奮戦記
【09.04.28】日本共産党を代表し政府の財政演説に対して質問をしました
今日の衆議院本会議で、昨日行われた与謝野財務大臣の財政演説に対する各党の代表質問がおこなわれました。
日本共産党を代表して、私が麻生総理大臣と与謝野大臣に質問しました。
私は、以下の4点についてただしました。――
第一は、15兆円の予算規模は、要望を積み重ねて出されたのでなく、単純にGDPかける3%で算出した「総額先にありき」の数字ではないか。
第二に、なぜ、一回限りの対策なのか。
第三に、なぜ、大企業にばかり大盤振る舞いするのか。
第四に、バラマキ補正のツケは、消費税の大増税で国民に回すことになるのではないか。
麻生総理からも与謝野大臣からも、まともな答弁がありませんでした。
そのやりとりについては【YouTube佐々木憲昭チャンネル】や【憲昭国会質問データベース】などでご覧下さい。
リンク【YouTube佐々木憲昭チャンネル】2009年度補正予算案 日本共産党を代表し財政演説に対して質問(約21分)
リンク【憲昭国会質問データベース】2009年度補正予算案 党を代表し政府の財政演説に対して質問
本日の私の質問は、別掲の通りです。
日本共産党の新型インフルエンザ対策委員会が開かれました
市田忠義書記局長を責任者とする、日本共産党の新型インフルエンザ対策委員会が、今日夕方、国会内で開かれました。
最新の情報をもとに、党としても調査と対策をすすめることを確認しました。
麻生内閣の財政演説に対する代表質問・全文(佐々木憲昭)
私は、日本共産党を代表し、財政演説について質問します。
質問に先立ち、メキシコから世界に広がった新型インフルエンザにたいして、日本政府は、国民に正確な情報提供をおこない、水際で防ぐことはもちろん、国内での感染を防止する地域の保健・医療態勢を緊急に整備することを強く求めるものであります。
最近の急激な景気の落ち込みは、日本経済に深刻な衝撃をもたらし、大量の失業と倒産を発生させ、国民に大きな不安を広げています。3月に本予算が通ったとたん、4月に大規模な補正予算を組まなければならないというのは、本予算が欠陥予算であったことを証明しております。――以下、具体的にお聞きします。
第一に、15兆円という数字はどこから出てきたのでしょうか。
経済対策というなら、国民の生活の実態からみて何が必要か、緊急の雇用対策や中小・下請け企業にたいする支援をどうするか、介護や医療、福祉の改善をどうするか、緊急を要する生活関連公共事業はどうするかなど、きちんと積み上げなければなりません。
ところが今回、政府は、「GDP500兆円の3%で15兆円」という決め方をしたのであります。日本は、当初、アメリカ政府と歩調を合わせ、「GDPの2%程度の財政支出」を主張しておりました。ところが、それに麻生総理が“悪のり”して「GDPの3%」としたのであります。このような「総額さきにありき」の決め方は、あまりにも無責任ではありませんか。
第二に、なぜ一回かぎりの対策なのでしょうか。
政府の「経済危機対策」では、盛り込まれる各施策が「一時的な措置」であることをわざわざ明記しています。
具体的に言えば、たとえば「不況下の子育て世代支援」として、就学前の3歳から5歳の子どもがいる家庭に、3万6000円を配るという“子ども版給付金”が提案されています。これは、なぜ一回限りなのでしょうか。なぜ、3歳から5歳なのでしょうか。
また、「女性特有のがん対策」があげられていますが、これも今年の対象となる人は一回だけ受けられますが、来年はありません。これで、どれだけ効果があるのでしょうか。
これでは、理念のない、選挙向けの一時的なバラマキではありませんか。
その一方で、母子家庭の児童扶養手当のカットは、その撤回を当事者が切実に求めているのに、なぜ直そうとせず無慈悲に続けるのでしょうか。生活保護の母子加算や老齢加算の削減も、なぜ直さないのでしょうか。
高齢者の怨嗟の的となっている「後期高齢者医療制度」を、なぜ、やめないのでしょうか。「応益負担」の名で、障害者と施設に耐え難い負担を課し、自立を破壊する「障害者自立支援法」を、なぜ変えようとしないのでしょうか。(総理)しかも、社会保障の自然増を毎年2200億円削減する基本方針を、なぜ続けるのでしょうか。
以上述べた国民の切実な声を無視して、一時的なバラマキをいくらやっても、不安はいっそう拡大するばかりであります。
これまで、自民党と公明党がすすめてきた“社会保障の制度改悪”を、根本的に転換することこそ、真っ先にやるべき仕事ではないでしょうか。
第三に、なぜ大手企業にばかり大盤振る舞いするのでしょうか。
財界・大企業は、ため込んだ莫大な内部留保を取り崩さないまま、政府に対して、さらに大規模な財政出動を求めています。
麻生内閣は、この要請に唯々諾々と応え、昨日の国幹会議において、小泉内閣時代に「白紙」にしたはずの「高速自動車国道計画」の着工を新たに決めるなど、大型公共事業を大規模に推進しようとしております。
大企業中心の研究開発費減税は、法人税の3割の減税を4割にまで拡大し、繰越期間を最大3年に延長するという、至れりつくせりです。
そのうえ、15兆円の枠組みとは別枠で、株価を買い支えるための借り入れにたいして政府保証枠を50兆円も用意し、さらに産業活力再生特別措置法で、従業員5000人以上の大企業にも資金注入ができる仕組みをつくるというのであります。あまりにも大企業一辺倒ではありませんか。
赤字が続く中小企業には、まともな対策がありません。強い企業を助け、弱い企業を切り捨てる路線の転換こそ、必要ではありませんか。
また、体力のある大手企業への支援よりも、派遣切りをやめさせ、職や住居を失った労働者を救うことこそ、優先されるべきです。
派遣期間制限の3年を超えて働かされるなど、違法派遣状態のまま「派遣切り」にあった労働者が、その是正を求めて申告しても、労働局の対応があまりにも冷たいという声があがっています。
詳細な書類の提出がないという理由で受理しなかったり、立会人も認めず尋問のように聴取するケースもあります。解雇通告され、切迫した状況に置かれている労働者の立場に立ち、実情に応じた対応をすべきではありませんか。
少なくとも、申告があったら、(1)すみやかに調査に入り、必要な指導・助言を行うこと、(2)申告は、口頭であっても文書であっても受理し、親身に対応すること、(3)派遣期間制限を超えて働かせている場合、指導・助言は「直接雇用を進める」という立場で行うこと、(4)これらを効果的にすすめるため、労働局の体制拡充をはかること。――このさい、この4点に対する総理の明確な答弁を求めておきます。
第四に、バラマキ補正のツケは、消費税の大増税で国民に回すことになるのではありませんか。
政府の「経済危機対策」では、税制の「中期プログラム」の「必要な改訂を早急に行う」としています。与謝野財務大臣は、4月14日の記者会見で「相当な規模の補正予算になる」ので「後始末」をつけなければならないと発言しています。
「中期プログラム」にも「国税法」の附則にも、法人税のいっそうの引き下げを検討すると明記しています。そうなると、すべてのツケを消費税の大増税で国民に回すことになるではありませんか。
「中期プログラム改訂」の内容は、消費税増税の目的を「社会保障財源」だけでなく「赤字財政の穴埋め」へと変更することではありませんか。明確にお答えいただきたい。
財源が必要だというなら、これまでおこなってきた大企業中心の過大な減税措置を直すべきであります。
歳出面では、米軍への思いやり予算はいますぐ中止し、グアムの米軍基地建設と運営に日本の税金を使う計画を取りやめるべきです。不要不急の大規模開発や道路・港湾等の公共事業を総点検し、抑制・延期・中止するなど、無駄遣いをなくすべきであります。
いま必要なことは、財政規模をむやみに膨らませるバラマキ補正ではありません。崖から突き落とされたような衝撃を受けている労働者、中小企業、農林漁業者の命と暮らしを直接守る緊急対策であり、高齢者、障害者の社会保障制度を抜本的に改善することであります。
日本経済の底辺を支えてこそ、外需依存から家計中心の内需主導型経済に切りかえることができ、新たな経済発展の軌道に乗せることができるのであります。──このことを指摘して、質問を終わります。
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