奮戦記
【13.05.14〜15】ネット選挙運動がはじまると、どう変わる?(facebookより)
■インターネットを利用した選挙運動が可能となったら、選挙に関心のある有権者がまずどこを見るでしょうか。それは、政党や候補者のホームページ、ブログです。
ホームページやブログは、世界に対していつも開かれているウエブ上の「広報板」のようなものです。有権者は、まずそれを見て、選挙期間中も政党や候補者に質問や意見を寄せることが活発に行われるようになるでしょう。政党や候補者が、それに対してまじめに答えることができるかどうかが問われることになります。そのさい「○○さんに一票を」とか「○○党の選挙政策」などを表示して選挙運動ができるようになるのです。
これに対して、twitterやfacebookなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は、また別の特徴があります。SNSはウエブ上で人と人とのつながりを促進・サポートする、いわばコミュニティ型の「会員制」サービスです。情報発信をしたとき、その人をフォローしている人(フォロワー)に伝えることができます。従って、フォロワーが多いか少ないかによって影響力が違ってきます。それぞれの特徴をよく把握して選挙運動に使うことが肝要です。twitterやfacebookをやったからホームページやブログはもうやめるなどというのは、いちばんやってはならないことです。
しかも、今回の法改正で可能になるのは選挙運動です。ネットを利用して政治活動報告をすることは、これまでも行われてきましたし、これからもますます活発に行われるようになるでしょう。
私にとっては、ホームページは国会質問などのデータベースです。12年間ホームページを更新し続けています。質問のポイント、議事録、配付資料・パネル、映像などが載っています。
メルマガは1週間の活動報告、YouTubeは国会質問の映像記録です。3月から始めたtwitterは、その時々感じたことをつぶやいたり花や風景の写真を載せており、facebookページは特定の論評と入手したデータを公表しています。
それぞれのツールを相互に関連づけると、また新しい活用ができます。たとえば、ホームページを更新したら、twitterでお知らせする。twitterでつぶやいたらfacebookに転載される(その逆も)。facebookに載せた情報をまとめてホームページに掲載するというように、それぞれの補完関係がうまれます。これは、新しい活用方法として相乗作用を生んでいます。
最近、いちばん大きな反響を呼んだのは、2013年4月28日から5月4日にかけて安倍総理がロシア・中東諸国を訪問したさいに同行した「企業リスト」を投稿したことです。このリストには、112社(含む団体)が掲載されています。
これをfacebookに投稿したら次々と見る人が増え、すでに12376人がこの投稿を見ており、151人からシェアされ、多くのコメントもいただいています(2013/05/14、15:00現在)。驚くべき数です。twitterでリツイートされている数もかなりあります。
■「ネットにふれることもない人々が周りにはいっぱいです。置いてきぼりにされる国民はどうすれば? 率直な思いです。あくまでも一つのツールであり……」。このご意見は、もっともだと思います。
前にも書きましたが、パソコンもファックスもない世帯があります。ネット選挙運動の解禁だけでなく「情報格差」(デジタルデバイド)の問題は大きな課題です。
インターネットの利用状況は、平成22年末で78.2%(6歳以上人口に占める割合)となっています。高齢になるほど、インターネットを利用していない傾向にあります。また、次に大きな影響を及ぼしているのは年収で、所得が低いほどインターネットを利用していない 傾向にあると指摘されています(平成23年版「情報通信白書」より)。この現実にきちんと向き合わなければなりません。
先日もあるイベントで、「ネットを見ない、つながらない人はどうする」という質問がありました。私は、規制だらけの「べからず集」公職選挙法を改め、ネット以外でも、「立会演説会」を解禁したり、戸別訪問を自由化するなど有権者に直接政策を伝える機会をもっと増やすよう、現在の公選法を変えなければならないと答えました。
やはり、すべての国民の参政権を拡大するため、ネット利用だけでなく両面の「自由化」を進めなければなりません。