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財政(予算・公共事業), 金権・腐敗政治 (税金の還流, 官製談合, 天下り, 予算案)

2006年03月02日 第164回 通常国会 予算委員会 【339】 - 質問

小泉総理に防衛施設庁の官製談合事件について質問

 2006年3月2日、予算委員会の締めくくり総括質疑で、佐々木憲昭議員は、防衛施設庁の官製談合事件について小泉総理大臣らに質問しました。
 米軍の岩国飛行場と佐世保基地の5件の工事を落札した企業が、自民党に2004年だけで8400万円の献金をおこなっていました。
 佐々木議員は、「談合で得た不当利得の一部が自民党に還流したと言われても仕方がない。談合で起訴されれば、企業からの献金は返却すべきではないか」と質問。
 これにたいして、小泉総理は「佐々木議員から問題指摘されているので、今後個別の状況を慎重にチェックして検討したい」と答えました。
 また、佐々木議員は、「談合で共謀したとされる企業を2005年度分の入札から排除すべきだ」と要求しました。
 これにたいして、額賀福志郎防衛庁長官は「国民の目から見て疑いがないよう、公明正大に、きちっとした対応策をとる」と答弁しました。



 翌3日、防衛庁は、2005年度の未発注の建設工事については、談合に関与した疑いのある企業をはじめ178社を、新規契約から排除すると発表しました。
 今年度の未発注案件は、岩国飛行場など711件で予定案件の59%、金額は1202億円で64%に当たります。

 この日の予算委員会で、佐々木憲昭議員は、政府予算案の撤回と編成替えを求める動議を提出し、提案理由の趣旨弁明を行いました。
 その後、2006年度予算3案が採決され、日本共産党、民主党、社民党などが反対するなか、自民党、公明党の与党の賛成多数で可決されました。
 採決に先立ち、佐々木憲昭議員が、日本共産党を代表して反対討論に立ちました。

議事録

○佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
 防衛施設庁の官製談合事件についてお聞きをしたいと思います。
 私は、2月7日の総括質疑で、天下りについて小泉総理にお聞きをいたしました。
 空調工事の談合事件では、東京地検に逮捕された元技術審議官ら3名が2月20日に起訴をされました。この3名は、岩国飛行場、佐世保基地の工事契約についての談合容疑でも2月21日に再逮捕されております。
 法務省からいただいた被疑事実によりますと、これらの工事契約で談合が行われ、それぞれ、一般競争入札に関し、受注予定業者の営業担当者らと共謀の上、公正な価格を害する目的で、特定のジョイントベンチャーに落札させたと書いてあります。
 総理にお聞きしますけれども、今回の施設庁の官製談合事件、官に重大な責任があるというのは当然ですけれども、同時に、この官製談合というのは官だけではできないわけですから、官と共謀し不当な利得を得ていた民間企業、ゼネコンの側にも重大な責任があるというふうに思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○小泉 内閣総理大臣 これは、大変遺憾な事件でありまして、官製談合防止法の法理的な問題については、今、与党内におきましても議論をしているところであります。
 民間におきましても、このような談合が起こらないような対策を講ずるべきだと思っておりますので、官民協力して、このような不祥事が起こらないように、今後も不断の、行為に対する見直しなり、どのような対応が必要かということは考えていかなきゃならないと思っております。
○佐々木(憲)委員 民の側の責任も大変重いという認識だと思うんです。
 防衛庁長官にお伺いしますが、空調工事の談合事件にかかわった企業に対してどのような措置をとりましたか。
○額賀 防衛庁長官 委員の御質問にお答えいたします。
 去る2月20日、防衛施設庁が発注した工事の入札に関連いたしまして、競売入札妨害として、東京地方検察庁に防衛施設技術協会理事長が起訴をされました。また、大気社、新菱冷熱工業、三機工業の社員が略式起訴をされたわけであります。
 これを受けまして、私どもといたしましては、事務次官から各機関に通達を出しまして、指名停止措置要領に基づきまして指名停止の措置を行いました。
 具体的に申し上げますと、防衛施設技術協会につきましては、逮捕された理事長の起訴の事実は防衛施設技術協会とは直接関係ありませんけれども、理事長が違法行為をしたということで、技術協会が今回の談合の当事者ではなかったけれども、6カ月間の指名停止をいたしました。また、大気社ほか2社につきましては、談合の当事者でもありますし、その前に、入札のときに誓約書を書かせました。談合はしていないという誓約書をとっておりましたので、これも指名関係の指導要領に基づきまして、指名の停止を14カ月間にいたしましたところであります。
○佐々木(憲)委員 岩国の飛行場、佐世保基地、この工事契約についての談合容疑も極めて重大であります。談合が行われていた工事契約は、配付した資料の1枚目に5件あります。これらの工事で談合が行われていたとされているわけです。
 被疑事実に書かれているように、落札したジョイントベンチャーだけではなくて、そのジョイントベンチャーに落札させるようにはかったほかのジョイントベンチャーも含めて、共謀したということが認定されているわけです。
 資料2枚目を見ていただきたいと思います。
 2-1と番号を振ってありますけれども、これは入札・契約状況調書というものでありまして、防衛庁の資料ですが、例えば滑走路移設中央地区地盤改良工事、この入札状況を見ますと、非常に特異な状況が生まれておりまして、38億で第2回目入札、これで落札しているわけでありますが、この2番目以下を見ますと、38億6000万、38億7000万、38億8000万、きれいにこれは並んでいるわけであります。
 1位から6位まで、わずか2%の狭いすき間の中に6社が入っている、極めて異常な事態ですね。1位と2位の差は1.6%程度です。ほんのわずかな差で鹿島などのジョイントベンチャーに落ちるように共謀して、全体が仕組んでいた。これは、まことに異常な事態であります。
 そこで、防衛庁長官にお聞きしますけれども、このジョイントベンチャーの、この参加をした全体がやはり共犯関係にあるというふうに思いますが、どういう認識ですか。
○額賀 防衛庁長官 これは、今委員が御指摘のように、その入札価格等々を見ておりますと、非常に近似をしているということがよくわかります。
 しかし、この件は今まさに捜査中でございますから、私として、個別具体的な問題についてコメントすることはいかがなものかと思っておりますけれども、そういう疑いがあるから、我々は、こういうことが起こることがないように、入札問題とか再就職等の問題について抜本的な改革をするために今努力をしているということでございます。
○佐々木(憲)委員 談合が明確になった場合、当然、この入札に参加して談合を行った企業は全体としては行政処分の対象になる、行政処分を行う、これは当然だと思いますが、いかがですか。
○額賀 防衛庁長官 東京地検の捜査が進展をし、そしてこの事案が明らかになって起訴されるようなことの事態が起これば、我々は厳正な処分をしたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 今談合で問題になっているのは、15年度分の入札に関する問題であります。
 資料を見ていただきたいんですが、次の2-2という資料ですけれども、これは、先ほど見た資料と比べていただきますと、同じ地盤改良工事ですけれども、16年度分、全く前年の15年と同じ、鹿島などのジョイントベンチャーが落札しているわけです。また、北地区の埋立工事の場合、東亜建設、本間組、岩国土建のジョイントベンチャーが、15年度だけでなく14年度も落札しております。それは資料の2-3、2-4にあります。北地区地盤改良工事の場合も、鉄建建設、大豊建設、太平工業のジョイントベンチャーが、15年だけではありません、16年度にも落札をしている。これは2-5、2-6にあります。ほとんど同じような姿になっているわけです。
 ですから、この15年度工事で談合があったとなりますと、前後の14年、16年の工事でも談合が行われた疑いが極めて濃厚だと思うんですが、そのように認識して当然だと思いますが、いかがですか。
○額賀 防衛庁長官 この問題については、先ほど申し上げましたように、まさに捜査中の焦点になっていることでございますから、私がコメントするということはいかがなものかと思っております。ただ、状況は、よくこれは見守っていき、我々としてもきちっと厳正な対処をしていかなければならないというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 中に検討会議あるいは調査委員会というのが設置されていますよね。今、これらの、15年だけじゃなくて14年度、16年度の問題も極めて疑惑が深いわけです。したがって、調べるべきだと思いますが、いかがですか。
○額賀 防衛庁長官 検討委員会、それから再発防止のための調査委員会につきましては、調査委員会においては、行政上、組織上、施設庁の中でどういう問題点があったのかということについて調査をしておりますので、当然、捜査の妨害にならない範囲できちっと整理をしていきたいというふうに思っております。その上に立って、こういうことが二度と起こることがないように、抜本的な再発防止策を講じるということでございます。
○佐々木(憲)委員 平成17年度、これは今年度です。その工事契約をどうするかという問題であります。17年度の岩国の埋立工事などについては、まだこれは入札が終わっておりません。入札は3月中に行われるというふうに聞いておりますけれども、一連の談合事件で共謀したとされるゼネコン、これは当然入札から排除するというのはあってしかるべきだと思いますが、どのように対処されますか。
○額賀 防衛庁長官 おっしゃるように、17年度の執行予算がまだ残っております。これから仕事をさせていく上で、これまでの疑惑の企業につきましては、しっかりと、国民の目から見て疑いがないように、公明正大に、きちっとした対応策をとっていきたいというふうに思っております。
○佐々木(憲)委員 私は、これだけ重大な、起訴が行われたり逮捕されたり、そして官製談合、官だけではなくて民、両方が結託して共謀し、そして国民の血税を自分の懐に入れている、こういうやり方は根本的に正していく必要がある。そのためには、まず、この3月の入札について、疑惑が持たれたゼネコンは当然排除するということをやるべきだと思います。今、国民の目から見て疑惑が持たれないようにというふうにおっしゃいましたから、私はそういうふうにされるものだというふうに思います。
 そこで、総理にお伺いしますが、問題は、この談合事件にかかわった企業が、国民政治協会を通じて自民党に献金をしているわけです。
 一番最後の表を見ていただきたいと思うんです。この施設庁の談合事件で落札した企業、これは落札した企業に限っておりますけれども、ここから、そこにありますような大きな金額が自民党に渡っているわけです。
 まあ簡単に言いますと、これは談合をやった年と同じ年ですから、談合で得た不当利益の一部が還流していると言われても仕方がないんです、この現実は、この実態は。
 そこで、総理にお聞きしますけれども、少なくとも、談合をして逮捕され、起訴される、そういう企業から献金を受け取ったとすれば、これはやはり返却するというぐらいの姿勢を示すべきだと思いますが、いかがですか。
○小泉 内閣総理大臣 自民党は現在、さまざまな企業から、自民党が政治に果たす役割は多い、自民党を応援したいということで、企業の中にも自民党に政治献金をしてくれる企業がかなりあります。
 しかしながら、自民党は現在、一定のルールに基づいて、特定の企業からの寄附を自粛しております。特定の企業とは、公的資金による資本注入を受けている銀行、二期連続で欠損、無配の企業、金融機関より債権放棄を受けた企業、会社更生法、民事再生法適用を申請している企業、こういう企業からは自粛しておりますが、今御指摘の企業について、問題が佐々木委員から指摘されておりますので、今後、個別の状況を慎重にチェックした上で検討してまいりたいと思っております。

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