2006年03月02日 第164回 通常国会 予算委員会 【341】 - 討論
2006年度予算成立 佐々木議員反対討論「空前の利益を上げている大企業に応分の負担、予算を生活支援の方向に」
3月2日の予算委員会で、2006年度予算3案が採決され、日本共産党、民主党、社民党などが反対するなか、自民党、公明党の与党の賛成多数で可決されました。
採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して反対討論に立ちました。
この日、予算委員会の締めくくり総括質疑で、佐々木憲昭議員は、防衛施設庁の官製談合事件について小泉総理大臣らに質問しました。
その後、政府予算案の撤回と編成替えを求める動議を提出し、提案理由の趣旨弁明を行いました。
議事録
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、2006年度総予算3案に対して反対、我が党提出の編成替えを求めるの動議に賛成の立場から討論を行います。
本予算案に反対する理由の第一は、国民への本格的な大増税をさらに進めるものだからであります。
小泉内閣は、昨年の総選挙での公約に反し、所得税、住民税の定率減税の全廃を盛り込んでおりますが、その結果、3兆4000億円の大増税となります。政府自身が、増税対象者の九割がサラリーマンと認めているように、許しがたい庶民増税であります。加えて、第三のビールやワインなど、庶民のささやかな楽しみにさえ課税する増税路線に新たに踏み込んでいるのであります。
第二に、医療保険制度の改悪を初め、社会保障改悪を一層押しつけようとしていることです。
70歳以上で現役並みの所得のある高齢者の自己負担の引き上げ、長期入院高齢者に対する食費とホテルコストの負担増、高額医療費の自己負担限度額の引き上げなどが、重病者と高齢者に集中的に重い負担をかぶせることは明らかであります。
第三に、小泉内閣の構造改革路線が、社会的格差と貧困を一層深刻にし、国民の安全をないがしろにしていることです。
労働法制の相次ぐ改悪のもとで、派遣、請負などの非正規雇用を急速に増大させていることが、今日の格差拡大を招いているのであります。
また、耐震強度偽装事件やライブドア事件は、規制緩和万能で、国民の安全や財産をないがしろにしてきた政府の責任が厳しく問われています。
BSE問題では、米国産牛肉の輸入再開を国民の食の安全より優先してきた政府の姿勢を厳しく問うものです。
第四に、アメリカの米軍再編方針に沿った日米軍事同盟と基地の再編強化を進めるものだということです。
米軍、自衛隊が一体となった海外での軍事作戦態勢づくりは許されません。もともと日本に負担義務のない米軍思いやり予算が談合の食い物にされてきたことは重大であり、その徹底的解明なしに基地建設を進めることは許されません。
最後に、深刻な財政状況の中、無駄と浪費の大型公共事業を相変わらず組んでいることであります。
今大事なことは、このような無駄や浪費に真剣にメスを入れるとともに、空前の利益を上げている大企業、大資産家に応分の負担を求めること、そのためにも、高齢者や障害者のほか、働くさまざまな世代が安心して暮らせるよう、予算を生活支援の方向に根本的に組み替えることであります。
このことを強調して、私の反対討論とするものであります。