、運転資金や資産、自らの給与を削って納税せざるを得なくなり、それさえも困難となれば消費税を滞納することになります。
消費税率が引上げられた1998年以降、新規発生の国税滞納額のうち約半分近くが消費税の滞納で占められており、毎年約200万件の消費税新規滞納が発生しているのです。この事実は、多くの事業者で適正な転嫁ができないことを示しています。
転嫁ができない業者は、身銭を切って(自腹を切って)払わざるを得ないのです。このような仕組みは、消費税制度の本質的な欠陥です。
中小企業4団体は、過去に3回、この問題でアンケート調査を行ってきました。消費税率が5%に引上げられる直前の1997年、消費税の免税点が売上1000万円に下げられる直前の2002年、それと今回の増税前の2011年です。
それによれば、売上高3000万円以下の業者のうち、約7割が消費税を転嫁できていないと回答しています。どの売上高階級でも、調査を重ねるたびに転嫁できないという回答が増加しています。
政府は、アンケート調査に表れている悲痛な中小企業の声を無視し、これまで消費税増税を2回も強行しました。この結果、消費税の滞納は深刻な事態となり、事業者を次々と廃業に追い込んできたのです。
公正取引委員会や中小企業庁は、下請け法などによる立入検査等を実施しきました。しかし、2011年度の調査で消費税にかかる問題で是正を指導した件数は、中小企業庁で3件、公正取引監視委員会でたった1件です。指導件数は、合計でたった4件というのはあまりにも少なすぎるのではないでしょうか。
下請け法に基づく立入検査の問題は、調査方法にあります。現行では、親事業者からリストアップされた下請け業者を調査対象としていますが、これでは今後の取引を懸念する中小企業が実態を正直に回答できるわけがありません。
実際、正直に違法行為を書き込んで回答したら、その親事業者の調達担当者から呼び出され「公正取引委員会の書面調査に答えたでしょ」と指摘され取り引きが無くなったと、ある金属加工業の方から切実な訴えを聞きました。
このような事態をなくすためには、当面の消費税増税を中止すること、将来は消費税そのものを廃止するしかありません。